コンパクトな間取りで、自分らしい暮らしを実現するには? 〜守 真史さん編〜(後編)

家族のつながりを意識した、
キッチン横の書斎スペース

リビングダイニングは11畳とコンパクトな物件ですが、それに伴い工夫したことはありますか?

書斎スペースを拡張されたリビング空間=セカンドリビングとして設定しています。リビングと書斎で同じアクセントクロス(壁紙)を採用しているのは、ひと続きの空間として感じさせる工夫のひとつです。

確かにゆるやかなつながりを感じられますね! この書斎&セカンドリビングではどのような暮らしを想像しながらレイアウトを考えましたか?

このモデルルームは3人家族で住むことを想定した物件。キッチンというワークスペースの真横に、書斎のワークスペースをつなげることで、料理や仕事をしているときでも遊んでいる子どもの気配が感じられる、そんな家族のつながりを意識した空間に仕上げました。書棚は暮らしの変化に応じてアレンジ可能な、〈VITSOE〉のシェルフを選んでいます。書棚は自分が好きな本やオブジェを飾る、住み手の個性が特に現れるところ。玄関を入って廊下を通り、居室に入ったときに、まず最初に視界に入る場所に設えました。書棚をしっかりと使いこなすことで、住み手のオリジナリティが住まい全体ににじみ出てくるのではないかと思います。

自分らしいインテリアとは、どうすれば作れるものですか?

家具は道具であり、インテリアは背景です。大切なのはそこで自分がどんな時間を過ごしたいのかということ。そしてその時間を実現するための家具や雑貨類をイメージし、シーンを具体的に組み立てていく。その積み重ねの先に自分だけの豊かな生活のイメージが立ち上がっていくはずです。例えば洋服は、何回も何回も買い物をするなかで自分に似合うものや、好きなものがわかっていきますが、インテリアは買って試して、というトライアンドエラーを重ねることが簡単ではありません。限られた回数のなかで自分の欲しいインテリアを実現するのはとても難しいことだと思います。だからコンパクトな物件であっても、いきなり生活のすべてを満たそうとして家具を中途半端に買い揃えるのではなく、ひとつでいいから自分が心から満足できるものを選び、使うという体験が大切。ライフステージに合わせて将来的に広い家へ移っていくことも見越したとき、その体験をベースにしながら、より広い空間でも自分らしいインテリアを作り上げていくことができるのではないでしょうか。

部屋の“コーナー”にこだわることから、
居心地のいい自分らしい住まいを考える

ベッドルームはどのようなこだわりがありますか?

ベッドルームは眠る場所。リラックスさせて質の高い睡眠へ導くことができるように、あえて上からの照明はつけずに低い位置に灯りを置いています。赤で揃えた照明は、〈Kartell〉と〈FLOS〉のものをチョイス。ベッドルーム全体としては、モノトーンを基本にして色数を絞るかわりに、ゼブラ(ウッド)の壁紙やラグなど、柄の組み合わせで立体感を出しました。仕上げのクッションは、寝室ということで〈FORNASETTI〉の「お静かに」ポーズのもので遊んでいます。ベッドリネンは〈ZARA HOME〉。価格とデザインのバランスが良いので取り入れやすいと思います。

ベッドルームで特にポイントとなっている場所はどこですか?

部屋奥のコーナー部分です。コーナーをしっかりと設えると、部屋全体が活き活きとして見えてきます。また、コンパクトな部屋の場合、部屋の入り口から見た対角線上の一番遠いスペースに、照明やグリーン、アートなどポイントになるものを置くことで、空間を広く感じさせることができます。部屋作りは、空間全体と細部にバランスよく気を配ることがポイント。主要な家具を置いて終わりではなく、細部にも自分なりのこだわりを埋め込むことで、部屋の居心地は格段に良くなるものです。例えばコーナーの壁に飾っている写真は、私が旅先で撮った写真を白黒で印刷して、色鉛筆で少し色をつけたもの。これだけで自分だけのアートを楽しむことができますよ!

社会環境の変化に伴い、これからの住空間はどのように変化すると思いますか?

