シンプルでいて味わい深い、時代を超えて愛される家
【滝沢時雄さんのコンパクトライフ 前編】

憧れのヴィンテージマンションを、
快適にアップデート

今の物件に行き着いた経緯を教えてください。

ずっと古くて雰囲気のある物件を探していました。もともとこのマンションは友人が住んでいて、いいなと思っていて。空きが出たらすぐに内見できるように、近くのマンションに住んでチャンスを伺っていました。どの住戸も同じ造りで、横に長く、窓が多く、開口部が広い。角部屋ではない限り、あまり出会えない個性的な造りに可能性を感じていました。また、収納部が外にせり出しているので、その分居住スペースを広く使えることも理想的だったり、緑豊かな中庭の景色が高台にあって見晴らしが良いことも決め手に。実はこのマンション内でも3、4軒内見していて(笑)その中でもリフォームがされていなかった今の物件を購入しました。

リノベーションはどのような業者に依頼しましたか?

ワークショップ形式で住まい手も家づくりに参加できる〈ハンディハウスプロジェクト〉に依頼しました。間取りのプランニングから素材やパーツ選びをはじめ、床を張ったり、壁を塗ったりする作業も含め、とても楽しかったです。

家づくりはどのように進めていきましたか?

薄暗かったので、壁は真っ白に塗り、窓からの光が全体に回るように2LDK の間取りを1LDKにリノベーションしました。あまりセオリーに捉われすぎずにアイディアを出していきましたね。例えば、当時はまだ当たり前ではなかった寝室の内窓は「ここに窓があったらきっと明るくなるだろう」と自由に発想したもの。寝室なので下半分は磨りガラスにしています。あと、我が家には巾木がなかったり、窓枠は黒で塗っていたり、内装の装飾は極力シンプルになるよう工夫しました。

寝室のドア、重厚感があって素敵ですね。

これは1920年代のイギリスのアンティーク。番号が書いてあるイギリスの玄関ドアが好きで、長い間探していました。家に入れてみたら、想像以上に大きかったです(笑)。ガラスの部分はもともと入っていたステンドグラスを取り外して、隣の窓と同じ鉄線入りのガラスへ入れ替えています。

機能的で美しい、暮らしの道具

家の中で一番長く時間を過ごすのはどこですか?

リビングダイニングですね。ダイニングテーブルに座っていると、テーブルの上か足元か、猫が大体近くにいるので、一緒にゆっくりしています。ダイニングテーブルは大好きなデザイナー、ジャン・プルーヴェがデザインしたヴィトラ社のテーブルで、この家に引っ越したときからの愛用品。天板のスペアもあるのでまだまだ使い続ける予定です。

テーブル上のライトは、シェードを好きな角度に調整できる猿山修さんデザインの「自在照明」。椅子はイームズチェアを合わせています。

家具など、暮らしの道具はどんなものが好きですか?

装飾的にデザインされたものよりも、機能的に作られていて、それが美しいというのが理想的だと思っています。例えば、〈Russell Pinch〉の木製スツール。折り畳んで壁にかけることもできるデザインで、アーツアンドクラフトがルーツにある、イギリスらしいクラフトマンシップを感じます。用の美を感じる佇まいが良いなと思います。

薄暗かった水回りも
明るく清潔感ある空間に

リノベーション前、特に印象が暗かったキッチンと洗面所。今はどんな空間ですか?

キッチン
キッチンは光がたっぷり差し込むように窓辺に移動し、〈IKEA〉で購入したキッチン台を導入。コンロ上に取り付けた〈MOEBE〉のセラミックペンダントランプは、シェードがコードに固定されていないため、光を落とす向きを調整できるという優れもの。また、食器類を収納している〈Tse&Tse associees〉のインディアンキッチンラックは、見た目もよく、使いやすくてお気に入りです。

洗面所
白とシルバーで統一することで、明るく、清潔感のある印象に。〈IKEA〉のシンクをベースに、タイルを貼ったり、工業用の取手を取りつけるなどして工夫しました。メガネや香水を置いている白いウォールシェルフも〈IKEA〉。鏡はフレームのないシンプルなデザインが気に入った〈MOEBE〉のものを取り入れました。

シンプルだけど味わい深い、滝沢さんの住まいづくり。後編では、滝沢さんが今思うインテリアの考え方や好きなもの、愛猫・あおくんとの暮らしや休日の過ごし方、2021年に立ち上げた自身のブランド〈山と猫〉についてもご紹介します。ぜひお楽しみに!

朝日が気持ちいい、
屋根裏部屋のような物件

今の物件に住み始めた経緯を教えてください。

もともとは、同じマンションの下の階の部屋を内見しに来て。ちょうど最上階も空いたからと見せてもらったのが、このちょっと変わった物件でした。キッチンのシンクが賃貸では珍しい陶器だったり、角部屋で三面採光なこと、ヘンテコな斜めの壁も気に入りました。

改めて、今の家に引っ越してよかったなと思うことは何ですか?

朝、とても日当たりが良くて、朝日と共に目覚めるようになりました。以前はバーで働いていたこともあって夜型の生活でしたが、今は完全朝型に。最近取り入れた〈TOSO〉のバーチカルブラインドは、ほんのり光を取り込める透け感のあるタイプ。縦の空間を意識できるようになり、天井を高く感じられ、部屋全体がシャープな印象になったと思います。

ポップな花と意外性のあるインテリアで、
心躍る空間づくり

自宅づくりのテーマを教えてください。

好きな色を自由に使ったり、アクセントクロスで空間に奥行きを持たせるなど、パリのアパルトマンのように、コンパクトな住まいを自分らしく楽しむことはひとつのテーマです。さらに、花が引き立つようなインテリアコーディネートも意識。大きな家具や床、壁の色は、白、グレー、ベージュをベースにすることで、花の色が引き立つようにして、花と相性のいい緑は多めに取り入れています。家具は気軽に変えられないものですが、お花は気軽に変えられる要素。そのときどきの気分に合わせた花を取り入れています。

アクセントクロスを貼ったベッドスペースについて、詳しく教えてください。

賃貸でも使える、剥がせるアクセントクロスは、壁紙専門店の〈WALPA〉の実店舗で実際に色を見て購入しました。テラコッタに似た色で植物との相性も良く、飽きが来ないだろうと選びました。

ベッド上にかけている写真をモチーフとしたブランケットは、韓国のインテリアブランド〈SLEEPTIGHT OBJECT〉のもの。チェジュ島の大自然と、そこに佇む馬の群れが素敵。ぬいぐるみなどで使う生地で作られているので、手触りが良いのもうれしいポイントです。

インテリアはどのようなものが好きですか?

ポストモダンや無機質だけど温かみがあったり、意外性のあるインテリアに魅かれます。

例えば、床置きしているくねくねした形の照明は、〈IKEA〉と立体アーティスト〈GELCHOP〉のコラボアイテム。期間限定で販売していました。六角レンチをモチーフにした奇抜なデザインがかわいいですよね。

部屋づくりを考えるにあたり、軸となったインテリアアイテムはありますか?

ガラスウェアブランド〈TOUMEI〉のペンダントライトは、我が家のアイコニック的存在。“ポップ”という言葉だけでは片付かない魅力があるなと、銀座の〈シボネ〉で一目惚れ。明かりをつけていないときもアートとして楽しめます。また、我が家にはTOUMEIのデザイナー・アーティストの髙橋漠さんが手がけたガラスオブジェの写真も飾っています。

また、TOUMEIのプロダクトを愛用していることをInstagramで投稿したら、なんと〈ほぼ日〉の方が見つけてくださって、TOUMEIとのコラボが実現!一緒にフラワーベースを作ることになり、ちょうど最近完成しました。

TOUMEIさんとほぼ日さんと約半年ほどじっくり相談しながら製作しました。口径が狭すぎると洗いづらいし、広すぎるとお花があばれて生けにくい。日常的に自宅で使ってみることで微調整を繰り返し、サンプルづくり3度目にしてようやく理想的なフラワーベースが完成。僕もTOUMEIさんもインテリアが好きなので、お花を生けなくても楽しめる花瓶に仕上がりました。

18㎡・ワンルームで、
上手に暮らすアイデア

ダイニング兼デスクスペースについて、教えてください。

ダイニングテーブルも兼ねているデスクは〈IKEA〉のMICKE。鉄脚はホワイトにしたかったのでマスキングテープで加工しています。椅子はオランダのヴィンテージ。個性的だけど温かみのあるチェアを探していたら〈Yahoo!オークション〉で見つけました。デスクの上に置いている、プリンターのような家電は〈Aladdin〉のオーディオ内蔵型プロジェクター。壁から最低24cm離せば100インチの大画面が楽しめる超単焦点モデルでコンパクトライフにおすすめです。

他にもコンパクトライフにおすすめなアイテムを教えてください。

takayo katayamaさんの籐のモビール
温かみのある籐で洗練された曲線美を描いた作品。ずっと欲しかったのですが今まで欠品続きで、最近ようやく手に入れることができました。大きくて存在感はあるけれどシンプルで圧迫感が出ないので、コンパクトな部屋でも高い位置の空間を上手に飾れます。

オーディオテクニカの「Sound Burger」
コンパクトでどこでも手軽にレコードが楽しめるレコードプレイヤー。スピーカーはBluetoothにつなげて使えたり、充電式だったり、レトロな見た目ながら現代人にマッチした性能を備えています。

Kartellの「コンポニビリ」
ベッド横に置いているのは、イタリアのインテリアブランド〈Kartell〉の収納家具。Kartellはプラスチック加工技術を活かした、モダンなデザインの家具が魅力的なブランド。我が家では、ベッドサイドテーブルとしても活躍しています。

コンパクトな住まいでもすっきり暮らすためにどんな工夫をしていますか?

収納については、ベッド下のスペースをフル活用。オフシーズンの服や使用頻度の低い掃除用品、本などをしまっています。ベッドは〈IKEA〉のものですが、しまうものが多すぎたので、もともとついていた引き出しは取り外し、ローラー付きの衣装ケースをそのまましまえるように改造しました。

あとは、意識的にモノの住所を決めること。コンパクトな住まいだと少しでも散らかると気になるので、モノの定位置を考えるのは大切だなと思います。僕はそのときどきのライフスタイルに合わせて模様替えをこまめに行うタイプ。そのため、その都度住所変更しています。さらに、必要以上にモノを持たないことも大事。1個買ったら1個手放すことを意識して、1年使わなかったものは処分するようにしています。

8畳・ワンルームというコンパクトな住まいのなか、様々な工夫で部屋を広く使いながら、色とりどりの花と好きなインテリアを目一杯楽しんでいた大矢さん。後編では、大矢さんの暮らしでは欠かすことのできない花の話や、コンパクトでも快適なキッチンづくりの工夫、気分転換にもなっているという料理やお酒について詳しくお聞きしています。ぜひお楽しみに!

実生活にポジティブな影響を与えてくれる、
『メタバース』とは?

メタバースとは何ですか?

北さん:我々の捉え方では、デジタルファーストの生活圏が3DCG技術で構築された空間と考えています。もう少し説明すると、アバター(仮想的な分身)を使って、ユーザーが3DCG技術で構築された世界で様々な活動ができたり、他の人と交流したりできる空間になります。ゲームができたり、Tokyo Meta Livingでいうと部屋のシミュレーションができるなど、サービスごとにできることは様々です。

池田:メタバースと聞くと完全に独立したデジタル上の世界で、そこでの生活は現実世界と切り離されたものとイメージしがちですが、実際には現実生活と影響し合えるサービスも多くあるんですよね。

北さん:そうですね。社会生活の一部をバーチャルで楽しむ感覚でしょうか。メタバースの中で社会生活を完結するというよりは、今のリアルな生活があって、リアルでできないことをバーチャルで体験するなど、バーチャル空間での経験が現実社会の生活の一部になるイメージかと思っています。

例えば、学校を例に説明すると、いろんなタイプの学校がある中で、その選択肢のひとつにメタバース上で学べる「MEキャンパス」というものがあります。メタバース空間のアバターで学校生活を送りながら、メタバースを構築・運営するクリエイターのスキルを課題制作が中心となっているカリキュラムで実践的に学べる学校です。社会活動の選択のひとつに、メタバース上の選択肢があるということです。

『Tokyo Meta Living』を開発したきっかけを教えてください。

池田:住まいを提供するデベロッパーとして、“住まうこと”をもっと楽しく、豊かにするために私たちは何が提供できるのか、日々模索してきました。これまでBrilliaから生まれた住まいと暮らしの共創プロジェクト「bloomoi」や、自分らしさを大切に暮らす人々を紹介する「Tokyo Compact Life」の取り組みを通じて、多様な人々の声を聞き、共創の幅を拡げ、より自分らしさを表現しやすい商品・サービスの創造に取り組んできました。最近ではスマートフォンの普及により、見やすい、イメージしやすい、操作しやすい等、ユーザビリティ重視の最適なコンテンツをより強く意識し、最新技術を活かしたコンテンツ制作にも積極的にチャレンジしています。人々が住まいについて自分らしく自由に想いを描けるように、また、住まいについての情報交換を気軽に行える場を作れるように、私たちはメタバース領域での住まい開発に挑戦することを決めました。

自由度の高いカスタム空間で、
自分らしさに出会える

Tokyo Meta Livingでは、具体的にどんなことを楽しめますか?

