のんびりを満喫する、アクティブ派のお家時間
【Kevin Chenさんのコンパクトライフ 後編】

思い出の詰まった家具と過ごす、
いつものまったりタイム

日々の暮らしの中で特に好きな時間を教えてください。

コーヒーを淹れて、外の景色を眺めながらまったりする時間です。カフェを巡るのが好きで、おいしい豆を見つけたらテイクアウトして、家で挽きたてを淹れて飲むのが最近の楽しみ。マグカップも気分が上がるものをチョイスします。

あとは、リビングのソファで横になりながら、ごろごろテレビを観る時間も好きです。ソファはいろんな家具メーカーが集まって開催する合同セールで見つけたもの。もともと肘置きはついていなかったのですが、〈無印良品〉の椅子で別売りされていたパーツをセルフで取り付けてみました。サイズもジャストフィットで、さらに愛着が沸きましたね。

ダイニングテーブルはちょっと変わったデザインですね。

友人を家に招くことも多いので、人数が増えても座りやすい丸いテーブルを探していて、みつけたのがこの〈ハーマンミラー〉のヴィンテージのダイニングテーブルでした。天板はまんまるではなく、直線も取り入れたデザインで壁付けしやすく、キャスターがついているのもうれしいポイント。この家に引っ越す前に見つけて、取り置きができなかったので、一旦前の家へ届けてもらったのですが、サイズが大きすぎて搬入できず…。その後、今の家でも入らなくて、結局解体して搬入したという苦労の思い出があります(笑)

10年越しのパートナー、
愛猫・チョキとの暮らし

愛猫・チョキちゃんとの思い出を教えてください。

チョキとは大学生の頃から一緒に住み始めて、もう11年の仲。特に思い出に残っているのは、手術のとき。術後、まだ麻酔が残っていて上手に歩けない状態でも、必死で足を引きずりながら僕のもとへ寄り添いにくる姿をみて、チョキにとっても僕はかけがえのない家族なのだと改めて実感。今は11歳のおばあちゃん猫ですが、家にいるときはいつも隣に。僕の大切なパートナーです。

家づくりの際、猫が快適に暮らせるように工夫したことはありますか?

リビングの壁に取り付けた白い棚は、ドアを閉め切っていてもチョキがリビングと寝室を行き来できるように作った階段。通路として作ったのですが、キャットタワーとしても楽しんでくれています。

コンパクトなお家だと確保するのが難しい、猫用のトイレやごはんスペース。どこに設けていますか?

キッチンの小さなパントリー棚の一番下に、猫のトイレと自動給餌器を置いています。パントリー棚は戸をつけなかったので、ロールカーテンで目隠ししているのですが、ちょうど短めなので上部の収納部分は隠しつつ、下部の猫エリアは猫が通れる高さを確保できました。奥まった場所に置いているので、インテリアを邪魔することもありません。また、トイレと食事スペースが隣り合わせにならないよう、置き場所は少し配慮しています。

服好き必見!
ファッションプレスならではの収納事情

コンパクト物件で暮らす上でのスペースづくりの工夫を教えてください。

仕事柄どうしても増えてしまう雑誌類はテレビ台の下に積み上げたり、その隣にある〈BEAMS〉のトランクにはDIY道具を収納したり。我が家は備え付けの収納が少ないので、見せても様になる収納方法や収納道具を考えるようにしています。

あと、コンパクトな洗面所で活躍しているのが、収納も兼ね備える〈DULTON〉のミラーキャビネット。上に設置しているライトは〈IKEA〉のものでちょうどぴったりサイズでした。

ファッションブランドのプレスをしているKevinさん。たくさんある服はどのように収納していますか?

我が家では、寝室の一部を〈IKEA〉のブラインドで仕切って、ウォークインクローゼットとして活用しています。アパレルショップのストックルームのように、収納するものに合わせて棚の高さを変えられる棚柱と棚板だけのシンプルな造りです。

入り切らないTシャツ類は、寝室のベッドサイドに。アパレルショップのディスプレイのように積み重ねて収納しています。見える場所なので、できるだけきれいに畳むように意識。ちなみに棚は上京した頃から使っている〈ニトリ〉のものです。

普段玄関に置いているというハンカチとアクセサリーの収納容器もかわいいですね!

夏場は特に必須なハンカチ。忘れないように玄関に置くようにしています。ハンカチをしまっている青い容器は〈MoMA Design Store〉で見つけた〈omar〉というブランドのボウル。アクセサリーを収納している小物入れはイタリアのデザインブランド〈REXITE〉のもの。このオレンジカラーは、パリの〈ポンピドゥー・センター〉の限定カラーです。

ファッションとインテリアの好みに共通点はありますか?

