好きなことがもっと好きになる。趣味を楽しむ家づくり
【神山エリカさんのコンパクトライフ 後編】

肩書きにとらわれないもの選びで
個性を組み合わせてインテリアを楽しむ

どんなインテリアが好きですか?

一概には言えないのですが、北欧テイストに民芸のものを合わせたり、木にアイアンや皮など異素材を組み合わせたり。持っている器も揃えて買うより、ひとつひとつ違う個性のものを合わせていくのが楽しくて、インテリアも自然とそうなっていますね。

たしかに、ダイニングの椅子もそれぞれ違うものを合わせていますね。

そうですね。ベンチは〈Zara Home〉で、座面が緑の椅子は〈IDEA〉で購入したルーマニアのもの、もうひとつの椅子は北欧家具を扱う〈NORTE〉で購入しました。

家具を選ぶ際の基準を教えてください。

もともとある家具と調和が取れること。ブランドにこだわりすぎず、自分の中でいいと思ったものは柔軟に取り入れること。直感は大切にしつつ、必ず冷静になってじっくり時間をかけて検討します。また、家具の面が床にべたっとつかない掃除がしやすい脚付きの家具を選んだり、賃貸物件だと引っ越す可能性もあるため、どんな部屋でも活かせる大きすぎないサイズ感の家具を購入したり。見た目だけではなく、実用的かどうかも重視します。

インテリアのアイディアは、日々どのように養っていますか?

自分の好きなインテリアスタイリストさんのInstagramや、スタイリングをしている雑誌を参考にしています。なかでも、石井佳苗さんと作原文子さんのスタイリングが好きです。温かみがありつつ、かっこいい。そんな雰囲気に魅かれます。

コンパクトな家でも実用的!
壁や天井を楽しむアイディア

LDKにある本棚は見せ方も素敵ですね。

よく備え付けだと間違えられる本棚は〈Re:CENO〉で購入したシンプルなオープンラックを2つ並べて使っています。夜はゆっくり読書をするのが日課で、本は結構な量あるのですが、文庫本のカバーを外して収納することで空間になじむように工夫しています。また、全部の枠をぎゅうぎゅうに詰め込まず、植物やオブジェなどで余白を作ることも意識していますね。

リビングやキッチンの壁、玄関ドアの余白もディスプレイとして上手に活用されていますね。

好きで集めているポストカードや、美術展や写真展のフライヤー、雑誌やフリーペーパーの切り抜きなどを飾っています。

あと、自分で描いた絵もときどき飾っています。絵を描いているとゆっくり気持ちがほぐれていく感覚に。以前アイリストとして働いていたときは、お客様に似顔絵を描いてプレゼントしていました。絵は私にとって大切なコミュニケーションツールのひとつです。

壁同様、上の空間を生かせればとキッチンとダイニングの間にはモビールも吊るしています。小田原に行ったときに海岸で拾った石も糸にくくりつけて飾ってみました。

快適なキッチンで毎日楽しく健康に。

この家に引っ越してきてから、ライフスタイルとして変わったことはありましたか?

一人暮らしのときよりもキッチンが広々使いやすくなって、料理を作る頻度も上がりました。限られた時間の中でも作れる品数が増えて、冷蔵庫の余りものでどうにかする力も徐々につきましたね(笑)。休日は時間の許す限り、夫婦でゆっくり食事をします。

テーブルの上に置いているグラノーラも自家製なのだとか。

市販のものは添加物が入っていたり、カロリーも高いのでどうにか自分で作れないかなと試しに作ってみました。食材の組み合わせや焼き加減など、結構奥が深くて自分好みのレシピに近づくまでまだまだ研究中です!

リビングダイニングと一体になっているキッチン。清潔感を保つためにルールにしていることはありますか?

『キッチンの汚れは次の日に持ち越さないこと』はルールにしています。リビングダイニングに匂いが充満しないように、また眺めもすっきりと見えるように毎日きちんとリセットすることが大事ですね。長いこと悩んでいた生ごみの処理については、〈パルシステム〉で購入した紙製の生ゴミ入れを使うことでだいぶ解決しました。水気をしっかり吸ってくれるのに、意外と底が水浸しにならず快適です。

趣味の時間を上手に作りながら、日々を大切に暮らす姿が印象的だった神山さん。家は自分の頭の中を具現化した唯一無二の落ち着く場所で、家づくりは一生かけて楽しめる趣味。あらためて自分の好きなことや、過ごしたい時間について考えてみてはいかがでしょうか。

前編では、この家に引っ越してきた経緯やコンパクト物件ならではの工夫、収納アイディアなどをご紹介しています。ぜひ前後編合わせてお楽しみください!