北さん: ユーザーが「マイルーム」内で自分らしい生活空間をシミュレーションできたり、それを他のユーザーと共有できるところが特徴です。また、展示やイベントなどを楽しめる「ロビー」空間もご用意しています。

マイルームでは、どんなカスタムを楽しめますか?

北さん:3タイプの中から好きな部屋を選んで、家具や家電、壁紙や床材、BGMなどを自由にコーディネートできます。リリースのタイミングでは、家具や家電のバリエーションは多くは無いのですが、今後さらにラインナップを増やしていく予定です。木の家具は木目をリアルに再現するなど、クオリティにもこだわっています。

池田:現実世界では試すことが難しい、部屋の印象を大きく左右する壁・床のコーディネートや、キッチンのレイアウトなども固定概念に縛られずに試すことができます。また、選べる家具等については、今後アイテムを増やしていきたいと思っています。

マイルームを他の人と共有できるシステムも面白いですね。

池田:マイルームのリンクを友人やパートナーに送って実際に入室してもらうこともできます。さらに、マイルーム画面はキャプチャすることも可能で、それを投稿し共有できるSNSのようなサービスも実装しています。たくさんの人に見てもらい、周りからの共感・評価を得られることは部屋づくりのモチベーションにもつながりますし、評価の高い投稿は部屋づくりの参考にもなりますよね。将来的にはプロの空間デザイナーや、インテリアスタイリストの方が作った部屋を紹介したり、定期的にコンテストやイベントも実施することで、より盛り上げていきたいと思っています。

Tokyo Meta Livingはどのような方に、どんな目的で楽しんでもらいたいですか?

池田:分譲でも賃貸でも、住まいを検討する際には、間取りだけでなく、家具やレイアウトについても考えるもの。植栽やオブジェなどを追加で置いてみることで、こんなレイアウトもありだなと発見してもらうこともできると思います。また、一人住まいではない場合、家づくりはパートナーと意見を出し合いながら進めることが一般的ですが、イメージの共有が難しいですよね。Tokyo Meta Livingでは、“私らしい”コーディネートをシミュレーションできますし、ときにはパートナーをメタバース上の部屋に招待し、「こういう雰囲気の部屋にしたいけどどう思う?」とイメージの共有をスムーズにしてくれるのではないかと考えています。

お二人は自分の暮らしで、Tokyo Meta Livingをどのように役立ててみたいですか?

池田:なにか家具を買う前に活用してみたいです。家具は大きな買い物ですが、買う前に自分の部屋に置いてみて、他の家具や小物、壁、床との相性を確認することは現実的に難しいですよね。そこで、自宅の雰囲気に合わせてコーディネートしたマイルームに、欲しい家具に近いものを配置し、今持っている家具との相性や色の組み合わせ、置くとどれぐらいのスペースを占めるかなど、簡単なシミュレーションをすることで「家に置いてみたら違った」という失敗も未然に防げるのではと思っています。

また一方で、いつか住みたい理想のマイルームも作ってみたいです。今住んでいる家はコンパクトなので、広いスペースに大きな家具を豪快に置いて、一人称視点で部屋を見渡したときに、どんな感覚を楽しめるのか。“こういう空間に住みたい”というイメージを膨らませたいです。

北さん:私には中学2年生の娘がいるのですが、物が多いタイプで。最初に今あるものをマイルームに全部置いてみて、ものを減らして整理すると視界がこれだけすっきりするというのを見せてあげたいですね(笑)。

住まいの可能性を広げていく、
これからのTokyo Meta Living

Tokyo Meta Livingの今後の構想について教えてください。

池田:Tokyo Meta Livingでは、住まいのコーディネートを楽しめるマイルームのほか、展示スペースや大きなモニターが実装された、広い「ロビー」も設けています。ここでは、アートや家具の展示や、インテリアのプロをゲストに招いたセミナーなど、住まいづくりの手助けとなる催しも計画中。また、マイルームの家具・家電のアイテム数や機能はさらにアップデートしていく予定。まずはマイホームを検討しているかどうか関係なく、楽しいと思ってもらえるコンテンツづくりに尽力します。

Tokyo Meta Livingに今後搭載したい技術があれば教えてください。

北さん:今、弊社で開発中の生成AIを活用したAIアバターに期待しています。チャットボットにアバターがくっついたような機能で、ゲームでいうプレイヤーのいないキャラクターのような存在。住まいや暮らしにまつわるプロの知識を集約したアバターができれば、24時間365日いつでもプロの意見も交えながら住まいづくりに取り組むことができます。一人で空間を作っていくのも面白いですが、専門家と相談しながら空間づくりを楽しむことができるのではないかと。Tokyo Meta Livingで生まれたアイディアを実際の住まいや暮らしに活用するところまでしっかりつなげられるように、ひとつひとつ課題を解決していきたいと思っています。

自由に思いを描くことのできるメタバース上で、本当の自分らしさに向き合いながら住まいを模索できるTokyo Meta Living。メタバースサービスと聞くと、一見難しそうに感じるかもしれませんが、操作はゲーム感覚で楽しめて、普段ご使用のスマートフォンやPCのWebブラウザから気軽にアクセスできます。ぜひTokyo Meta Livingで自分らしい生活空間を体験してみてくださいね。

憧れの名作椅子コレクション

部屋には椅子がたくさんありますね!

椅子はフォルムが好きで、ついつい集めてしまいます。素材や形、どこで使われていたものかなど、そのものの背景を知るのが楽しくて。我が家は色物も多いので、基本的に椅子の足はアイアンやシルバーのものをチョイス。80年代チェアのPhilippe Starckがデザインしたバースツールや、〈MarioBotta〉のPrimaをはじめ、ただ置いているだけでオブジェのように楽しめる、個性的なデザインのものが多いです。

リビングの窓際

特にお気に入りの椅子をいくつか教えてください。

Philippe StarckデザインのDr. Sonderbar Chair

計算され尽くされた抜けのあるフォルムにパンチングシートだけというミニマルな形だけど大きさもあって存在感のあるラウンジチェア。先ほどのバースツールと同じPhilippe Starckの作品で、遊び心のあるデザインが素敵。一脚あると空間にデザイン性が生まれる気がします。サイドテーブルは、女性建築家の草分け的存在であるアイリーン・グレイのが手がけたE1027。天板がガラスでフレームがシルバーなので圧迫感もなく気に入っています。

ピアノスツール

作者不明の1930年代のピアノスツール。座面は張り替えてありますが、もう90年以上前に作られた椅子なのに、座り心地も良いんです。当時はアールデコ建築が主流で、そのテイストが全面的に表現されているデザインが魅力的。

ミニチュアの椅子コレクションもかわいいですね。

これは〈Vitra〉から出ている名作チェアのミニチュア模型。1/6スケールに縮小しつつ、ネジやパーツなどの細かなところまで職人さんによって作られており、かなり再現性の高いシリーズで建築学校の授業でも取り入れられているみたいです。欲しいけど手に入らない椅子はこれで満足しています(笑)。

お気に入りのポップな雑貨と、
ディスプレイテクニック

ものを飾る上でどんなことを心がけていますか?

我が家のインテリアはとにかく色が多め。何も意識せずに置くとただ散らかっているように見えてしまうので、素材か色でまとめることが多いですね。

リビングの一角
ディスプレイ棚

部屋のアクセントになっている、青い置物は何のコレクションですか?

〈BITOSSI〉というイタリアのブランドで、アルド・ロンディが手掛けたRIMINI BLUシリーズです。「リミニブルー」というカラーは緑と青が混ざったような深みのある色。見る角度によってさまざまな表情を見せてくれるのが面白いです。オブジェを飾るときは本で高さを出して飾ってみたり、少し動きが出るように工夫しています。

リビングの一角

緑のゾーンもかわいいですね。

きのこのようにニョキッと生えている緑のランプは、スウェーデンの女性2人によるデザインユニット〈フロント〉が手がけたライト「CURVE」。インテリアに目覚めるきっかけとなったアイテムで一目惚れでした。左はルーマニアの民芸のお皿。パリのセレクトショップ〈Merci〉で購入した作家もので、右のスツールはMartino Gamperがデザインした、Arnold Circus Stool。内部は空洞になっているので、洗濯カゴや傘立てとして使っている方もいるみたいです。

身につけるものも
その日の気分でコーディネート

香水がたくさんありますね。

香水は好きですね。ウッディやベチバー、柑橘系が多いです。特に気に入っているのは、韓国で見つけた〈KINFOLK〉の香水。ほどよくミントっぽい爽やかな香りで、ハンドソープなどもまとめて購入しました。

いつもどのように使い分けていますか?

朝の出勤前や夜外食しに行くときなど、出かけるときはウッディ系など深みのある香りをつけることが多いです。自分は家でも香水をつけるタイプで寝る前にもつけるのですが、寝る前は香りが軽めのフルーティなものやベルガモット系をつけることが多いです。

アクセサリーはどんなものが好きですか?

ヴィンテージものが多いですね。デコラティブなデザインのものに魅かれる傾向があって、昔の〈HERMES〉や〈GIVENCHY〉のものも大切に使っています。さまざまな洋服に合わせやすいように、ゴールドとシルバーどちらも使われているデザインを多く揃えています。

ファッションはどのようなスタイルが好きですか?

僕はどんなジャンルも着るタイプ。トラッド、ミリタリーやワーク、スポーティーも好きだし、いろんなジャンルをミックスして着るのを楽しんでいます。

インテリアとファッション、リンクするところはありますか?

インテリアもファッションも正解がないですよね。どちらもトライアンドエラーを繰り返しながら、自分の“好き”を表現していくものだと思っています。

洋服もインテリアも、そのもの独自の背景を知ることが面白いと教えてくれた今関さん。背景も含めて好きだと思えるものに囲まれた彼の住まいは、クリエイティビティに溢れた、アイデアの源泉というべき空間でした。

前編では、この物件を選んだ理由や、家づくりのテーマ、インテリアの好みやお気に入りの家具について、詳しくご紹介しています。ぜひ前後編合わせてお楽しみください。

スタジオ使いもできる、
海外アトリエをイメージした空間づくり

この物件に決めた理由を教えてください。

仕事柄、家でも頻繁に撮影するので自然光が入りやすい空間であることは決め手になりました。また、リビングの一角が丸みを帯びている面白い間取りだったり、キッチンとリビングが完全にセパレートしているところも、生活感が抑えられて気に入っています。

リビングの窓際

家づくりのテーマはありますか?

海外のデザイナーさんや職人さんのアトリエを参考にしながら空間づくりをしています。空間のイメージをガラッと変えてくれたのが白の床。もともと一般的なフローリングだったのですが、賃貸でも使用可能なタイルの床材を敷き詰めることで、フラットで無機質な印象を演出できたかなと思います。リビングは、ソファやローテーブルが置いてあるエリアをくつろぐエリア、大きな鏡のある広々としたエリアを撮影ができるスタジオエリアとして分けて過ごしています。

リビング全景

どこを切り取っても画になる空間ですね!生活感を抑えるアイデアはありますか?

コード類を目隠しするのに役立っているのが、ファッション界を拠点に活動する〈BLESS〉の延長コード。インテリアとしても楽しめて、実用性もしっかり兼ね備えています。

あと、文房具など細々したものの収納に役立っているのが、壁掛けできる収納ラック「ウーテンシロⅡ」のヴィンテージ。もともとは真っ白だったと思うのですが、いい感じに日焼けして、味のあるクリーム色になっているのがお気に入りです。

ミッドセンチュリーベースの、
ジャンルレスインテリア

インテリアはどんなものが好きですか?

洋服も古着が好きなように、家具もひとつ一つ表情が異なる古いものや、昔誰かが使っていたストーリーを感じられるものが特に好きです。最初はミッドセンチュリーモダンにはまって、スペースエイジやポストモダンも気になり出し、最近では現代のアーティストさんの作品も増えてきて、それを“全部のせ”にしたのが我が家です(笑)。服もテイストをミックスして着ることが好きで、インテリアも同じ感覚で、年代や国籍、ジャンル問わず集めています。

特にスペースエイジの家具は取り入れるのが難しいイメージがありましたが、うまくミックスされていますね!