ここ1年ほどの間に、私たちは住む場所と働く場所が一気に曖昧になることを半強制的に経験しました。これまで無意識的に繰り返していた生活のルーティンが一旦崩されたことで、自分自身の生活について、自分らしい住空間のあり方について、あらためて深く考える機会を与えられたともいえます。そんな環境下で、これからはみんながそれぞれのオリジナリティに富んだインテリアに目を向けるのではないかと思います。それはある意味、インテリアへの向き合い方が成熟するということ。住まいのインテリアは、「~スタイル」や「~テイスト」とパターン化されがちですが、本来は自分が居心地良く過ごせるようにアレンジしていくことがインテリアの醍醐味だと思うのです。インテリア製品の選択肢についていえば、欧米では市場が大きくていろんなものを選べる環境がありますが、日本国内だけで選ぼうとすると、どうしても似通ったものになりがち。インテリアにかけられる予算がまだまだ小さいから、市場も小規模なんです。たくさんの人がオリジナルなものを探し始めれば規模が広がるし、これからもっとおもしろいインテリアが日本でも生まれるようになると思います。

オリジナルで造作した唯一無二のオブジェやアートをはじめ、ディテールまで思いを込めて作られたこのモデルルーム。コンパクトな空間でも自分らしく暮らしを楽しむためのヒントがそこかしこにちりばめられていて、すぐに実践できる実用性の高いアイディアも豊富に盛り込まれています。テイストの統一感を重視して生活感を排除した一般的なモデルルームとは異なり、さまざまなテイストが混ざり合い、すでに人が住んでいるかのような時間の積み重ねも感じることができるはずです。せわしない日々の何気ない時間に、ふと立ち止まって楽しさや心地良さを作り出す、そんな豊かな暮らしを当たり前に楽しむことができる魅力的な物件でした。

※本ページ掲載の物件の詳細は「Brillia目黒青葉台公式サイト(外部リンク)」へ

広さよりも“充実感”で居心地の良さを考えた、
ゲストも快適なリビングダイニング

1から空間作りをする上で、まずはじめに考えたことはなんですか?

まず、住み手がこの家でどのような時間を過ごしたいかを考えました。「青葉台」という土地に住む人の趣味嗜好、生活スタイルを自分なりにリアルに想像しながら、生活の背景としての空間を組み立てていきました。グレンチェックやストライプなどの柄をスパイスに、周辺エリアとの親和性を意識した「TRAD」、住まう人の聡明さや合理性を想起させる「NOBLE」、インテリジェンスを感じさせつつ遊びの要素を加味した「ARTY」、この3つをキーワードにしています。私も同じ目黒区に住んでいるので、この場所での暮らしを想像しやすかったことが、表現に奥行きを与えることにも繋がったと思います。

リビングダイニングでは、どのようなことをポイントにしましたか?

ここに住む家族、また友人を家に招く人も多いエリアであることから、そのゲストも心地よく豊かな時間を過ごすには、どんな家具をどのように配置したらいいかを考えました。そうして導かれたのが、同じ部屋でも分断されることが多いダイニングとリビングを、あえてひとつのソファで繫げるというレイアウト。実際人がきて時間を過ごすときって、ダイニングに座る人もいれば、ソファに座る人もいる。だから、その空気を上手く一体化させる方法を考えました。また、一体的に作ることで、より部屋が広く感じられるのではないかと思います。ちなみに、今回取り入れたソファは、〈カッシーナ・イクスシー〉のもの。シートが固めなので、ダイニングのシーティングとしても機能的に使えます。

ダイニングテーブルはどのようなものを取り入れましたか?

ソファの座面の高さから逆算して、リビングテーブルはオリジナルで作りました。既製品のテーブルは、大体高さが70cm程度のものが多いですが、これは65cmで少し低めに設定しています。また、奥行きは80~90cm程度がベーシックであるのに対して、これは少し広めの1m10cm。奥行きを広く取ることで、面積に対してより広く感じられるはず。また、脚部を内側に入れることで、大勢でもテーブルが囲みやすいように設計し、天板の形状も丸みを持たせて動線に干渉しないよう意識しています。

コンパクトな部屋での家具選びは、どのようなことを意識するのが良いのでしょうか?

中途半端に全部を満たそうとしないことだと思います。例えば、コンパクトな部屋に、小さなダイニングセットと小さなソファセットを無理やり詰め込んでも、結局全部が中途半端なまま、どれを使っていても満足できません。自分が一番欲しい、妥協のない家具をひとつ置いてみてください。一点豪華主義的に、ひとつのものに集中するというのは空間を豊かにするアイディアのひとつだと思います。少なくともその家具を使っているとき、生活の質を上げることができます。広く見せるとか、狭く感じるという視点だけではなくて、いかに部屋を充実させるかというところも、居心地の良さに直結するもの。例えばソファの代わりに、お気に入りのラウンジチェアを置いてもリラックスできるだろうし、家で仕事をする人なら思い切ってワーキングデスクを置いてもいい。自分の暮らしのなかで優先順位をつけて、トップになるものからまずしっかり作り込むことが大切で、その経験が自分だけのインテリアを見つける第一歩になります。ある意味、コンパクトな部屋は、コックピットのようにすべてが手に届く場所にあるので、それはそれで居心地がよかったりします。だから、一概に狭い部屋が悪いとも限らないんですよね。

色や柄、素材のコントラストで、
遊び心のあるインテリジェンスを感じさせる空間

モデルルームを手がける上で、守さんらしさはどのように表現されていますか?

