気分の上がる、大人ポップな家づくり【MOJIKAさんのコンパクトライフ 後編】

ポップな色と、
落ち着きのあるビンテージ家具をミックス

どんなインテリアが好きですか?

北欧デンマークのインテリアブランド〈HAY〉と出会ったことをきっかけにインテリアに興味を持つようになったくらい、デンマークのお家のカラフルでハイセンスな色使いが好きです。日照時間が短く、冬は極寒となるデンマークでは家で過ごす時間が長いため、部屋の中に明るい色を取り入れて気分を上げる文化があるそう。〈HAY〉の表参道店には何度も足を運んでいて、コンクリート打ちの壁の店内に映える、鮮やかな色の家具や小物、ファブリックがセンスよく組み合わされたディスプレイを見るたび、胸がときめきます。

一方で、ビンテージ家具も好きです。新しいものにはない、大事に使われてきた素材感が素敵だし、現代にはない形や色合いのものが多く魅力を感じます。リビングに敷いているラグと、壁にかけているドリームキャッチャーのような大きな飾り物はヴィンテージショップ〈memo shibuya〉で購入したもの。作られた背景などは詳しくはわからないものの、「これだ!」と思えるものに出会えたときのワクワク感がたまりません。

部屋の中はたくさんの色で溢れているのに、上手く空間がまとまっているのが素敵です。色使いでは、どんなことを意識していますか?

カラフルなものは視界に入ると明るい気分になれるので好きですが、派手すぎても落ち着かないので、色みが強いものはアクセントで使いながら、バランスに気をつけてまとまり感を意識。大きい家具は壁の色と合わせることで、色のある小物やファブリックに自然と目がいくように考えています。以前雑誌で得た知識なのですが、“同じ空間に同じ色のものを3つ以上置くとまとまる”と書かれているのをみて、強い色味のものを置くときは特に意識して馴染ませるようにしています。

家具は一生もの。
だから悩んで悩んで迎え入れる

特に思い入れのある家具を教えてください。

〈リーン・ロゼ〉のソファです。せっかくだから結婚資金は良い家具に使いたいねと夫婦で話し合い、前々から欲しかった『ロゼトーゴ』のソファを購入することに。2シーターにコーナータイプもくっつけて使っています。生地はなかなか決まらなくて1か月以上悩みました(笑)。店舗に何度も足を運んで、サンプルも複数取り寄せた中から、植物と相性が良くて、一番部屋の雰囲気に馴染みそうだと感じた今の深緑の生地に決定。将来的には部屋の雰囲気に合わせて生地を張り替えたり、1シータータイプやオットマンを買い足したりして、長く使っていきたいと思っています。

家具を選ぶとき、どんなこだわりがありますか?

デッドスペースが生まれないように、特にサイズはしっかり測ってから購入します。色やデザインについても、部屋の写真と見比べながら何度も考えます。簡単に手に入るものは簡単に飽きて手放してしまうということに気が付いてからは、金額に関係なく、長く使い続けたいかどうかをよく考えるようになりました。好きな家具のある場所は自然と特別な場所になりますよね。デザイナーズ家具は高価ですが、手入れをすれば何年も状態よく使えて飽きがこないので、少しずつ増やしていきたいです。

よく買い物をするインテリアショップを教えてください。

一番行くのはやっぱり〈HAY〉です。モノトーン系のものやシンプルでデザイン性の高いものを探しているときは、楽天にもショップがある〈ART OF BLACK〉をチェックしたり、SNSから情報を得たりすることも。ヴィンテージショップだと〈bob’s box〉や〈CEROTE ANTIQUES〉など、千駄ヶ谷周辺のショップへ訪ねることも多いですね。

夜のリラックスタイムは、
グリーンと南国リゾート気分

日々の暮らしの中で好きな時間はいつ、どんなときですか?