床を白くしたり、家具の足をできるだけシルバーで揃えるのも、空間に馴染みやすい理由かもしれません。スペースエイジの家具は特に高価なものが多く、なかなか見つからないのが悩ましいところ。壁のVerner Pantonのファブリックパネルや、趣味で集めているスターウォーズグッズ、リビングの宇宙船のような〈Petite Friture-Vertigo〉のペンダントライトからもスペースエイジ感が滲み出てるかもしれません。

リビングのくつろぎスペース
リビングのスタジオスペース

名作家具がもたらした、
ミニマリストマインド

インテリアが好きになったきっかけを教えてください。

ブランドを始めて、ハウススタジオへ行ったり、いい内装に触れる機会が増えたことは影響している気がします。もともとインテリア自体興味はあったのですが、家具ってやっぱり高価だからなかなか手が出せなくて…。でも、20代後半になって、少しずつ自分のお金でほしいものが買えるようになりました。デザインすることが仕事なので、インスピレーションにもなる、いいデザインには常に触れていたいという気持ちがあります。

お気に入りの家具をいくつか教えてください。

E&Yのローテーブル

〈E&Y〉という日本のブランドのもので、二俣公一さんがデザインを手がけています。天板の下にはハンモックのような大きなカゴが浮かんでいて、今は〈青山フラワーマーケット〉でみつけた流木のような植物などを飾っています。

C&B ITALIAのソファ

一番最近買った家具です。名古屋のヴィンテージの家具屋さんに行ったら、ちょうどその日が大型コンテナの到着日で。オンラインショップに出る前にこのソファを見つけました。でも、ちょうど僕の前にひとり悩んでいるお客さまがいたみたいで、しばらく待つことに。買えるのかわかるまでは毎日が気が気じゃなかったです(笑)このソファは、〈B&B ITALIA〉の前身となる〈C&B ITALIA〉時代のプロダクトで70年代のもの。マリオ・ベリーニの初期の作品であるアマンタシリーズのひとつです。背面のプラスチックとファブリックのコーデュロイの対比が面白く、ブラウンの色味がラウンジチェアと同色でバランスもいいなと思い即決でした。

USMハラーのキャビネット

オーディオ機器をディスプレイしているのは、ずっと憧れだった〈USMハラー〉のキャビネット。引っ越す前と引っ越した後でひとつずつオーダーで注文しました。

好きなインテリアショップはありますか?

いろんなところに行きますが、なかでも清澄白河にあるギャラリー〈stoop〉さんは好きです。セレクトが良いのと、店主さんがものの背景を教えてくれるので勉強になります。

もの選びの際に心がけていることはありますか?

古着もそうですが、買い逃したら同じものは買えないので、良いと思ったものはなるべく早く決断します。最近はミニマリストになろうと、選ぶものはより厳選するようになりました。

ミニマリストに興味が湧いたきっかけは?

妥協せず、良い家具を身の回りに置くようになってから、自然と物欲が無くなってきたのだと思います。どんどん上を求めるのではなく、それよりも今持っている家具を大切に、良いものを長く使い続けたいというマインドに変わってきました。ミニマリストというのも、その延長線にあって。持っているものを手放してみると、『これ失敗したな〜』と勉強することもたくさんありました。“大切なものをより大切にする”、そのミニマリストマインドはものに限らず、時間の使い方などにおいても好きだなと思います。

名作家具とポップな雑貨がセンスよくミックスされた、アパレルディレクター・今関龍介さんの住まい。後編では、個性豊かな椅子のコレクションやお気に入りの雑貨、香水、アクセサリーなど身につけているものまで、今関さんの偏愛コレクションを深掘りします。ぜひお楽しみに!

感性を刺激する、
家を小さなギャラリーに

家のあちらこちらにアートが飾られていますね。

家づくりをするにあたり、“感性を刺激する空間“はひとつテーマにしました。夫婦ともにアートが好きなので、部屋の各所にアートを飾っています。

ワークスペースの絵

どんなアートが好きですか?

明確にはないですが、抽象画は好きかもしれません。いろんな解釈ができるし、インテリアにも馴染みやすい気がします。玄関に飾っている高屋永遠さんの作品は初めてアーティストさんから直接買わせてもらった思い出深いアート。前職時代、会社で行われていた若手アーティストの作品を集めたイベントで購入しました。『A woman』というタイトルで、遠くから見ると女性像を表しているのがわかります。アートは旅先や知り合いから購入することが多く、出会いも楽しみたいなと思っています。

玄関の絵

ワークスペースに飾っているアート作品もお気に入りです。こちらはスペインに暮らしている日本人アーティストの作品。黄色はアジア人、白は白人、黒は黒人、茶色はラテン系を表していて、人種は違えど皆同じ赤い血が流れているというメッセージが込められています。見た目もポップで家の雰囲気にすんなり馴染みました。

ワークスペースの絵

アートを飾るとき、心がけていることはありますか?

アートは実際に購入しているのですが、気分としては“大切な作品をお預かりしているような感覚”。なので、なるべく直射日光が当たらない場所に飾るようにしています。今まで美術館やギャラリーで観ていたアートを家で楽しめるというのは、また違った感じ方があります。

旅で鍛えられた、
カラフルな色彩感覚

海外のインテリアも上手に取り入れている印象ですが、どうやってその感覚を養っていますか?

Pinterestで海外のインテリアを見たり、たまに行く海外旅行も良いインスピレーションを得る機会になっています。旅行中は荷物を増やしたくないので、買い物は小物程度ですが、ホテルの内装や街並みから、『こういうアイディアがあるんだ!』と刺激を受けることも多いです。

なにかご自宅で実践しているアイディアはありますか?

今、本棚があるスペースは、もともとクローゼットにする案も出ていたのですが、海外のようにカラフルでインパクトのある本棚にしたら良いアクセントになるかもと思い、実践してみました。我が家は洋書も和書もどちらも読むのですが、洋書の方が圧倒的にカラフル。そのため、目線の高さにくる上の段は洋書、下の段には和書と分けてしまうことにしました。

寝室の一角にある本棚

たくさんの色が使われていながら、どこかすっきりとした印象のあるMiwakoさん宅。色使いで心がけていることはありますか?

かっちり決めているわけではないですが、ポイントカラーは意識するようにしています。例えば、リビングはアクセントチェア、花瓶、クッション、雑誌などをオレンジの色味でリンクさせています。

自室とベッドルームはピンクをポイントに。フォトグラファーの友人から譲ってもらった写真作品と、高屋永遠さんの桜の情景を描いた作品がたまたまピンクだったので、このエリアはアートを軸にポイントカラーを決めました。ピンクは眺めているだけで癒されるカラーで、結果的にプライベートな空間にぴったりでした。また、ベッドの奥のアクセントウォールはピンクと相性のいいグリーンをチョイス。飽きがきたら、そのときは塗り替えようと気軽な気持ちで今の色を楽しんでいます。

自室から見た寝室

大人になってから始めた趣味

趣味はありますか?

大人になってからピアノを始めました。もともとピアノは聞くのが好きでいつか弾けるようになりたいなと思い、今習い始めて7年目になります。週1回ほど先生が来て教えてくださっています。

インテリアとしても素敵なピアノですね。

ヤフオクで見つけた70年代の古いピアノ。販売していた埼玉のピアノ店までわざわざ行って現物を見てから購入を決めた思い出の品です。家族経営のお店で、古いものを大切にリサイクルして販売している姿勢に心を打たれました。また、ピアノとマンションが同じ70年代生まれなので、そのあたりの親和性も気に入っているところ。古いピアノですが、サイレント機能をつけたので、電子ピアノとして使うこともでき、夜でもヘッドホンをつけて弾くことができます。

ダイニングの一角にあるピアノ

ピアノの隣にあるエリアは?

小さなバーエリアです。バーテーブルはアメリカのアウトレット通販サイトで見つけて個人輸入しました。お酒は主に夫の趣味。ジンは小規模生産でラベルまで凝っているものも多く、国内外問わずご当地ものを集めて楽しんでいます。

ピアノの隣の小さなバーエリア

「自分の家は完璧さを求めるよりも、偶然の出会いが積み重なった空間にしたい」、そう教えてくれたMiwakoさん。住む人の生き様や趣味趣向が図らずも滲み出る、そんな住まいにこそ、真の意味での豊かな暮らしは存在するもの。さまざまなスタイルをミックスして自分らしく楽しむ、それこそが自宅インテリアの醍醐味とも言えるでしょう。

前編では、物件探しのエピソードやリノベーションのこだわり、インテリアの好みやお気に入りの家具について、詳しくご紹介しています。ぜひ前後編合わせてお楽しみください。

管理が行き届いた、
築約50年の中古マンションを購入

賃貸から分譲へ引っ越そうと思ったのはなぜですか?

もともとインテリアは好きで、賃貸の頃から貼ってはがせる壁紙を活用するなど、いろいろ工夫しながら暮らしていたのですが、やはりできることに限界があって。『いつかは自分たちで1から考えたインテリアに囲まれて暮らしたい』、『リノベーションを経験してみたい』そんな思いで中古マンションの購入を決めました。

物件探しで今の家に決めた理由を教えてください。

一番は環境の良さ。駅からアクセスが良い上に、緑もあって眺望の抜けもある。そして、地盤が強い高台なので水害や地震でもリスクが抑えられると思いました。また、リノベーションすることが最大の目的だったので、リノベーションがしやすい物件であることも重要視したポイント。お風呂やトイレの位置を変更したかったので、配管の位置なども事前にチェックしました

築年数は約50年。今まで古くて困ったことはありましたか?

実は、たまたまこのマンションの別の部屋に賃貸で4年ほど住んでいたことがあり、生活上問題なく暮らせることはわかっていたので特に不安を感じることはありませんでした。古い物件ですが、水道や電気などライフラインに関する設備はしっかり大規模修繕されていて、この部屋もスケルトンにして水道管やガス管などすべて古いものは取り替えたので、特に不便を感じたことはありません。

古いものと新しいものが共存する、
『パリのアパルトマン』をイメージして

リノベーションのテーマを教えてください。

『パリのアパルトマン』をリノベーションのイメージとしました。パリはこれまで出張やプライベートで何度も訪れたことがあり、旅先の中でも好きな都市。古いものを大事にしながら、新しいものを取り入れる、そんな文化が根付いています。我が家も築約50年のマンションなので、無理に若作りをするのではなく、古いものと新しいものが自然と共存する空間を作りたいと思いました。

リノベーションで特にこだわったポイントを教えてください。

床と窓周り

理想のイメージに近づけるために、床と窓周りは特にこだわりました。面積が広い分、ごまかしが効かない、かつ賃貸では変更が難しい箇所なので、この部分の工夫は、中古マンションのリノベーションの醍醐味だと感じました。リビングの床はヘリンボーン、廊下はパーケットなど、ヨーロッパの古い家でよく見られるフローリングを参考にしています。

ダイニング

リビングダイニングの窓周りは、窓から見える緑の景色を生かしつつ、窓のアルミサッシを隠すために、ウッドシャッターを取り入れました。ウッドシャッターは横にサッとスライドするだけで窓の開閉ができるので、ブラインドよりも扱いやすいなという印象です。

ダイニングの窓

ベッドルームは、中途半端な窓のサイズをカバーするためにあえて天井に近い位置からカーテンを取り付けるように工夫しました。

寝室の窓

廊下の照明

廊下の照明はデザイナーさんにお任せだったのですが、明るさを適度に抑えたスポットライトのような照明で、部屋の雰囲気がぐっと洗練されました。光の陰影をつけると、空間に奥行きが生まれるのだと学びました。

廊下

ベッドルームの壁

アール壁のアクセントやモールディングをあしらった壁など、日本の賃貸マンションでは実現するのが難しい要素を随所に取り入れています。

寝室

バスルーム

我が家の大きなリノベーションポイントのひとつが、もともとキッチンだったスペースにバスルームを作ったこと。バスタブとシャワーブースが別にある、海外のホテルのようなデザインにしました。『掃除はしやすいの?』とよく聞かれるのですが、床は石なのでガシガシブラシで洗えるし、バスタブもシンプルな形状なので掃除がしやすく、むしろユニットバスよりもカビが発生しにくい印象です。また窓があるおかげで風通しが良いことも、カビが発生しにくい理由かなと思います。

バスルーム

偶然の出会いも受け入れる、
おおらかで自由なミックススタイル

インテリアはどんなものが好きですか?