ファッションでもインテリアでも、統一感を極めるよりは、どこか一個外してみたり。ファッションでいえば、全身ブランドもので固めるのではなく、ワンアイテムだけポイントで古着を取り入れたり、そんなスタイルが好きです。インテリアショップもアパレルショップも行きつけのお店はあまりなくて、そのときどきの出会いを楽しみたいと思っています。

いろんな文化や人と触れ合うことが好きというKevinさんの住まいは、ジャンルレスでのびのびとしていて、飾らずどこか自然体。コンパクトながらどんなものをも受け入れる、懐の深さが居心地の良さにつながっている、そんな素敵な住まいでした。

前編では、部屋探しの基準や家を購入した理由、家づくりのテーマ、インテリアやアートの好みについても詳しくご紹介しています。ぜひ前後編合わせてお楽しみください。

一人暮らしのシティボーイ、
はじめてのマンション購入&リノベーション

部屋探しで重視したことを教えてください。

眺望、採光、立地、価格のバランスで決めました。なかでも一番重視したのは“立地”。仕事は基本的に出社勤務で、休みの日も出かけることが多く、都心へのアクセスの良さは大きな決め手に。立地のいい物件は、後々引っ越したくなったとしても売りやすいというメリットがありますよね。さらに、大きな窓からはダイナミックに広がる都会の高層ビル群が眺望できて、なんて贅沢な場所だろうとここに決めました。

賃貸ではなく、分譲マンションを購入したのにはどんな理由がありますか?

賃貸で月々払ってきた家賃と同じくらいの支払いで分譲マンションを買えるなら、人の家にお金を払うのではなく、自分の家のためにお金を払いたい。そう思い、家を買うことに決めました。故郷の中国では、賃貸だと家主さんの都合で家賃が変動したり、長く住み続けられるかどうかが不安なため、家を買うという選択肢はわりと一般的なのです。

リノベーションでは、どんなことをポイントにしましたか?

寝室は最低限の広さに留めて、その分一番長く過ごすリビングダイニングを広くレイアウトし直しました。全体的に広々感じられるように天井は抜いて、寝室とリビングダイニングを仕切る壁には室内窓を設置。さらに、ブラインドも取りつけることで寝るときは閉めてこもれるように工夫しています。

なかなか味のある天井ですね。

天井をコンクリート打ちっぱなしで仕上げることがなかった時代の古いマンションなので、天井の色が所々違っていたり、工事跡が残っていたり。でも、この無骨さもけっこうお気に入りです。一部出ていた配線は天井に取り付けたシルバーの大きなトレーにまとめて収納。この長いトレーは、ゲームソフトや洗濯ものの干し竿の収納場所としても重宝しています。

自分の“好き”を眺める、
ギャラリーみたいな白い箱

自宅づくりのテーマを教えてください。

ギャラリーのような、どんなものでも馴染む空間づくりを意識しました。好きなものやアートに囲まれながら暮らしたいので、壁や建具、冷蔵庫まで白に統一。ものが多いので、空白のスペースも意識して作ることや、ものを出したらすぐに片付けることも心がけています。

インテリアはどんなものが好きですか?

少し遊び心のあるものが好きです。テイストや配色など、なにかひとつに絞って決めすぎるのではなく、いろんなものが溢れているジャンルレスな空間が落ち着きます。

海外出張が多いこともあって、家の中にはいろんな国籍のものが。なかでもよく行くのがパリ。ダイニングに置いている青い花瓶は〈ポンピドゥー・センター〉で、グレーのライトもパリの百貨店〈BHV Marais〉で購入しました。ヨーロッパはデザイナーズ雑貨が多く、日本で買うよりも手頃な価格で購入できるのがありがたいです。

冷蔵庫のマグネットたちも旅先で見つけたものや、お土産でもらったものなどいろいろ混ざっています。

寝室にも小物エリアが。〈M&M’s〉のオブジェは10年ぐらい連れ添っているお気に入りで、ちょっと変わった配色のこけしや招き猫、たぬきなどは〈BEAMS〉で購入。絵は友達から「好きそうだよね!」と譲り受けたもの。なにかを迎え入れるときは考えすぎず、出会いにただ身を任せてみることも好きです。

感性を刺激する、
アートを身近に楽しむ暮らし

壁にはたくさんのアートが飾られていますね。どんなものが好きですか?

かわいいけどどこか狂気を感じる、そんなポップで一癖ある作品に魅かれます。

アートはどこで出会うことが多いですか?

友人が営んでいる表参道の〈MAT〉というギャラリーにはよく遊びに行きます。例えば、シンプルな線で人物を描いたAICON氏の作品や、バナナとバスケットボールのumao氏のオブジェはMATで出会ったものたちです。

アートと一緒に飾っている鏡も素敵ですね。

この鏡はフリマで偶然出会ったもの。鏡に映し出される景色もひとつの作品のように楽しめたらと思い、アートの隣にあえて配置してみました。

リビングにある間接照明や、ローテーブルもアート作品のひとつのようですね。

間接照明は、ISSEY MIYAKEから発売された、グラフィックデザイナー田中一光氏の作品をモチーフとした「IKKO TANAKA ISSEY MIYAKE」のもの。電気をつけなくてもひとつのアートとして楽しめるのも魅力ですよね。

ローテーブルは自分でDIYしたもの。2,000円ほどで購入したりんご箱に、オンラインのガラス屋さんで指定のサイズにカットしてもらったガラス天板を厚めの両面テープで固定。底にはロボット掃除機がちょうど通れる高さのキャスターも取り付けました。りんご箱はもともと少し歪んでいて、天板との間に隙間があったので、そこに出先で見つけたステッカーやポストカードを挟んだりして楽しんでいます。

中古マンションを自分好みにリノベーションして、日々好きなものとの出会いを楽しむ、Kevinさんのジャンルレスな住まい。後編では、暮らしの中で好きな時間やお気に入りの家具の話、愛猫・チョキちゃんとの関係やファッションプレスのリアルな洋服収納事情についてもご紹介。ぜひお楽しみに!

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