色や柄、素材の組み合わせ方でしょうか。単体での良し悪しではなく、何と何を組み合わせるとおもしろいのかという判断をより大切にします。新鮮で意外性のある組み合わせをいつも探したいですね。

具体的には、どのような色や柄、素材の組み合わせを意識しましたか?

トラディショナルでクラシカルなものと、アート性の高いものを組み合わせたり、工業的なメタルの質感と土っぽいものを組み合わせたり、イメージや質感のコントラストを意識して、遊び心のある空間を作りました。今日の服もそんなイメージ(笑)。ソファ周りが特に空間のキーとなっていて、紫のソファにトラディショナルなグレンチェックのクッションと、ヒョウ柄のクッションを組み合わせたのがポイント。派手な色と柄を組み合わせても意外と破綻しない、こういう組み合わせを考えるのがとても好きです。

たくさんの色や柄を使っていながら、部屋全体に一体感があるのが不思議です! どんなコツがあるのでしょうか?

家全体のなかで、同じ色や柄を拾ってあげることがポイントだと思います。例えば、照明のオレンジは、ソファのオレンジのクッションと、床に置いているキャンドルホルダーの色とリンクしているし、ソファのクッションのグレンチェックは、リビングのコーナーに貼った壁紙でも使っています。建築的な要素と小物など、それぞれ次元の異なるもの同士であえて色や柄を拾ってあげることで、全体にまとまりが出やすいはず。これはすぐに実践できるアイディアではないかと思います。逆にひとつの色を異質に見せたいときは、ほかでその色を使わないという方法もありますね。自分がどんな空間を作りたいかで、色や柄使いも変わってきます。

すっきりとしていながら、上から下までどこを見ても賑やかさがありますね!

家具は床に置くものがほとんど。部屋作りでは、床ばかりの密度が上がって、上がスカスカになりがちなので、目線の高さにくるものでインパクトを出すことも意識しました。ダイニングの照明はパッと目を引く〈TOM DIXON〉のものを入れたり、絵を壁に飾ったり、グリーンなども高さが出るものをしっかり入れてあげる。それだけで、インテリアがグッと充実すると思います。また、リビングのコーナーに飾っているオリジナルのミラーもポイント。ミラーは自分を映すものとして使うことが多いですが、部屋の隅に置くことで部屋がつながって見えて、広く感じられる効果もあります。

波線形状のラグと、
アート性の高いオブジェの関係

部屋作りをする上で、ラグ選びも悩むポイントのひとつかと思うのですが、守さんはどのように選んでいますか?

ひとつの空間のなかで一体感を出しつつ、それぞれのエリアをきちんと定義づけてあげることで、部屋にメリハリや奥行きが生まれます。そういう意味で、ラグというのはとても使い勝手のいいアイテム。たしかにラグの使い方は悩んでいる人が多くて、前職でカッシーナにいたときも、どんなサイズで選べばいいかわからないというお客様が多かったですね。ソファがあるリビングでいえば、ローテーブルの周りだけに小さく置く方法もありますが、ソファを覆うぐらい、もしくは前足がかかるくらいのサイズで置くのがおすすめです。面の大小でその空間が大きく見えたり、小さく見えたりするので、できるだけソファサロン全体を覆うようなサイズ感でラグを敷くと、その空間がきちんと定義されて広く感じられると思います。今回リビングに敷いたラグは、端を直線で切るのではなくて、あえて波線形状にカットすることでリビングとダイニングの境界にグラデーションをつけています。これは、デザインとしてアート感を取り入れたいという意図もあります。また、ラグをはじめいろいろな要素に曲線を用いて一体感を持たせています。

たしかに丸みのある、アート性の高い家具やオブジェがたくさんありますね!

この界隈はギャラリーが点在しているエリアということもあり、生活のなかにアートを取り込む空気がある街だと思います。なので、今回のモデルルームでも、アートはひとつのテーマに挙げました。私は手を動かすのが好きなので、小物は自分で造作したものもあります。サボテンの鉢バッグや、棚上に置いている照明のシェードやミラー、本の上にディスプレイしたオブジェもオリジナルです。

※本ページ掲載の物件の詳細は「Brillia目黒青葉台公式サイト(外部リンク)」へ

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