シンプルすぎない、レトロモダン&コンテンポラリーなデザインに魅かれます。「古いものと新しいものの融合」は家作りのテーマにもなっていて、例えば年代物のピアノや箪笥、椅子などを置く一方で、若手作家のアートを飾ったり、コンテンポラリーの家具を置いたり。たまたま旅で見つけたものを持って帰ってきても調和するぐらい“余裕”がある家で気楽に住みたいと、ミックススタイルに行き着きました。

思い入れのある、気に入っている家具を教えてください。

桐箪笥

富山でアップサイクル家具をつくっている〈YES〉のもの。嫁入り道具として約50年前に作られた家具に、モダンなデザインを施して現代に再生させているというコンセプト、ストーリーに共感しました。

自室

自室は桐箪笥を軸に、和のテイストを取り入れて禅を感じる空間に。和紙のライトは〈イサム・ノグチ〉のakariシリーズの初期モデル。この夏、ニューヨークのノグチ美術館へ行った際に購入しました。クローゼットは扉ではなくカーテンにすることで、部屋全体がやわらかな雰囲気になるようにしています。

自室のクローゼット

リビングのコーヒーテーブルとアクセントチェア

なかなか気に入る家具が日本にないのが最大の悩みで、家の中の家具はいくつか、海外から個人輸入しています。その中でも、リビングに置いている〈CB2〉のコーヒーテーブルと〈ALLMODERN〉のアクセントチェアがお気に入りです。このアクセントチェアは、日本だとあまり聞き馴染みのない『バレルチェア』と呼ばれる形状のものです。

リビング

家具を選ぶ基準はありますか?

家具を選ぶ基準は、「デザインそのものが好きか」、「部屋に調和しているか」、「価格に納得できるか」この3つを軸に考えます。

家具の配置で心がけていることはありますか?

『ここでどんな時間を過ごしたいか』、それが家具の配置にも表れるように思います。例えば、ワークデスクは壁付けするのではなく、あえて外の景色が見える位置に配置。パソコン画面に疲れたら、目を窓の外に移してリラックスできるように考えました。

リビングの一角にあるワークスペース

家具はどんなところで買うことが多いですか?

外国にしかないデザインで欲しいものがあったら、個人輸入で買うことも多いです。なかなか気に入るものが見つからないときは、ひとまず〈IKEA〉の家具をリメイクして使ったりもします。DIY文化が根付いているアメリカにはIKEA家具のリメイクパーツが売っているお店があるんです。ワークスペースのサイドボードも、ベースはIKEAで、パーツ売りされていたものを組み合わせてアレンジしています。

理想を詰め込んだ中古マンションで、国籍、年代、ジャンル問わず、好きなものを自由にミックスしながら自分らしく暮らしを楽しむ、Miwakoさんのコンパクトライフ。後編では、自分らしく暮らしを楽しむMiwakoさんの趣味や好きなものについて、詳しく掘り下げます。ぜひお楽しみに!

植物に溢れた、
自然光が気持ちよく差し込む寝室

寝室は植物がたくさんある気持ちのいい空間ですね。

家のなかで一番日差しの入る部屋でお気に入りの場所です。植物はどんどん増えていき、家全体だと30鉢ほどでしょうか。できるだけ日光浴させたくて、日当たりのいい寝室にたくさん置いています。ベッド横の出窓に置いている植物はちょうどベッドで横になったとき、外の視線の干渉を防げてちょうどいいです。

寝室に飾っている大きなアート作品について教えてください。

イギリスのアーティスト、デイヴィッド・ホックニーのポスターです。我が家では、寝室のほか、ダイニング、玄関にもホックニーの作品を飾っています。アートは夫任せなのですが私もお気に入り。なかなか手に入らないみたいで、ネットでやっとの思いで手に入れたものみたいです。

寝室のシンボルにもなっている、サークルラックについて教えてください。

〈JOURNAL STANDARD FURNITURE〉のもので、我が家の家具のなかでは一番の古株。後々知ったのですが、偶然にも夫の友人が企画した商品で、ヴィンテージのサークルラックから型を取って再現されたものらしいです。かかっているのはほとんど夫の服で、アメリカンのヴィンテージをもとに作られた服も多く、しっくり溶け込みます。

クローゼットの扉も部屋の統一感を引き立たせていますね。

海外の家でよくみる、ルーバー扉を造作で作ってもらいました。海外のホラー映画で子どもが隠れて隙間を覗く、あの扉です(笑)。

大人数でも快適に過ごせる、
キッチンダイニング

キッチン作りで心がけたことを教えてください。

キッチンはシンプルなオールステンレスのキッチン台を入れて、その周りを腰壁で造作してもらいました。木の色味は他の家具と合わせて深めの色をチョイス。吊り戸棚も造作で作ってもらったもので、取っ手は寝室のクローゼットともリンク。私自身、料理は苦手なのですが、家に人を呼ぶのは好きで(笑)。友人がこのキッチンで手料理を振る舞ってくれることもよくあります。オープンキッチンのため、料理をしている人が孤立することなく話に入りやすいのもうれしいポイントです。

ダイニングテーブルはどんなものを選びましたか?

私たち夫妻は共通の友人が多く、家に人を呼ぶときは大体大人数。それでずっと8人掛けできるテーブルを探していたのですが、なかなか見つからなくて…。前まで来客時は4人掛けのダイニングテーブルに、予備で持っていた4人掛けのテーブルをつなげて8人掛けにしていたのですが、天板の素材も違うし、高さもズレていて、チグハグな感じがずっと気になっていました。

そしてやっと出会ったこのダイニングテーブルは、なんとMAX10人掛け。拡張したときに2mを超えるものだと、どうしても天板は外して別保管するようなデザインが多いなか、これは2枚の天板を格納できる仕組み。2人暮らしなので、通常時は4人掛けでコンパクトに使えるところも気に入っています。

すっきり整えることが難しいキッチン。もの選びで工夫していることはありますか?

1軍だけを残す、そもそもあまり物を増やさないように気をつけています。買うとしても、出しておいても気にならないステンレスや木の素材のものをなるべく買うようにしています。

一方で、海外映画に出てくる子供部屋みたいに、散らかっていてもなんだか可愛く見える、そんな空間も好きで。海外パッケージのおもちゃやポスターは、なんだかゴチャゴチャしていても可愛いですよね。我が家の冷蔵庫は、まさにそんなイメージ。チラシは新婚旅行でアメリカに行ったときにスーパーでもらったもので、マグネットは下北沢にある〈Sounds Good〉というアンティークのおもちゃ屋さんで見つけたものが多いです。

とことんインドア派の家時間

今の家に引っ越してきてから、ライフスタイルとして変わったことを教えてください。

愛犬のフレッドを家族に迎え入れたこと。大きな公園が近くにあったり、犬を飼っている人やペット同伴可能な店も周りに多く、犬を飼うのに適した街だなと日々感じています。私は生粋のインドア派なのですが、散歩で朝と夜それぞれ1時間は外に出るようになって、少し健康的になりましたね(笑)。

犬を飼い始めてから、家のインテリアに変化はありましたか?

家具の取っ手がかじられていたり、引っ掻いた爪跡が壁に残っていたり、細かいことはいろいろありますが、可愛さにかまけて許してしまいます(笑)。あとは、植物が植わっている土を掘り起こすのが好きみたいで、手が届かないように鉢の置く位置を少し高くするなどの工夫はしています。

日々の暮らしの中で、どんな時間が好きですか?

フレッドとダラダラしながら、アニメを観たり、漫画を読んだり、ゲームをして過ごす時間が好きです。あとは、友達を呼んでボードゲームをしたり、何気ない毎日の暮らしを身近な友人たちと楽しんでいます。夏は例年家に引きこもりがちなので、趣味の編み物を再開し、冬に向けて大作を作ってみようかなと計画中です。

仲の良い友人たちと遊ぶとき、誰かの家を選ぶ最大のメリットは、気張らずくつろげること。どこか懐かしさを感じるミッドセンチュリーインテリアと、たくさんの植物、shimadaさん夫妻の好きなものが詰まったこの家は、ホストにとってだけではなく、ゲストにとっても居心地のいい、心落ち着く空間でした。

前編では、若くして家を買おうと決めた理由や、リノベーションのポイント、家づくりのテーマ、インテリアの好みやこだわりについて、詳しくご紹介しています。ぜひ前後編合わせてお楽しみください!

思い出の詰まった家具と過ごす、
いつものまったりタイム

日々の暮らしの中で特に好きな時間を教えてください。

コーヒーを淹れて、外の景色を眺めながらまったりする時間です。カフェを巡るのが好きで、おいしい豆を見つけたらテイクアウトして、家で挽きたてを淹れて飲むのが最近の楽しみ。マグカップも気分が上がるものをチョイスします。

あとは、リビングのソファで横になりながら、ごろごろテレビを観る時間も好きです。ソファはいろんな家具メーカーが集まって開催する合同セールで見つけたもの。もともと肘置きはついていなかったのですが、〈無印良品〉の椅子で別売りされていたパーツをセルフで取り付けてみました。サイズもジャストフィットで、さらに愛着が沸きましたね。

ダイニングテーブルはちょっと変わったデザインですね。

友人を家に招くことも多いので、人数が増えても座りやすい丸いテーブルを探していて、みつけたのがこの〈ハーマンミラー〉のヴィンテージのダイニングテーブルでした。天板はまんまるではなく、直線も取り入れたデザインで壁付けしやすく、キャスターがついているのもうれしいポイント。この家に引っ越す前に見つけて、取り置きができなかったので、一旦前の家へ届けてもらったのですが、サイズが大きすぎて搬入できず…。その後、今の家でも入らなくて、結局解体して搬入したという苦労の思い出があります(笑)

10年越しのパートナー、
愛猫・チョキとの暮らし

愛猫・チョキちゃんとの思い出を教えてください。

チョキとは大学生の頃から一緒に住み始めて、もう11年の仲。特に思い出に残っているのは、手術のとき。術後、まだ麻酔が残っていて上手に歩けない状態でも、必死で足を引きずりながら僕のもとへ寄り添いにくる姿をみて、チョキにとっても僕はかけがえのない家族なのだと改めて実感。今は11歳のおばあちゃん猫ですが、家にいるときはいつも隣に。僕の大切なパートナーです。

家づくりの際、猫が快適に暮らせるように工夫したことはありますか?

リビングの壁に取り付けた白い棚は、ドアを閉め切っていてもチョキがリビングと寝室を行き来できるように作った階段。通路として作ったのですが、キャットタワーとしても楽しんでくれています。

コンパクトなお家だと確保するのが難しい、猫用のトイレやごはんスペース。どこに設けていますか?

キッチンの小さなパントリー棚の一番下に、猫のトイレと自動給餌器を置いています。パントリー棚は戸をつけなかったので、ロールカーテンで目隠ししているのですが、ちょうど短めなので上部の収納部分は隠しつつ、下部の猫エリアは猫が通れる高さを確保できました。奥まった場所に置いているので、インテリアを邪魔することもありません。また、トイレと食事スペースが隣り合わせにならないよう、置き場所は少し配慮しています。

服好き必見!
ファッションプレスならではの収納事情

コンパクト物件で暮らす上でのスペースづくりの工夫を教えてください。

仕事柄どうしても増えてしまう雑誌類はテレビ台の下に積み上げたり、その隣にある〈BEAMS〉のトランクにはDIY道具を収納したり。我が家は備え付けの収納が少ないので、見せても様になる収納方法や収納道具を考えるようにしています。

あと、コンパクトな洗面所で活躍しているのが、収納も兼ね備える〈DULTON〉のミラーキャビネット。上に設置しているライトは〈IKEA〉のものでちょうどぴったりサイズでした。

ファッションブランドのプレスをしているKevinさん。たくさんある服はどのように収納していますか?

我が家では、寝室の一部を〈IKEA〉のブラインドで仕切って、ウォークインクローゼットとして活用しています。アパレルショップのストックルームのように、収納するものに合わせて棚の高さを変えられる棚柱と棚板だけのシンプルな造りです。

入り切らないTシャツ類は、寝室のベッドサイドに。アパレルショップのディスプレイのように積み重ねて収納しています。見える場所なので、できるだけきれいに畳むように意識。ちなみに棚は上京した頃から使っている〈ニトリ〉のものです。

普段玄関に置いているというハンカチとアクセサリーの収納容器もかわいいですね!

夏場は特に必須なハンカチ。忘れないように玄関に置くようにしています。ハンカチをしまっている青い容器は〈MoMA Design Store〉で見つけた〈omar〉というブランドのボウル。アクセサリーを収納している小物入れはイタリアのデザインブランド〈REXITE〉のもの。このオレンジカラーは、パリの〈ポンピドゥー・センター〉の限定カラーです。

ファッションとインテリアの好みに共通点はありますか?

