クリエイティブな日常を彩る、遊び心とおもてなしが詰まった家
【あべじゅんやさんのコンパクトライフ 後編】
洗練されたホワイトベースのインテリアに、カラフルなポスターや遊び心のあるオブジェが一際目を引く、ファッション&ライフスタイルデザイナーのあべじゅんやさんの住まい。愛嬌のあるポップなイラストを生み出す彼は、日々どんなものを見て暮らし、どんな毎日を過ごしているのでしょうか。後編では、お気に入りの家具やインテリア、彼自身が手がけるグッズの話、日々のおうち時間についてなど、詳しく伺います。
お気に入りの家具と、
リビングの思い出
自宅の中で特にお気に入りの場所を教えてください。
リビングに置いている、〈リーン・ロゼ〉のトーゴのソファです。カスタムできる生地はちょっと奮発して、上質なランクのものを選びました。触り心地がとても良く、座り心地も抜群で、空間を一気におしゃれにしてくれる。さすが名作ソファだなと思います。さらに、とても軽いので『今日はこっちを眺めたい』と気分で向きを変えたり、模様替えが気軽にできるのもうれしいポイント。このソファでは仲間と仕事の話をしたり、恋バナをしたり、たくさんの思い出が詰まっています。
ソファと合わせて使っているサイドテーブルについて教えてください。
ソファの周りには2つのサイドテーブルを置いています。背の高い小さなテーブルは、僕がディレクションしているブランド〈roomsickgoods〉のアイテム。家に帰ってきたら、まずここにアクセサリーを置いてくつろぎます。
もうひとつのローテーブルは、もともとテーブルラックとして使っていた家具を倒して土台にし、その上にもともと木の土台とセットだったローテーブルのガラス天板だけを乗せて使っています。現在の家では木の雰囲気があまり馴染まなかったため、分解して組み合わせてみました。
家具を選ぶ基準を教えてください。
白が基調の部屋なので、そこに馴染んでくれるかどうかが判断基準です。家具は部屋の印象を大きく左右するものなので、白やシルバー、ブラックなど、色味をある程度絞って選んでいます。
また、定期的に模様替えをするので、移動がしやすい家具も多いと思います。冬になったら寝室を別の部屋に移したり、ベランダに置いている椅子を室内で使うなど、飽きないように構想中。これ以上家具を増やしてしまうとごちゃごちゃしそうなので、今あるもので試行錯誤しようと考えています。
家づくりのインスピレーションはどこから得ていますか?
PinterestやInstagramで好みの部屋をたくさん見て、自宅のインテリアの参考にしています。あとは、ふらっと入ったインテリアショップで、この組み合わせいいなと気づきを得ることも。表参道の〈CIBONE〉は好きでよく行きます。
日常にクスッと笑顔を。
なければ自分で作ればいい!
あべさん宅にはかわいい小物もたくさんありますよね。インテリアはどんなものが好きですか?
スタイリッシュで、少しクセのあるものに魅かれます。例えば、窓際で使っているブックスタンドは〈楽天〉で偶然見つけたものですが、人ががんばって支えている姿がなんともかわいいですよね。
ご自身でデザインされたグッズもたくさん愛用されていますね!
オリジナルグッズは『こんなのあったらいいな』という純粋な気持ちから製作することが多いです。洋服や財布、バッグ、メガネなどのファッションアイテムのほか、ミニテーブル、ラグマット、タオル、ポスター、ルームシューズなど、ホームグッズもたくさん製作。何気ない日常の中で、ふと視界に入ったときに和ませてくれたり、クスッと笑えるような、そんなアイテムを作りたいと思っています。
なかでも気に入っているアイテムを教えてください。
〈kaoyorinakami〉のお財布です。経年変化を楽しめる本革を使用し、刻印はイラストをメインにしたのがポイント。コンパクトでかわいいフォルムながら、カード、お札、小銭、すべてしまえて機能性も抜群です。『どこの財布ですか?』とよく聞かれる、自慢のアイテムです。
好きな音楽と、
大切な仲間と最高の休日を
インテリアに興味を持ったきっかけを教えてください。
大学生の頃、自分の部屋で音楽を聴くのが好きで、もっとおしゃれな空間でリラックスしながら聴きたいと思ってから、インテリアに興味を持ち始めました。
愛用しているオーディオ機器について教えてください。
窓際に置いているのは、〈Marshall〉のスピーカー。携帯とつなげて大音量で楽しんでいます。音質がとても良く、このスピーカーを迎えてから、暮らしが一段と豊かになりました。
あと、レコードプレイヤーは〈BEAMS RECORDS〉で購入した、〈House of Marley〉のものを愛用しています。House of Marley は、ボブ・マーリーの普遍的な愛や音楽、自然に対するリスペクトを、マーリーファミリーが具象化したブランドです。
お家での休日はどのように過ごしていますか?
友達を招いて過ごすことが多いです。みんなで食事をしたり、お酒を飲んだりしながら、アーティストのライブ映像を観たり、最近はカードゲームにもハマっています。
人を招くようになってから、ご自身の暮らしにどんな変化がありましたか?
もともと面倒くさがりな性格ですが、友だちを招くようになってからは『綺麗にしなきゃ』という気持ちが自然と生まれて、部屋の快適度がぐんと上がったと思います(笑)。また、『友達が来るならなにか作ろうかな』と、これまであまり興味がなかった料理にも挑戦するようになりました。
〈kaoyorinakami〉でデザインしたスリッパも、人が遊びにくる我が家だからこそ生まれたアイテムです。ゆっくりくつろいでほしいという思いを込めて、フカフカで気持ちのいい生地を選んで、とことん履き心地にこだわりました。履く前に見える中底には『WELCOME!』のタグを、側面には『Hayonenight(早よ寝ないと)』と刺繍をして、ちょっとクスッとできる要素をプラス。僕なりのおもてなしの気持ちが詰まったアイテムです。
洋服のデザインを考えたり、イラストを描いたり、ブランドの撮影をしたり、多忙を極める毎日でも、ユーモアや遊び心を忘れずに、真摯に暮らしを楽しむ姿が印象的だった、あべじゅんやさん。好きなものに囲まれた住まいをとことん追求し、仲間との時間を大切にするその温かい姿勢が、彼のインスピレーションに満ちたデザイナー人生を支えていました。
前編では、この物件を選んだ理由や家づくりのテーマ、生活感なくすっきり暮らす収納アイデアについてなど、詳しくご紹介しています。ぜひ前後編合わせて、お楽しみください!
※本ページ掲載のお部屋は、Brilliaの分譲マンションに限らず、ご紹介しております。
Photo : Shinji Serizawa / Text : Runa Kitai