INTERVIEW

長年培った審美眼で時代も国も自在にミックス! センスのいい、マテリアル好きの住まい(前編)

9年住み慣れた部屋にようやく別れを告げて、今年の3月から新たな住まいで新生活を始めた長尾さん。3年ほど探し続けてようやく出会えたという築16年になる約40㎡のマンションの一室には、時代も国籍も問わない確かな審美眼で選び抜かれたものたちが、堂々とかつ上品に、愛を持って並べられています。彼女はこの新居で何を大事に、どう住みこなしていくのか。バイヤーという仕事を通じて自分の目を信じて生きる、そんな生き様がカッコいい長尾さんの住まいづくりをご紹介。

季節で移り変わる窓の景色を背景に、
異素材をミックスした、哲学のあるリビング

今の物件を選んだ決め手は何でしたか?

ひとり暮らしサイズの物件では珍しい2面のバルコニーが大きな決め手となりました。2月末に内見したときは、ちょうどお向かいの立派な梅の木が咲き乱れていて、夏も緑がとても豊か。実際に住んでみて日差しもたっぷり入るし、風通りもよく非常に気に入っています。

リビングの家具選びではどのようなことを意識しましたか?

日本の量産的な住宅の床、壁、天井のマテリアルでは、外国のお家のようにおしゃれな空間をつくるのはどうしても難しいもの。そこで私の場合、茶色い木素材の家具をできるだけ減らすることで、ほっこりしない部屋づくりを心がけました。そうすることで、もともとある内装の木の温かみもより活かせると思ったんです。わが家の白いリビングテーブルは石のようにも見えるのですが、実は木製。これならば軽いし、木でもナチュラルなイメージにはならないと思い、大阪のヴィンテージショップ〈Want Antique life store〉で購入しました。天板がスライドできる仕様でひとりのときは半円に、人を呼ぶときには全円にもできて便利。このリビングテーブルをはじめ、家の家具は引っ越しを機にすべて一新。ほとんどがリサイクルショップやヴィンテージショップで買い換えた一点もので、人と被らないところも気に入っています。

仕事ではバイヤーとして売り場という空間を一から作り上げている長尾さん。自宅のリビングはどのように組み立てていきましたか?

まず最初に、大きい家具をどうするのかを考えました。あとは、部屋のなかでアクセントになるものを決めて、そこを軸にバランスよく組み立てていく。わが家のリビングのポイントになっているのが、フランスの家具メーカー〈Ligne roset〉のシリーズ〈TOGO〉のピンクのソファ。これは自分でも意外なチョイスだったのですが、新宿髙島屋でひと目惚れをして、無理を言って展示品をお買い得に購入させてもらいました。ものをバイイングするときは、このような思い切りもときには大切だと思っています。実際置いてみたところ、高さが低めなのでわが家のようなひとり暮らしサイズの狭い家でもちょうどいいサイズ感でした。リビングはこのソファに合わせて、基本的にプリミティブなものや無機質なものを合わせています。

好きなものが多くても、飾りすぎない。
“見せる”と“隠す”の心地いいバランスを守る

家の中で一番気に入っている場所はどこですか?

リビングの腰掛窓にぴったりとしつらえてもらったディスプレイ棚です。友人の小見山ユリさん(@komfort_space)に相談して、賃貸でもできるDIYを施してもらいました。もちろん、壁には全く釘を打っておらず、ただ立て掛けている状態。棚を置くという手もあったのですが、それだと狭い空間がより狭くなってしまうので出窓風の棚にDIYしてもらいました。一緒にホームセンターに行ってじっくり悩んだのもいい思い出です。

DIYした飾り棚にはどのようなものを並べていますか?

旅先で見つけたものや骨董市、ヴィンテージショップで購入したお気に入りのものを並べています。例えば、写真のオレンジの花瓶は骨董市で購入したもので、日本の80年代のデッドストック。花瓶でも、ちょっと変わった形や色のものをひとつ置くことで一気に空間がアートに映えますよね。

ものを飾る上で自分なりのルールはありますか?

“心地いい量を守って置き過ぎないこと”。バイヤーという職業柄、ものが好きですし、見つけるのも得意。なので、部屋がもので溢れないようにいつも心がけています。決して究極のミニマリストになりたいわけではないのですが、眺めがごちゃごちゃしているとやっぱり気疲れてしまうので、自分なりの心地いいバランスを大切にしています。棚に置くものはその時々の気分や、季節ごとに変わる窓の外の景色で少しずつ模様替えをしながら楽しもうと思っています。

家のなかでも特にリビングはすっきりとしていますよね。リビングの収納はどのように工夫しているのでしょうか?

リビング奥の死角になっている凹みには、〈東京リサイクル〉で見つけた壁にぴったり沿う三角形のアメリカのヴィンテージ棚を置いて、本やルームスプレー、スピーカーなどを収納しています。仕事で使う書類系や郵便物など細々したものは、収納力もデザイン性も高い〈ボビーワゴン〉にしまっています。

DIYの収納棚ですっきり使いやすい、
機能性を重視した、1畳半のキッチン

キッチンづくりで特にこだわったことはなんでしょうか?

キッチンは作業をする場所なので、何より機能性を重視しました。このスペースも友人の小見山ユリさんに相談して、〈ニトリ〉などで購入できる便利グッズも取り入れながら、主婦ならではの視点で動線のいい空間に整えてもらいました。

生活感の出やすいキッチンでは、どのように収納を工夫しましたか?

キッチンは1畳半くらいのとてもコンパクトな空間。わが家にはもちろんパントリーがあるわけでもないので、デッドスペースを活用して天井下にDIYの収納棚を付けてもらいました。突っ張り棚をつけて、見える側面は目隠し用の木の板でカバー。掃除用具やタッパーなど、生活感のあるものをしまっています。下からS字フックを吊るして、布巾などをかけられるのも便利なポイント。キッチンは引っ越してからとても使いやすくなったので、自然と料理をする回数も増えました。

※本ページ掲載のお部屋は、SEARCHページでご紹介している物件ではありません。