ファッションでもインテリアでも、統一感を極めるよりは、どこか一個外してみたり。ファッションでいえば、全身ブランドもので固めるのではなく、ワンアイテムだけポイントで古着を取り入れたり、そんなスタイルが好きです。インテリアショップもアパレルショップも行きつけのお店はあまりなくて、そのときどきの出会いを楽しみたいと思っています。

いろんな文化や人と触れ合うことが好きというKevinさんの住まいは、ジャンルレスでのびのびとしていて、飾らずどこか自然体。コンパクトながらどんなものをも受け入れる、懐の深さが居心地の良さにつながっている、そんな素敵な住まいでした。

前編では、部屋探しの基準や家を購入した理由、家づくりのテーマ、インテリアやアートの好みについても詳しくご紹介しています。ぜひ前後編合わせてお楽しみください。

見えない努力も惜しまない、
用地仕入れの仕事とは?

土地を仕入れるために、まず何から始めますか?

山地:さまざまなネットワークを駆使して、用地の情報を収集します。用地はひとつとして同じものがないため、良い土地が出ればそのほとんどが争奪戦に。買い手はなんとかして売っていただく立場なのです。土地を持っている地権者様や、不動産仲介会社、法人のお客様を抱える信託銀行などへ足繁く通い、関係性を深めていく。そして、『この人になら任せられる』と信頼してもらい、はじめて売却の可能性がある土地の情報を教えてもらえます。毎年何千もの情報が集まりますが、最終的に土地を取得するまでに至るのはわずか1%ほど。それでも、土地の情報が出たときは、真っ先に自分たちのことを思い出してもらえるように、営業活動を続ける。なかなか泥臭い、足で稼ぐ仕事です。良い土地情報をいち早く入手できるかどうかは、取引先との信頼関係次第といっても過言ではありません。

土地の情報を取得するだけでも、なかなか根気がいりますね。情報を仕入れた後は、どのような流れで進めていくのでしょうか?

磯田:実際に現地へ訪ねて周辺環境を調査し、時には他部署のメンバーと協議をしながらその土地の最適な用途を検討します。決定したら、設計会社と協力して敷地内にどのような建物が建てられるか、商品性を意識しながらプランを作成します。その後、建築費の見積やマーケット調査を行い、どれだけの利益が上げられるかを算出します。結果、土地情報を取得してから早ければ1週間、遅くとも3週間〜1ヶ月ほどで、ようやく土地代が提示できます。最終的に地権者様の合意が得ることができれば土地取得完了です。

山地:用地の仕入れは億単位の金額が動くため、じっくり時間をかけて検討したいところですが、当然良い土地は何十社とほかの不動産業者も狙っている場合が多く、悩んでいる間に他の会社で決まってしまうことも往々にしてあります。また、お断りする場合も早くかつ丁寧に返答しなければ、取引先との信用問題に関わってきます。用地取得は急ぎの決断を迫られる場面が多く、常にプレッシャーとの戦い。普段から同業者同士でマンションの販売状況について情報交換をしたり、建築費の動向を調べたり、金融機関の方から今後の経済情勢等についてヒアリングしたりすることで情報の精度を高め、より円滑に土地取得の意思決定ができるようにしています。

Brilliaの土地を仕入れるまでの
ドラマチックなストーリー

Brillia用地の仕入れにおいて、思い出深いエピソードを教えてください。

Brillia Tower 池袋 West

山地:Brillia Tower 池袋 Westは近年池袋エリアにて開発実績がある、当社を含めた3社による共同事業で、初めて情報を取得してから約2年かけて土地を取得しました。取得した土地上には稼働中のオフィスビルが建っており、まだテナントが入っている状態での引き渡しだったので、新入社員時代に培った経験を活かし、旧所有者様の協力のもと、テナント退去までの期間、テナントとの退去打ち合わせ等のビルの運営管理を自ら担当。また、解体直前には地元の皆様向けに建物を開放し、感謝とお別れを告げる「棟下ろし式」も開催。築40年近いレンガ調の建物で、地元の人に長く愛されてきたシンボリックな場所でした。旧所有者様にもお声がけし建物のプレートや、装飾品などを展示。旧所有者様や参加してくださった地元の方々は、当日展示していた建物の歴史を記した書籍や写真を眺めながらお酒を飲んで思い出話に花を咲かせたり、解体前の壁にビルへのメッセージを書いたり。最後には、地元の住職さんに祈祷を捧げてもらい、みんなで解体を見守りました。棟下ろし式は当社としても初めての試みでしたが、『私たちも必ず良いものを作ろう』という気持ちが高まりました。

Brillia 亀戸

山地:『自分の敷地だけではなく、周辺の土地を巻き込んでの再開発を東京建物に先導してほしい。過去何度か試みたものの実現できず、所有者たちは徐々に高齢化しており、これが最後のチャンスだと思っている』、そう地権者様からの熱い思いをお聞きし、力になりたいと共に走り出したのがBrillia 亀戸。周辺は古い建物が多く、建て替えは防災や街の景観、資産性から見ても必要。ですが、マンションを建設するにしては各々の土地が小さく、さらに権利関係が複雑であったため、誰か旗振り役がいないとなかなか共同での建て替えができない、そんな状況でした。地権者様のご協力のもと、周辺の土地を持つ他の地権者様たちと何度も面談し、各々のご要望をお伺いの上、売買条件をご提示。通常今回のような権利調整の案件については、専門の提携先に依頼するケースが多いのですが、ご依頼いただいた地権者様の熱意に感銘を受け、上司に直談判し私自らで取り組むことに。お話をいただいてから約2年半かけて全5件の地権者様から共同事業への合意をいただきました。建物完成後、等価交換方式(売買代金で完成後の住宅を取得する方式)にて住宅を取得いただいた地権者様から「この案件は君がいなければ出来なかった。まさかこのような形でBrilliaに住めるとは思わなかったよ。ありがとう。」と言葉をかけていただきました。用地取得に携わってきて本当に良かったと思えた瞬間でした。

Brillia 大島 Parkside

中村(グループリーダー):地権者様はもともと工場を営んでいましたが、工場の閉鎖に伴い等価交換方式によるマンションへの建替えを決意。元従業員の方が所有していた隣接地も含めて、事業化を希望されていました。競合他社は奥まっていて活用しづらい隣接地は不要との見解でしたが、当社はうまくプランニングできたため、一体での事業化を提案し事業パートナーに選定。その後、別の隣地所有者様も紹介してもらい、さらに用地を拡大できました。敷地内には、地権者様も思い入れのあった美しい桜の木が植わっていたのですが、プランニングの関係上どうしても伐採しなければならず…。どうにか生かせないかと検討して、マンションの共有ラウンジに伐採した桜の木で作ったオブジェを飾ることに。マンションが完成してオブジェをご覧になった地権者様は、大変喜んでくださいました。

たくさんの人との出会いが、
いい仕事に繋がる

業務内容が幅広く、苦労も多い用地取得の仕事。どんなところにやりがいを感じていますか?

磯田:ゼロからイチを創り出せるところです。デベロッパーの事業は長期にわたるものが多く、様々な部署、関係者が関わって創り上げていきます。用地取得はその根幹部分であり、1担当としてスケールの大きな事業の始まりを感じられるところは特に面白みを感じますね。またこの仕事は人と人との出会いも大きな醍醐味と感じます。取引先の方とはプライベート込みで仲良くさせてもらうことが多く、自分は今年の1月に子供が産まれたのですが、親しくさせてもらっている取引先の方からお祝いをいただいたり、育休中も子育てのアドバイスをしてくださったり。仕事以外のところでも気にかけてくださるのが、本当にうれしかったです。

山地:困難を乗り越えて買わせてもらった土地にBrilliaが建ち、そこにいくつもの明かりが灯り、幸せな生活を送っている方々が存在することは、この上ない幸せです。また、個性的で経験豊富な取引先の方々と日々巡り合うことができるのも大きな楽しみ。もちろん“土地を買う”という醍醐味はあるのですが、それと同じぐらい取引先の皆様から人生勉強をさせてもらっていて。『この人に信頼してもらえるためには、何を頑張ればよいだろうか』と、そこに興味が湧いたり。信頼できる人と一つのものを成し遂げること、それ自体が楽しい仕事だなと思います。尊敬する先輩がよく、「土地を追うな、人を追え」と仰ってましたが、長く用地取得に携わる中で、この言葉の意味が理解できるようになってきました。ちなみにBrillia Tower池袋 Westの土地情報をくださったのは、日頃から師と仰ぐほどお世話になっている仲介会社の方で、出会って5年目にして初めての取引でした。一生忘れることのない案件になりました。

Brilliaを拠点に、
街をブラッシュアップしていきたい。

用地取得の仕事を通して、今後どんなことに挑戦してみたいですか?

磯田:私は昨年の1月に異動してきたばかりで、まだまだ成し遂げられていないことがたくさんあります。ひとつ大きな目標にしているのは、Brillia Tower池袋 Westのような大規模な用地を自らのルートで仕入れること。相当難しいとは思うのですが、達成感が得られる仕事にどんどんチャレンジしていきたいです。そのためにも、権利関係が複雑で他社が手を出さないような土地にもあえてチャレンジするなど、自分の力を養える仕事にも積極的に取り組みたいです。

山地:新たに誕生する建物が、その街や街に住む方々にとって良い変化へのきっかけとなるようなプロジェクトに携わりたいです。そして、より多くの成功体験を会社の若い社員に伝えていきたいです。用地取得は、なかなか結果に結びつきにくい地道な仕事ですが、当社が事業を継続していくためにはなくてはならないはじめの第一歩。東京建物が創立してから120年超、先輩たちが大切に育んできた取引先様との関係性やノウハウがあるからこそ、自分たちも今恵まれた環境で土地取得ができている。その先輩から受け継いだタスキを私たちの代で途切れさせてはならない。Brilliaブランドの更なる発展のためにも、社内の若い人に『こういう仕事がしたい!』と夢を持ってもらうためにも、様々な人達と関係を深め、より良い土地を追い求めていきたいです。

ただ売られている土地を買うのではなく、ここぞという良い土地を探し仕入れてきた、Brilliaの用地取得。今Brilliaマンションがあるのは、紛れもなく汗水流して地道に信頼を築き上げてきた、住宅情報開発部の苦労があったから。次はどの街にBrilliaが建ち、どんな新しい風を吹き込んでくれるのか、楽しみになる取材でした!

2回のリノベーションを経て、
理想の住まいを手に入れるまで

分譲マンションを購入した経緯を教えてください。

以前、賃貸に住んでいた頃は壁紙を貼ったり、一口コンロの小さなキッチンスペースを自分たちで拡張したり、DIYでどうにか理想の家に近づけていたのですが、やはり賃貸だと限界があって。買うならば早い方がいいと、27歳の頃に思い切って自分たちの住まいを購入しました。

リノベーションでこだわったポイントを教えてください。

家に人を呼ぶのが好きなので、なるべく広々とした開放感のある家にしたく、玄関から寝室まですべての扉をとっぱらい、大きなワンルームに間取りを変更しました。リノベーションは、〈PACIFIC FURNITURE SERVICE〉に依頼。好きなテイストをうまく汲み取っていただきました。

あとこの家、実は2回リノベーションしていまして……。夫は大のアメリカンカルチャー好きで土足生活に強い憧れがあって。工務店さんには止められたのですが、はじめの約2年半は床材を貼らずに土足で生活していました(笑)。案の定、寒さに耐えられなくて、2回目のリノベーションを決意。今は学校でよく使われている「スクールパーケット」という床材を入れてもらい、土足生活は無事卒業しました。

家全体で統一されている白とグレーの2色壁も特徴的ですよね。

壁は壁紙を貼らず、白とグレーのペンキをそのまま躯体(建築物全体を支える骨組み部分)へ塗っています。アメリカの病院や図書館、刑務所などでは、ものをぶつけてしまっても汚れが目立たないように下の方だけグレーに塗装されているんです。それがデザイン的にもいいなと思い取り入れてみました。

ミッドセンチュリー期の
ライフスタイルを楽しむ家

家づくりのテーマを教えてください。

40〜60年代のミッドセンチュリー期の建築物やインテリアが好きなので、できるだけその年代の家具やアイテムを合わせるようにしています。クローゼットの中も、見えないからといって収納にクリアボックスなどを使うことはせず、見た目や素材感に統一感が出るように意識。どこを見ても気分が上がる空間にしようと心がけています。

ものを選ぶときは『当時もあったのでは?』と思えるものを選ぶように意識。犬用のおもちゃやおやつは、かわいいヴィンテージボックスに収納しています。ティッシュ箱はどうしても生活感が出てしまうので、我が家ではヴィンテージのナプキンスタンドを導入。ご飯を食べるときは、ダイニングテーブルに置いてレストラン感を楽しんでいます。

shimadaさん宅には、オブジェや本など趣味にまつわるものも多いですよね。

特に夫はコレクション気質で(笑)。ダイニングのチェストに飾っているビルのオブジェもそのひとつ。昔、アメリカでお土産として販売されていたもので、古着屋さんなどで見つけては、少しずつ集めています。

あと、多くなりがちな夫の本は、カイ・クリスチャンセンによるウォールシェルフに収納。お気に入りのウォールシェルフを手放さないためにも、ここに入る分だけと決めて増えすぎないように気をつけているようです。

ものが少なくてすっきりした家というよりは、ものはたくさんあるけれど心地よく保てる、それが我が家の目指すところですね。

時代を超えて愛され続ける、
ヴィンテージインテリアの魅力とは?