生活動線ばっちり!
コンパクトながら快適な住まい

今の物件に決めた理由を教えてください。

三面採光の日当たりの良さと広いキッチンが気に入ったこと。また、家具の配置がすぐに思い浮かんで、住みこなせるイメージが持てたのもこの家を選んだ決め手になりました。ちょっと変わった形のLDKなのですが、それも面白いなと。引っ越す前、間取り図を見た段階でここに住んでみたいと思いました。

実際に引っ越してみて、良かったなと思うことはありましたか?

キッチンからダイニングにかけての壁面収納が充実していたり、玄関からLDKの途中にドアがなかったり、洗濯機が洗面所ではなくキッチンの並びにあるなど、それぞれの部屋が広々使えつつ、すべてがコンパクトに収まっているところが気に入っています。冷蔵庫から食材を取り出して、キッチンで料理して、ダイニングにサーブする。この一連の流れが特にスムーズ。また、寝室だけが離れ小島のように配置されているので、どちらかが寝ているときでも音が気にならず快適です。

コンパクト物件ならではの暮らし方

コンパクトな物件だからこそ感じられる利点があれば教えてください。

まず、掃除が楽なこと。フロアの掃除が短時間で済む分、棚の中などついつい後回しにしがちな場所もできるだけこまめに掃除しようと思えますね。

あと、家で過ごすときは、夫と同じ部屋にいることがほとんどなので、何気ないことでもコミュニケーションが取りやすいなと思います。1LDKの物件だと40㎡以上が一般的なのですが、ここは小さめの34㎡。広い家も憧れるのですが、どこか寂しい気もしていて。限られた空間に必要なものがぎゅっと収まっている方が、私は落ち着きます。

コンパクト物件での空間作りで工夫していることはありますか?

大型家具はなるべく色味を統一して、すっきりと見えるように心がけています。あと、思い切って180cmほどの大きな全身鏡を購入したことで、空間が広く感じられるようになりました。

10畳ほどのLDKですが、ダイニングテーブルもソファも広々使えるサイズ感ですね。

ソファやダイニングなど、座るスペースを広く確保すれば、床の空き面積が狭くても案外困らないですね。
小さな家だとソファを置かない方も多いと思うのですが、私は断然取り入れることをおすすめします。今使っているのは、一人暮らし時代、アイリストになった頃に自分へのデビュー祝いとして購入した、北欧家具の〈LIVING HOUSE.〉のもの。大型家具は買い替えもしにくいので、どうせなら長く使えるものをと思い奮発しました。座り心地も良く、コンパクトながら足も伸ばして座れるサイズ感。妙に居心地が良くていつの間にか寝落ちしていることが多いです(笑)。背面の格子のデザインも素敵なので壁付けせずに使っています。

日々断捨離で身軽に!
とことんしまう収納アイディア

全体的にものが少ないですね。

溜め込みがちな郵便物などの書類系は、その都度即シュレッダーしています。『いつか使うかも…』というものは一年使わなかったら手放すなど、いつ引っ越しても困らない心持ちで定期的に断捨離することは心がけていますね。

収納に関して、工夫していることはありますか?

大きな壁面収納をフルに活用して、表に出しておくものは最小限に留めています。よく使うバッグやパソコンはその都度戸棚から取り出すのが面倒なので、部屋の雰囲気に馴染むようにかわいいカゴに入れて収納。パソコンは〈ベルメゾン〉で見つけたカゴがジャストフィットしました。サイズ展開も豊富でおすすめです。あとは、割れたら困るようなものは低い位置で扉付きの棚の中にしまって収納するなど、見た目の良さだけでなく、機能面や実用面も重視するようにしています。

キッチンもすっきり整っていますね。

キッチン周りは備え付けの棚が多いので、とにかくしまっています。以前は、見せる収納で調味料などをディスプレイしていたのですが、油はねなど掃除が面倒だなと思い、今はほぼしまっていますね。戸棚の中は〈無印良品〉の収納ケースを使って仕分け。ケースごとに取り出せるので、奥のものも取り出しやすく、棚の掃除もしやすいです。

元アイリストの神山さん。コスメの収納はどのように工夫していますか?

洗面所の鏡の裏に収納しています。実は化粧品少なめで(笑)。棚は奥行きが浅めなので、ペン立てのような筒型の収納容器を使いながら省スペースに。スキンケアは夫婦で共有にしています。

“これぐらいの広さがちょうどいい”と教えてくれた、1LDK・34㎡で叶える等身大の夫婦暮らし。後編では、趣味をとことん楽しむ家づくりについて詳しくお届けします。

Internet Explorerでの閲覧は非対応となっております。

お手数ですが、
Microsoft EdgeGoogle ChromeFirefoxなど
他のブラウザにてご利用ください。