INTERVIEW

DEPT Company代表・eriさんと考えるサスティナブルな暮らし(前編)

父から引き継いだヴィンテージショップ〈DEPT〉のオーナー兼バイヤーであり、自社ブランドのデザイナーも務めるeriさん。彼女にとっての心地よい暮らしとは、「地球と共存しながら暮らすこと」。日々の何気ない選択でも、サスティナブルなマインドを軸に持つことで暮らしを気持ちよくビルドアップできると言います。前編では、サスティナブルな暮らしを始めた経緯や、初心者でも挑戦できる身近なエコアイディアを教えてもらいました。

サスティナブルを意識することは、
暮らしをビルドアップすることにつながる

サスティナブルな暮らしを意識し始めたのはいつからですか?

環境問題を強く意識し始めたのは、15年ほど前のこと。アル・ゴアの著書『不都合な真実』を読んだのをきっかけに、環境問題の深刻さがくっきりと可視化されました。それから、自分でできることはないかと考えて、まずはゴミを減らすことから挑戦。それまでは、生ゴミはコンポストを使わずにそのまま捨てていたし、ティッシュやキッチンペーパーも当たり前に使っていましたが、実際に“捨てない生活”を始めてみると実は快適で楽しく暮らせることに気づきました。

サスティナブルを意識し始めることで、暮らしはどのように変化しましたか?

日本ではサスティナブルな暮らしというと、自分の暮らしを我慢するものだと捉えている人が多い印象ですが、いざ実践してみると気持ちのいいことばかり。プラスチック容器に入った洗剤が視界に入らないだけで部屋がすっきりと整うし、生ゴミもコンポストにすることで匂わず、ゴミ出しの回数だって減る。現に欧米ではサスティナブルな暮らしを“自分の暮らしをアップデートして、豊かにしてくれるもの”と捉える人が多いと言います。環境問題について知識を深め、ものが作られる背景を知ることで、『これは地球を破壊してまで私にとって必要なものなのか?』とよく考えるようになるはず。取捨選択して生きていくことは、自分で暮らしをビルドアップしていく(より良いものへと作り上げていく)こと。それは本当に楽しいことです。生きているという実感が強く持てるはずで、暮らしの満足度はグッと上がりますよ!

サスティナブルな暮らしを始める上で、まずは何から始めるべきでしょうか?

“当たり前を見直すこと”ですね。例えば、ティッシュ。ティッシュを作ることは原料となる森林の伐採、製造段階でも大量の水やエネルギーも消費することから大きな環境問題につながります。我が家では使わなくなったリネンの布をざっくりカットした布ティッシュを使用。食事中に口元を拭ったり、ちょっと指先が汚れたときなど、布で拭いた方が気持ちいいし、使用済みの布ティッシュはある程度貯まったら、洗濯ネットに入れてまとめて洗うだけ。家の整理をしていたらポケットティッシュをいくつか見つけたので、洗面所に置いてみたのですが、半年で使ったのは3枚ほど。来客のときにどうしても必要になったときだけでした。試しに辞めてみると、意外といらなかったなと思うものってたくさんあるはずです。

普段使っているものの背景を知ることから、
当たり前を見直してみよう

当たり前を見直す第一歩として意識したい、「買うものの背景を知ること」。eriさんが実践しているアイディアを教えてください!

リサイクル、中古、ヴィンテージなどセカンドハンドから選ぶ

ものを新しく作ることは、必ずCO2が排出されます。つまり、新しいものではなく、すでにあるものを買うことがサスティナブルにつながるのです。例えば、世界で第2位の汚染産業であるアパレル産業。新しい服を作ろうとすると1着あたりCO2排出量25.5kg(ペットボトル255本分)、水の使用量は約2,300ℓ(お風呂11杯分)の環境コストがかかるといわれています。買いたい服は本当にそれに値する価値があるのか、長く着ることができるのか、よく考えてから買うことが大切です。写真の3着の服は、アメリカで自ら買い付けたお気に入りの古着。服は小学生の頃から着続けているものもたくさんあって、服を長く着るのは自分のなかで当たり前の感覚です。服はヴィンテージショップで探してセカンドハンドを購入することが多いですね。あと服だけではなく、家具や家電についてもフリマアプリをチェックしたりもします。

素材にこだわり、素材を知ることを習慣に

新品の服を買うときは、環境負荷ができるだけかからない素材を選んでいます。よく服の素材として用いられているコットンは、農薬と水をたくさん使わなければ育たない植物。コットンを着ることは土壌を汚し、生態系を崩し、様々な環境問題につながってしまうのです。

今日着ているのは、〈DEPT〉のブランド「mother」でデザインした大麻布のブラウス。原料の大麻は、1ヶ月で1メートル育つほど生育も早いので持続的に収穫することができて、その上とても生命力の強い植物だから、栽培時の除草剤や農薬は一切不要。麻や綿に比べても速乾性、強度、抗菌、保温性、どこをとっても優れています。

我が家のカーテンは自作のリネンのもの。市販のものだと合成繊維やコットン素材のものが多く、環境負荷を考えると買えるものがなかったので、スタッフにお願いして作ってもらいました。ただ安いから、可愛いから買うのではなくて、素材を吟味すること。それに加えてブランドのポリシーを読んで共感したものを選ぶことも大切にしています。買う側が意識しなければ、企業側の意識が変わることもありません。自分たちが本当の意味でどんなものを必要としているか、「買い物」という態度として示すことは必要だなと思います。

スキンケアアイテムも容器や成分をチェック

コスメはリサイクル素材のものを選ぼうとすると、買えるものがわずかしかなくて……。自然と使う数が減って、シンプルケアに。でも、そのおかげで肌の調子が驚くほど良くなりました! 最近のお気に入りは、〈soular organics〉の日焼け止め。人間だけでなく他の生物にも無害な植物性の成分でできていて、肌につけて海に入ってもサンゴに悪影響を与えることもありません。ツヤッときれいに仕上がるので、私はファンデーションなしで使っています。伸びもいいので、使う量が少なくて済むのも嬉しいポイント。SPFはしっかり50+あります。容器はそのままコンポストできちゃいますよ。

サスティナブルを意識して、買うものの背景を見直すことで暮らしはより良くできることを学べた前編。後編でも引き続き、eriさんが実践している身近なエコアイディアとともに、サスティナブルライフの魅力をお届けします。どうぞ、お楽しみに。

※本ページ掲載のお部屋は、SEARCHページでご紹介している物件ではありません。