家具の好みを教えてください。

特に好きなのはミッドセンチュリー期の家具。家具自体の造りがしっかりとしていて、長く使えるものが多いことや、普遍的なデザインで今見ても古臭くなく、変わらない魅力がありますよね。いろんなテイストの家具と相性がいいというのも魅力のひとつ。一見、アメリカンテイストの我が家ですが、意外とヨーロッパの家具も多くあります。ヴィンテージの家具はそのときの出会いやタイミングもあったりして、それぞれに思い入れがあるんです。壊れたら修理をしたり、乾燥してきたらオイルを塗り込んであげたり、手をかけながら使っていく暮らしを楽しんでいます。

特に思い入れのある家具について、教えてください。

京都市内を散策しているときに〈mumokuteki〉というインテリアショップで見つけた、ドレッサーデスク。60年代のイギリスヴィンテージです。このデスクに出会ったのはまだ今の家に引っ越す前。前の家はインダストリアルなものが多く、部屋全体の方向性がガラっと変わりそうだったので、当時購入するのをためらっていました。ですが、諦めきれず家に持ち帰ると、『やっぱり私はこういうテイストが好きなんだ』と再確認。改めて自分の好きなものを知る、良いきっかけになりました。

普段ここではスキンケアをしたり、メイクをしたり、事務作業をしたりしています。スキンケアアイテムは、ライフスタイルショップの〈PARKER〉や〈BIOTOP〉、〈CIBONE〉で見つけた台にかわいく陳列して気分を上げています。

雑貨はどんなものが好きですか?

コロンとしたスペースエイジっぽいデザインのものに魅かれます。デスク上に置いているカレンダー板はイタリアのインテリア雑貨を扱う〈ミッドセンチュリーモダン〉というお店で購入しました。

部屋のアクセントにもなっている、四角い両面時計はどちらのものですか?

American Time & Signal社製のもので、世界最大級のオークションサイト〈eBay〉で見つけました。よくアメリカの駅や学校で使われているクラシカルな時計で、実際にこれもアメリカの高校で使われていたもの。アメリカ規格の電気式だったため、日本で買った電池式の時計の中身を入れ替えて使っています。

古き良きミッドセンチュリー期のムード漂う、shimadaさん夫妻の素敵な住まい。後編では、寝室やキッチンダイニングの空間づくりの工夫や家での過ごし方について、詳しくご紹介。ぜひお楽しみに!

備え付けの収納ゼロでも、
6帖・ワンルームでスマートに暮らすコツ

コンパクトライフのマイルールを教えてください。

狭いので余白を保つために、服やものは1つ買ったら2つ捨てることを心がけています。月1回程度、プチ断捨離することも習慣化していて、3ヶ月間使わなかったものは売るか、捨てるかすることを心がけています。

GENさん宅は備え付けの収納スペースがキッチン以外全くないですね!洋服の収納などはどのように工夫していますか?

シーズンオフの衣類は、ソファー下とキャリーケースに収納。収納できる場所を増やせばものが増えて部屋が狭くなるので、そもそもなるべく収納できる場所を増やさないことや、場所を取る服はなるべく買わないことを心がけています。

普段着ている衣類やアクセサリーは、チェストとラックに収納。チェストは楽天の〈BASIC PLUS〉というお店で、ハンガーラックは〈LIFE FURNITURE〉というお店で購入しました。ハンガーラックは細めのフレームが珍しく、デザイン・サイズ感・素材すべて理想的でした。幅が狭い分、極力服を減らすように意識が変わりましたし、見た目もすっきり整うようになりました。

約5帖ほどしかないスペースに、ベッド、ソファ、ダイニングテーブル、チェスト、ラック、仕事用のデスクまで置いていますが、圧迫感がないのが不思議です。家具はどんな基準で選んでいますか?

まずは色の統一感。グレー、白、黒が基本で、グレーはダークよりもライト寄りの色味で統一することでごちゃっと見えず、圧迫感を抑えています。あとはワンルームに馴染むサイズかどうかも重要なポイントです。

スペースの関係上、飲食店のソファ席のような感覚でソファにはローテーブルではなく、ダイニングテーブルを合わせて使っています。ダイニングテーブルは楽天の〈クオリアル〉というお店でみつけたもので、8000円ほどとリーズナブルながらコンクリート感も楽しめてお気に入り。ソファは〈IKEA〉のANGERSBY。座面は少し硬めで座り心地よく気に入っています。サイドポケットにリモコンを入れられるのも使いやすいポイントです。

あとはベッドも低めのものをチョイスすることで、天井が高く、部屋が広く感じられるように工夫。こちらも楽天で、〈INTELOGUE〉というお店で見つけました。

コンパクトな物件だからこそ感じられるメリットはありますか?

収納がまったくないため、断捨離が捗り、必要なものだけに囲まれた暮らしを実現できるようになりました。断捨離することは純粋に気持ちがいいですし、ものを持たないことで自然と行動もマインドもシンプルに生きられるようになった気がします。あとは、部屋が狭い分、掃除に取りかかりやすく、キレイが維持しやすくなったり、無駄なものを買わなくなって、節約できるようになったり。年々良いものを長く使いたいという思考に変わって、暮らしの質がぐんと上がったように感じます。

1人暮らし用の極小キッチン
どう使いこなす?

キッチンのスペースづくりの工夫を教えてください。

我が家のキッチンは一人暮らし向けのワンルームに多いコンパクトサイズ。作業台がないので、シンクにまな板を渡して台代わりに使ったり、洗った食器を干すスペースもないので、ガスコンロの上に〈ジョージジェンセン〉のティータオルと〈IKEA〉のオーガナイザーを使って、水切りスペースを確保しています。

あと、ダイニングテーブル横に置いている収納用のスチールラックは、コーヒーを淹れるとき、キッチン台代わりに使うこともあります。コーヒースタンドは〈maebata〉というブランドのもの。ミルは〈3COINS〉で800円商品でしたが、しっかりと重みがあって、豆がひきやすくおすすめです。

キッチンは壁も上手く活用していますね。

壁に掛けているフライパン類は〈無印良品〉のもので、100円均一に売っている両面テープ式のフック2つにひっかけて飾りながら収納しています。壁掛け棚に置いている〈無印良品〉のミニダストボックスはお箸やレトルトの味噌汁のストックBOXとして活用。一方、ラベルのついた調味料や食品などは見えないように備え付けの引き出しにしまっています。ワンルームなのでキッチンも意識的に清潔感を維持しようと心がけるようになりました。

ワンルームでも
オンオフを上手に切り替える方法

家のなかで、一番長く時間を過ごす場所はどこですか?

ワークスペースです。フリーランスの自分にとって、自宅は仕事場でもあって、家にいるときは仕事をしている時間が長いです。メインの仕事は自分のInstagramの運用で、インテリアのリサーチをしたり、企画を考えたり、動画や写真を撮って編集して、発信するのが日課です。普段は家以外でリフレッシュするタイプなので、家はできるだけ仕事に集中できる、洗練された空間かつシックで気分の上がる空間にして、仕事スイッチが入りやすいようにしています。そのおかげで仕事をする時間も好きになれていますね。

仕事に集中できる空間にするために、具体的にはどんな工夫をしていますか?

ワンルームはくつろげる場所がすぐ近くにあるので、切り替えが難しいんですよね。仕事中は関係ないものが視界に入らないように、できるだけデスク周りにものを置かないようにしています。あと、昇降デスクなので、眠くなったら立って集中できるように。立ったり、座ったりして、作業効率をアップさせています。

デスク周りのお気に入りアイテムを教えてください。

まず一目惚れしたのが、モールテックスの天板が特徴的な〈コンクリカグTokyo〉の昇降デスク。そこそこ大きかったので迎え入れるまではサイズ面での不安もありましたが、思ったよりも部屋に上手く馴染みました。かっこいいので気分が上がるうえ、腰痛持ちなので昇降デスクに変えてから仕事も捗るようになりました。ワークチェアは〈COFO Chair〉というブランドのもの。長時間座っていても疲れにくく、最大125度までリクライニングもできて、フットレフトもあるのでちょっとした休憩時にも助かります。あとは、音質の良い〈YAMAHA〉のサウンドバーや可動式の〈LG〉のワイドモニターも作業効率が上がり、お気に入りです。

プライベートの時間で好きな時間はありますか?

夜、間接照明をつけて本を読んだり、くつろぐ時間が大好きです。コンクリートは間接照明との相性もよく、夜の雰囲気も素敵なのです。

ベッドの裏やデスクの裏には〈ダイソー〉で購入したテープライトを張っています。間接照明をたくさんつけることで、ホテルのような非日常感を味わえる空間に。寝る前は大好きなお香を炊いたり、キャンドルをつけたりしてリラックスした時間を過ごしています。〈SUYALI〉のストーンディフューザーは最近のお気に入り。ストーンに付属のアロマを垂らして使う特殊な仕様で、コロンとした形がかわいらしく、森林浴しているかのような香りが心地いいです。また、〈DULTON〉でみつけたコンクリートのキャンドルも部屋に馴染んでお気に入りです。

ただかっこいいだけじゃない、暮らしやすさも兼ね備えたGENさんのコンクリ住まい。リーズナブルなアイテムを上手く取り入れながら、高級感ある洗練された空間づくりを追求している点も、非常に参考になるお部屋でした。現在準備を進めているというご自身のインテリアブランドもこれから楽しみです!

前編では、この家に引っ越した経緯や、実際に住んでみて感じたコンクリート物件のメリットとデメリット、自宅づくりのテーマやインテリアの好みについてなどご紹介しています。ぜひ前後編合わせてお楽しみください。

一人暮らしのシティボーイ、
はじめてのマンション購入&リノベーション

部屋探しで重視したことを教えてください。

眺望、採光、立地、価格のバランスで決めました。なかでも一番重視したのは“立地”。仕事は基本的に出社勤務で、休みの日も出かけることが多く、都心へのアクセスの良さは大きな決め手に。立地のいい物件は、後々引っ越したくなったとしても売りやすいというメリットがありますよね。さらに、大きな窓からはダイナミックに広がる都会の高層ビル群が眺望できて、なんて贅沢な場所だろうとここに決めました。

賃貸ではなく、分譲マンションを購入したのにはどんな理由がありますか?

賃貸で月々払ってきた家賃と同じくらいの支払いで分譲マンションを買えるなら、人の家にお金を払うのではなく、自分の家のためにお金を払いたい。そう思い、家を買うことに決めました。故郷の中国では、賃貸だと家主さんの都合で家賃が変動したり、長く住み続けられるかどうかが不安なため、家を買うという選択肢はわりと一般的なのです。

リノベーションでは、どんなことをポイントにしましたか?

寝室は最低限の広さに留めて、その分一番長く過ごすリビングダイニングを広くレイアウトし直しました。全体的に広々感じられるように天井は抜いて、寝室とリビングダイニングを仕切る壁には室内窓を設置。さらに、ブラインドも取りつけることで寝るときは閉めてこもれるように工夫しています。

なかなか味のある天井ですね。

天井をコンクリート打ちっぱなしで仕上げることがなかった時代の古いマンションなので、天井の色が所々違っていたり、工事跡が残っていたり。でも、この無骨さもけっこうお気に入りです。一部出ていた配線は天井に取り付けたシルバーの大きなトレーにまとめて収納。この長いトレーは、ゲームソフトや洗濯ものの干し竿の収納場所としても重宝しています。

自分の“好き”を眺める、
ギャラリーみたいな白い箱

自宅づくりのテーマを教えてください。

ギャラリーのような、どんなものでも馴染む空間づくりを意識しました。好きなものやアートに囲まれながら暮らしたいので、壁や建具、冷蔵庫まで白に統一。ものが多いので、空白のスペースも意識して作ることや、ものを出したらすぐに片付けることも心がけています。

インテリアはどんなものが好きですか?

少し遊び心のあるものが好きです。テイストや配色など、なにかひとつに絞って決めすぎるのではなく、いろんなものが溢れているジャンルレスな空間が落ち着きます。

海外出張が多いこともあって、家の中にはいろんな国籍のものが。なかでもよく行くのがパリ。ダイニングに置いている青い花瓶は〈ポンピドゥー・センター〉で、グレーのライトもパリの百貨店〈BHV Marais〉で購入しました。ヨーロッパはデザイナーズ雑貨が多く、日本で買うよりも手頃な価格で購入できるのがありがたいです。

冷蔵庫のマグネットたちも旅先で見つけたものや、お土産でもらったものなどいろいろ混ざっています。

寝室にも小物エリアが。〈M&M’s〉のオブジェは10年ぐらい連れ添っているお気に入りで、ちょっと変わった配色のこけしや招き猫、たぬきなどは〈BEAMS〉で購入。絵は友達から「好きそうだよね!」と譲り受けたもの。なにかを迎え入れるときは考えすぎず、出会いにただ身を任せてみることも好きです。

感性を刺激する、
アートを身近に楽しむ暮らし

壁にはたくさんのアートが飾られていますね。どんなものが好きですか?

かわいいけどどこか狂気を感じる、そんなポップで一癖ある作品に魅かれます。

アートはどこで出会うことが多いですか?

友人が営んでいる表参道の〈MAT〉というギャラリーにはよく遊びに行きます。例えば、シンプルな線で人物を描いたAICON氏の作品や、バナナとバスケットボールのumao氏のオブジェはMATで出会ったものたちです。

アートと一緒に飾っている鏡も素敵ですね。

この鏡はフリマで偶然出会ったもの。鏡に映し出される景色もひとつの作品のように楽しめたらと思い、アートの隣にあえて配置してみました。

リビングにある間接照明や、ローテーブルもアート作品のひとつのようですね。

間接照明は、ISSEY MIYAKEから発売された、グラフィックデザイナー田中一光氏の作品をモチーフとした「IKKO TANAKA ISSEY MIYAKE」のもの。電気をつけなくてもひとつのアートとして楽しめるのも魅力ですよね。

ローテーブルは自分でDIYしたもの。2,000円ほどで購入したりんご箱に、オンラインのガラス屋さんで指定のサイズにカットしてもらったガラス天板を厚めの両面テープで固定。底にはロボット掃除機がちょうど通れる高さのキャスターも取り付けました。りんご箱はもともと少し歪んでいて、天板との間に隙間があったので、そこに出先で見つけたステッカーやポストカードを挟んだりして楽しんでいます。

中古マンションを自分好みにリノベーションして、日々好きなものとの出会いを楽しむ、Kevinさんのジャンルレスな住まい。後編では、暮らしの中で好きな時間やお気に入りの家具の話、愛猫・チョキちゃんとの関係やファッションプレスのリアルな洋服収納事情についてもご紹介。ぜひお楽しみに!

憧れだったコンクリート打ちっぱなし物件!
実際住んでみて思うこと。

今の物件に引っ越した経緯を教えてください。

前住んでいた家は白い壁に囲まれたよくある一般的な賃貸マンションでした。ですが、持っている家具は好きなグレートーンのものばかり。次引っ越すならばモノトーンでコーディネートしやすい家に住みたいと思い、デザイナーズ物件にしぼって家探しを始めて、巡り合ったのがこのコンクリート打ちっぱなしの物件。以前、旅先でコンクリート壁に囲まれたホテルに泊まって以来、クールで都会的なイメージに憧れと強い興味を持っていて、いつかは住んでみたいと思っていました。

コンクリート物件に住んでみて感じた、メリットとデメリットを教えてください。

コンクリート物件は一般的な住まいと比べると、少し家賃が高く、壁に断熱材が入っていない分、冬は寒くて夏は暑いというデメリットがあります。ですが、圧倒的なデザイン性の高さは何事にも変え難い最大のメリット。朝目覚めたとき、コンクリート壁が目に入ると気分が上がって気持ちよく起きられるし、ふとしたときに感じる非日常感も幸せです。コンクリート物件は他にも、防音性に優れていたり、壁に傷がつきにくいというメリットもあります。さらに、この家に引っ越してきてからInstagramのフォロワーさんが約6万人も増えて、いろんな方との出会いができたこともありがたいメリットでした。

賃貸でもできる!
部屋をガラッとイメージチェンジ

自宅づくりのテーマを教えてください。

かっこいい男部屋です。ステンレスや無機質なグレーのアイテムを集めて、洗練された部屋づくりを目指しています。

床やブラインドなど、空間を大きく左右する面の部分まで統一感があり素敵です。

もともと床は木のフローリングでしたが、フロアタイルを敷きました。〈SOLUM〉というコンクリート調のタイルで楽天でも購入できます。ただ敷くだけで特別な道具もいらず、我が家のような賃貸物件でも気軽に床のイメージを変えられるのでおすすめです。裏面には滑り止めも付いていて床にピタッとくっつくのも快適です。

スタイリッシュな見た目で部屋に高級感をプラスしてくれたのが、バーチカルブラインド(縦型ブラインド)。もともとついていたレールを外して、ブラインド用のレールを装着。もともと開いていたレールの穴の位置がちょうどはまったので、我が家は賃貸ですが取り付けることができました。目隠ししながら光もほどよく入れられて機能的にも気に入っています。

生活感を削ぎ落とした
ホテルライクなリラックス空間へ

インテリアはどのようなものが好きですか?

「コンクリート打ちっぱなし」、「グレーインテリア」のようなモノトーンで都会的なインテリアが好みです。洋服も白、黒、グレーなどが多く、インテリアの好みと繋がっています。

ただ、最近はクールな中にも温かみのあるモダンなイメージや、『コンクリ×ウッド』のインテリアにも憧れています。我が家のアクセントになっているのが、窓際に置いている〈IKEA〉のウッドスツールと、〈IKEA〉のモンステラのフェイクグリーン。観葉植物を育てるのが苦手な僕にとって、リアルな質感がありがたいです。ウッド素材やグリーンがあることで、空間がストイックになりすぎず、リラックス感が演出できます。

小物やアートまで統一感があって、非日常感を感じられるホテルのような空間ですね。

部屋づくりを好きになってから、配色の大事さに気づいて、できるだけ目に見えるところは色味をしぼって統一することで、すっきりとした眺めになるように意識しています。

ベッド脇に飾っているアートはRyu Enomotoさんというアーティストの作品。外装・内装に用いられる左官塗材「モールテックス」を使用した作品を中心に制作されていて、『コンクリート=建築材料』という固定概念に縛られない自由な発想が素敵なのです。

インテリア雑貨や家具はどんなところで買うことが多いですか?

買い物はネットが多く、ほしいものがあればまず楽天、amazon、Pinterest、Instagramなどで検索します。あとは、〈IKEA〉も好きです。大体の場合は明確な理想があるわけではないので、何個も何個もアイテムを見ていくうちに徐々に自分がほしいものに気づけるという感覚があります。自分が好きなものを探す時間は宝探しをしているようで楽しいですね。

現在準備を進めているという、ご自身のインテリアブランドについて教えてください。

『セメント×無機質』をメインテーマに掲げるブランドで、8月を目標にローンチ予定です。もともと家電メーカーで勤務していたこともあり、ものづくりや自分のブランドを持つことには興味があって、自分がほしいものを作るためにもブランドを立ち上げることにしました。今我が家で使っているコンクリートのお香立てはその試作品。灰をしっかりキャッチできてスペースをできるだけ取らない受け皿のサイズなど、実際に試しながら見た目も使い勝手も納得できるものを製作中です。まずは暮らしに取り入れやすい小物類からコンクリートのある暮らしをみなさんに楽しんでもらいたいなと思います!

コンクリート物件のクールでスタイリッシュな印象を最大限生かした、GENさんのコンパクトライフ。後編では、コンパクト物件ならではのスペースづくりの工夫や、キッチンの空間づくりのこだわり、仕事場でもある自宅でオンオフを上手に切り替える方法についてなど詳しくご紹介。ぜひお楽しみに!

一番の居場所は、
自然から着想を得たダイニングテーブル

自宅の中で、一番の居場所はどこですか?

ダイニングテーブルです。食事をしたり、お茶を飲みながら外の景色を見るのが好きです。

ダイニングテーブルとの出会いを教えてください。

円卓にはずっと憧れがあったものの、いざ探してみると素敵だけど予算が合わなかったり、予算重視だと『これだ!』と思うものに出会えず、引っ越してからしばらくは前のテーブルを使っていました。探して、探して、ようやく巡り会えたのがこのテーブル。2020年にファーストコレクションを出した、オーストラリアの若手デザイナー・patryk koca氏が手がけたもので、輸入家具を扱う〈moda en casa〉で購入しました。オーストラリアの自然からインスピレーションを得ているようで、天板と足の接着部分もユニークで気に入りました。

コンパクトなキッチンで、
満足度アップ!

長谷川さんお気に入りのキッチン。意外とコンパクトな造りですね!

リノベーション前は壁を取り壊して、オープンキッチンにしたいなと思っていたのですが、この物件が壁で建物を支える壁構造で、あえなく断念(笑)。もともとあるコンパクトなキッチンをどうにか使いやすくする方向で工夫を重ねました。その結果、コックピットのように無駄な動きなく作業ができるようになって、料理が楽しくなりました!

コンパクトなキッチンを使いやすくするために、どんな工夫を施しましたか?

収納は、システムキッチンの収納だけでは足りなかったので、収納棚兼作業台をリノベーション時に造作してもらいました。通路幅は、前の家のキッチンで床にマスキングテープを貼って、どれぐらいまでの狭さなら快適に作業できるかをシミュレーションして決めました。

食器類の収納には、壁付けのステンレススチールの収納棚も導入。インディアンキッチンラックの復刻版で、〈HAY〉で購入したもの。無骨でかっこいい厨房っぽさがありつつ、手作り特有の柔らかな風合いもあって上手く空間に溶け込みました。

キッチンツールなどを吊るして収納できるように、壁にはバーも複数設置。わざわざ戸を開けて取り出す手間がなくなり、作業もスムーズになりました。

キッチン周り、家電がとても少ないですね!

そもそも置き場所がないというのと、引っ越しを機に、プラスチック製品をできるだけなくしたいと思って、炊飯器や電子ケトル、自動コーヒーメーカーなどは、すべて手放しました。ご飯は土鍋、コーヒーはハンドドリップで淹れるようになって、以前よりも美味しく味わえるように。最小限の調理器具と器だけで暮らす方が、満足度は上がったなと感じています。

暮らしの価値観を変えた、
コンポストとの出会い

長谷川さんが魅了されている『コンポスト』とは何ですか?

家庭から出る生ゴミや落ち葉などの有機物を、微生物の働きを活用して発酵・分解させてできた堆肥や、堆肥を作る道具のことを「コンポスト」と言います。生ゴミを捨てる手間がなくなったり、できた堆肥で家庭菜園が楽しめたり、いいことづくめなんです。私が使っているのは、バッグ型の〈LFCコンポスト〉。マンションでも臭いが気にならず、省スペースでも置けるのがうれしいポイントです。

コンポストを取り入れてから、暮らしはどのように変化しましたか?

食事をして、そこから出た生ゴミをコンポストに混ぜて、栄養たっぷりの堆肥ができる。その堆肥を使って、野菜やハーブを育てて、それをまた食べるという、生活の中に小さな“循環”が生まれたことで、自分も自然の中で生きていることがクリアになり、生きることがよりシンプルになったと思います。最近は、消費することよりも自分でクリエイティブすることや、循環する暮らしをもっと楽しみたいなと思うようになりました。コンポストの中で日々の生ごみが消えていく工程は本当にドラマチックで、バックがほんのり暖かくなったり、たまに湯気が出ることもあって、微生物の働きが身近に感じられますよ。

都内で実践できる、自然が身近な長谷川さんのコンパクトライフ。忙しい毎日でも時には立ち止まり、便利さ一辺倒の生活から離れて、暮らしをもっとクリエイティブに楽しんでみる。まずは、自分の中に眠っているプリミティブな感覚と向き合うところから、そう気づきをもらえた心地いい取材でした。

前編では、マイホーム購入までの道のりや、家づくりのテーマ、お気に入りの家具やインテリアについて、詳しくご紹介しています。ぜひ前後編合わせてお楽しみください!

すべてはここから始まった!
運命的なデスクとの出会い

自宅のインテリアを考える際、軸となったものを教えてください。

日本のオフィス家具メーカー〈ITOKI〉のヴィンテージデスクです。この家に引っ越すとき、管理会社の方から『このデスク、受け継いでくれない?』といわれて(笑)。タイミングよく譲っていただいたものなのです。このデスクを軸に部屋のイメージを膨らませていきました。

私の仕事はデスクワークも多く、スタイリングのイメージイラストを描いたり、プロップを探したり。デスクトップ、ノートパソコン、iPad、携帯、すべてを広げて作業したいので、大きめのサイズ感は非常に使いやすいです。また、くぼんだデザインの天板は、仕事をするときは右向き、化粧をするときは左向きと使い分けることもできます。ちなみに、デスク上の収納やライトは〈IKEA〉や〈フライングタイガー〉で買ったものがほとんどです。

毎日を過ごす家だから、
“ときめき”を忘れずにディスプレイ

家づくりのテーマを教えてください。

私は飽き性で好みがコロコロ変わるタイプ。なので、家が新鮮な場所であることは大切です。ただ、新しいものを買い足すわけではなく、リビングで使っていた棚をキッチンで使ってみたり、飾っている雑貨を並び替えてみたり、今あるものを循環させることで新鮮な気持ちを楽しむのが好きです。特に、家具やベッドシーツ、壁紙など大きな面積を占めるものを一新すると、部屋の雰囲気がガラッと変化。常に家は自分のテンションを上げてくれる場所であることが家づくりのテーマです。

家の中で特に気分の上がるスポットはどこですか?

玄関に入ってすぐ、靴箱の上は特にお気に入りのスポットです。我が家の一軍たちをディスプレイ。タイやベトナム、中国、日本などアジアの食器や花瓶から、ヨーロッパのグラフィックや幾何学模様のアートまで、いろんな国やジャンルをミックスしています。ものを選ぶときは一目惚れで、色から入ることが多いですね。

このスポットのディスプレイを考える際、どんなことを工夫しましたか?

花柄や唐草模様など、モチーフが似ているもの同士は近くに置いたり、あと色使いもひと工夫。このエリアのポイントとなっている蓮の花のライトの色に合わせて、ピンクの絵の具を塗った大きなキャンパスを背景に立て掛けることで、空間に一体感をプラスしています。

部屋の中はいろんな色で溢れていますよね。なかでもどんな色が好きですか?

派手な色というよりは、少しマットというか、くすんだ色の方が好みです。落ち着きのある和なカラーに、蛍光色やビビットな色をポイントで差し込むのも最近のブーム。その時々で変わる好きな色と、相性のいい色の組み合わせを考えては楽しんでいます。

つい集めてしまうモチーフはありますか?

人のモチーフが大好きで気付けば家にたくさんあります。家のポイントになっている大きなタペストリーブランケットと、ソファ下のマットは、norahiさんというアーティストの作品でとてもお気に入りです。

雑貨はどのように見つけることが多いですか?

Instagramの広告で流れてきたショップに行ってみたり、気になる古着屋さんを覗いてみたり、海外のサイトを見てみたり、旅先で買ってみたり。出会いに任せて、いろんなお店で買い物をしています。

オフの日の楽しみに、仕事の息抜きに。
欲しかったものをDIY

お家での休日やオフの時間は、どのように過ごしていますか?

なにか用事がない限りずっと家にいます。家のD I Yや模様替えをしたり、暇だとまず絵の具を塗り始めます(笑)。休みの日はもちろん、仕事の合間にもササッと塗ったり。塗ることは私にとって癒しの時間でもあるのです。最近だと、ソファの後ろに立てかけている柱と額縁をマイブームの青色で塗りました。

お気に入りのDIYを教えてください。

手作りのベッドボードは、長方形にカットしたOSB合板の先端に、アールにカットしたライオンボードと呼ばれる発泡スチロールのボードをくっつけて、お気に入りの布を巻き込み作りました。ただ立てかけるだけの簡易なもので、2時間ぐらいで作れました。

あと、高さのある鉢カバーが欲しくて、こちらも自分で作ってみました。植木鉢と器を積み重ねて接着し、ただ絵の具で色を塗っただけ。意外と簡単に作れるのでおすすめです!こんなの欲しいと思ったら、まず自分なりに作ってみる。それが楽しいですね。

家の中をアップデートしたいとき、必ずしも新しいものを迎え入れる必要はないのだと教えてくれた、ヤザキリナさんの住まい。大切なのは、今持っているものについて考え直すこと。今の家がマンネリだとお悩みの方は、ものの配置を変えてみたり、自前の家具に思い切って色を塗ってみたり、今あるものの可能性を探ってみてはいかがでしょうか?

前編では、この物件を見つけた経緯や、ユニークなバスルームの話、コンパクト物件ならではの楽しみ方についてもご紹介しています。ぜひ、前後編合わせてお楽しみください。

“心地いい”を追求する家探し

はじめてのマイホーム購入。物件探しはどのように進めていきましたか?

まず夫婦でどんなところに住みたいか、条件を出し合いました。地域については、「自然が感じられる場所が近くにあること」、「大きな駅ではなくこぢんまりした駅で品があること」、「チェーン店ではない、感じのいい飲み屋やご飯屋があること」などを重視。その中で、大型集合住宅ではなく小規模な低層マンションで、リノベーション可能な物件を地道にネットで探しました。

今の物件で決め手になった点を教えてください。

風通しと日当たりの良さ、窓から見える外の景色、コーナー窓の佇まいが特に気に入りました。

コンパクト物件で暮らす上でのスペースづくりの工夫を教えてください。

部屋の抜け感は意識しています。ソファやサイドテーブルは、テラスに繋がる導線を邪魔しないように、コンパクトなものをチョイス。ソファは青山に実店舗がある〈FLANNEL SOFA〉のもので、すっきりとしたデザインが気に入っています。背もたれは取り外し可能なので、ベッドのように使えるのも便利。コンパクトなサイドテーブルは〈Artek〉のものを合わせています。

あとは、玄関からLDKへ続く扉にガラスを入れることで、玄関からテラスまでの繋がりを感じられるようにしたり、リビング横の部屋の扉をとっぱらい、LDKを拡張することで部屋全体に抜け感が出るように意識しました。

ギャラリーのような住まいで、
感性を研ぎ澄ます

自宅づくりのテーマを教えてください。

リノベーションのテーマは、「白い箱」でした。シンプルな白い箱を、自分たちの好きな家具やアート、雑貨などで彩っていく。月日を重ねるごとに味が出たり、その時々の好みで変化していくお家づくりをしていきたいと思い、自由度の高い内装に仕上げてもらいました。床は学校の教室を彷彿とさせる、木目が美しいパーケットフローリングを採用しています。

テレビ上の壁面には、アートや雑貨を飾れる白い棚が設けてありますね。

自分が好きなものを身近に感じられる場所があったらいいなと思い、リノベーション時に作ってもらいました。置くもので板の高さを決められるように稼働式です。休みの日は、美術館やギャラリーへ行くのが好きで、そこで見つけた図録やグッズを飾ったりして楽しんでいます。

家の中にはいろんなところにアートが飾られていますね!アートはどんなものが好きですか?

モネやゴーギャン、マティスなどの巨匠から、現代のアーティストまで幅広く好きです。現代で好きなのが、ピーター・ドイグの作品。2020年に初めて日本で開催した個展がとても素敵で、棚に画集も飾っています。

リビングの壁には絵を飾ろうとニッチ(埋め込み式の棚)を作りました。今は、ロナン・ブルレックの作品を飾っています。

プリミティブを感じる、
ベーシックなもの選び

インテリアはどのようなものが好きですか?

自宅はリラックスできる空間にしたいので、国籍や年代問わず、好きなものを自分の好きなように飾るのを楽しんでいます。好みはあえていうなら、素材感を感じられるプリミティブなものでしょうか。自分の身の丈に合っていて、末長く大切にできる愛着が湧くものを、一つひとつ丁寧に迎え入れるようにしています。

ダイニングエリアだけでもいろんな国のものがミックスされていますね。

そうですね。ライトはアメリカのジョージ・ネルソンのバブルランプ、壁に飾っている布は、クバ布というアフリカのテキスタイルで、ハイキャビネットとダイニングのYチェアはデンマーク製、ダイニングテーブルはオーストラリアのものです。

好きなインテリアショップを教えてください。

いろんなお店に行くのでなかなか絞れないのですが、お店の人との会話も込みで買い物を楽しめるのが、目黒の〈Pocket Park〉。あと、北参道の〈bob’s box〉のセレクトも好きです。ドライフラワーを入れている置物もここで購入しました。

都心から離れた郊外エリアで、好きなアートやプリミティブなインテリアに刺激を受けながら豊かな暮らしを楽しむ、長谷川さん夫婦の住まい。後編では、お気に入りだという小さなキッチンの話や、暮らしを見直すきっかけにもなったというコンポストについてもご紹介。ぜひお楽しみに!

レコード、カセット、CD。
いろんな音を楽しむ暮らし

自宅の中で、特に気に入っている場所があれば教えてください。

リビングの一角に設けた、オーディオコーナーです。レコード、カセット、CD、それぞれDJミキサーにつなげて、異なる音源でも曲を繋げて楽しめるようにしています。アンプとラジオチューナーは<LUXMAN>製、レコードプレーヤーは父から譲り受けた古い<Victor>製。カセットデッキはデンマークのオーディオブランド<Bang & Olufsen>のもので、<ハードオフ>でゲットしました。ジャンク品として18,000円で販売されていて、恐る恐る動作確認してみると、再生も録音も問題なし!まさかのお宝品でした。その他にも、ビデオデッキ、CDラジカセなど、我が家にはいろんなアナログ機器があります。

レコード屋さんのような一角があるのも面白いですね。

レコードは引っ越しのタイミングで手放したのもあって、今はざっと200枚ほどのコレクションがあります。レコードを収納している棚は、<amazon>で見つけたものです。探しやすくて、お店でレコードを探すときのあの手つきを家でも味わえる、ちょっとしたエンタメ感もあります(笑)。

どんな音楽が好きですか?

音楽やレコードが好きになったきっかけは、60年代アメリカのロックバンド<The Velvet Underground>。音楽もインテリア同様、50〜70年代が好きで、ロックやソウル、ヒップホップなど幅広く聴きます。

日々刺激をもらえる、
50〜70年代、サブカルチャーの魅力とは?

暮らしの中で特に好きな時間はいつ、どんなときですか?

1日の中で一番好きな時間は、夜ごはんを食べた後の20時〜24時のリラックスタイム。お風呂にパソコンとコーラを持ち込んで2時間ぐらい湯船に浸かったり、最近新調した大きなテレビで映画を観たり、デスクでゆっくり本を読んだり。本はアートブックが多く、なかでもアンディ・ウォーホルの図録が大好き。何度読んでも彼のパンクな精神に刺激を受けます。

インテリアや音楽、映画においても、50〜70年代のものが好きというSakuraさん。この時代に生まれたいわゆるサブカルチャーには、どんな魅力があるのでしょうか?

戦後らしい、開放感のある時代を体現するように、この時代のカルチャーはとっても自由で、アイデアに溢れていて、エネルギッシュ。今見てもたくさんの気づきをもらえます。戦後、決して明るいだけではなかった時代背景の中、現代のカルチャーの原点ともいえるポップなムーブメントを作ってくれたアーティストたちには、やっぱり好奇心がつきません。

好きなものを手放さないために。
収納家具と省スペースアイデア

コンパクトな住まいでもたくさんのコレクションたちと暮らすために、収納はどのように工夫していますか?

今住んでいる家はとにかく備え付けの収納が少ないので、ベッド下やソファ下など、あらゆるデッドスペースを活用しています。それでもまだ足りなかったので、収納用の家具をいくつか買い足しました。部屋の中が収納家具ばかりになると倉庫みたいで部屋にいる楽しみが半減してしまうので、できるだけ主張せず狭いスペースでも場所を取らない、スリムな収納家具を選ぶことが多いです。

文庫本をしまっているのは、楽天でみつけた回転式本棚。無駄のないシンプルなデザインで、これでもかというほど収納力があります。

洗面所で化粧品などをしまっている白いスリムな棚は、リサイクルショップ<2nd STREET>で見つけたもの。まるで備え付けだったかのように、スポッと隙間にジャストフィット!見つけたときは痺れました(笑)

あと、入りきらない本はあえてかわいく積んでインテリアの一部として生かしたりもしています。

ソファ前には、ローテーブルを置かず、小さなラックを合わせているのも省スペースですね。

このマガジンラックも50年代アメリカのもので、<TOKYO RECYCLE imption>で購入しました。ワイヤー曲線とアメリカらしいアッシュトレイのグラテーションに一目惚れ。もともとレコードプレーヤーの横に置いて、そのときかけているレコードのジャケット置き場に購入しましたが、ソファでくつろぐとき、サイドテーブル代わりに使ったりもしています。奥行き30cmなので場所を取らず、また取っ手付きで簡単に移動できるのも非常に便利です。

買い物はリサイクルショップへお宝を探しに行ったり、音楽を聴くときはレコードやカセット、CDを使い分けてみたり。スマホのタップひとつで完結する行為に、あえて時間をかけてみる。そうすることで、日々はより鮮明に記憶に残っていくものです。多忙な日々のなかで忘れがちな“ゆっくり生きるヒント”に出会える、そんな温かな住まいでした!

前編では、この家に引っ越した経緯やインテリアの好み、意外な買い物の仕方やワークスペースについてなどをご紹介しています。ぜひ、前後編合わせてお楽しみください。

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