仕事から帰ってきた後の夜の時間です。朝はバタバタしてしまう分、夜は好きなお香を焚いて、ラジオや音楽を聴きながらぼーっとしたり、間接照明やキャンドルを灯してソファーでゆったりくつろいだりする時間が大好き。その日1日の疲れがほぐれていくのを感じられます。

最近〈SLEEPY TOFU〉のマットレスに新調したのですが、硬すぎず柔らかすぎず最高の寝心地で睡眠の質も上がり、ますます夜の時間が好きになりました。ベッド周りには〈THE POSTER CLUB〉で購入した海のポスターと、ベッド周りを取り囲むようにグリーンを置いて、南国リゾート気分を味わえる空間に。ぼんやり明かりが灯る〈HAY〉のペンダントライトも心を落ち着かせてくれます。

MOJIKAさん宅にはたくさんグリーンがあって癒されますね。

どんどん増えたグリーンは現在30鉢前後ほどあります。できるだけ日が当たるところで、かつ自分がリラックスしたい場所に置いています。特に大きくてインパクトがあるのは、寝室にあるオーガスタ。バナナの葉のような南国っぽい雰囲気が大好きです。

グリーンを元気に育てるために心がけていることを教えてください。

とにかく我が家は日当たりが良いので、特別なことをしなくても元気にぐんぐん育ってくれます。水やりのタイミングは、水が切れると色が変わる特殊な土で管理。最近は私の影響で夫もいくつかグリーンを育てるようになり、いつの間にか朝のグリーンの健康チェックが日課に(笑)。二人の共通の趣味ができてうれしいです。

好きなグリーンショップはありますか?

練馬にある〈オザキフラワーパーク〉は植物の種類が豊富で歩き回るだけで楽しいです。鉢は銀座にある〈upstairs outdoor living〉のものがとってもかわいくお気に入り。店内のスタイリングもとても参考になるのでよく行きます。

色のパワーでどこを見てもときめきに溢れた、MOJIKAさん宅。コンパクトな住まいでも、視覚で受け取る感覚次第で、快適具合はグッと上がるもの。むしろ動線を短くできたり、好きなものをすぐそばに感じられたり、コンパクトだからこそ得られる暮らしの良さもある。そう気づかせてくれた、素敵な住まいでした。

前編では、この家を選んだ経緯や動線バッチリの間取りプラン、おしゃれで使いやすい収納アイディアについてなどご紹介しています。ぜひ前後編合わせてお楽しみください!

暮らしが健やかに整った、
日当たりの良い部屋

この物件を選んだ理由を教えてください。

開放感のある吹き抜けと南向きの日当たりの良さ、希望していたルーフバルコニー付き、コンクリート打ちっぱなしの壁とモノトーンの内装デザインに強く惹かれました。実は、当初夫と決めていた家賃の予算を若干オーバーしていたため、夫にプレゼン(のような説得)を行ったという裏話も(笑)。また、内見しながら、実際に住んだらダイニングはここで、リビングはここがいいかなと、リアルな生活がイメージしやすかったのも決め手になりました。

今の家に引っ越してよかったなと思うことは何ですか?

以前ひとり暮らしをしていた物件はあまり日が差し込まず、天気の悪い日は日中でも電気をつけていたのですが、日当たりの良い今の家に越してきて、朝気持ちよく目が覚めるようになったり、育てている植物たちも元気に成長したりしていることがうれしく、日当たりの大切さを実感しています。

動線次第でアップする
暮らしの満足度

暮らしのマイルールを教えてください。

動線を意識すると格段に生活がしやすくなるので、我が家では1階を『動く−ONの場所』、2階を『休む−OFFの場所』と決めてインテリアを配置しました。身支度を整えたり、料理をしたり、洗濯物を片付けたりと、動きの要素が多い1階には高さのある家具を配置。立ったまま作業ができる高めのシェルフを置くなど工夫しています。一方、2階はリラックスして過ごす場所にしたかったので、ローソファやローベッドなど高さの低い家具を選び、大きめの植物を取り入れて開放的な空間を意識しました。

2階は寝室を通ってリビングに行く動線が新鮮ですね!

もともとはリビングを通ってベッドルームの配置でしたが、ちょうど引っ越してから1年ほど経ったタイミングで気分を変えようと模様替えしてみました。リビングのテレビ裏は配線が気になったので、〈DRAW A LINE〉の突っ張り棒を設置し、シースルーの布を吊るして目隠ししています。

前までベッドルームは寝るときしか使っていなかったのですが、今の動線だとベッドをソファのようにして気軽に横たわったり、ちょっと腰掛けて本を読んだり、リビングの延長のように使えて気に入っています。

自宅の中で特に気に入っている場所を教えてください。

ダイニングです。6畳程度の広さしかないのですが、吹き抜けのおかげで圧迫感なく過ごせて、南向きに面している壁一面の窓から日がたっぷりと入ってくるので、窓を開けて風を感じながら日向ぼっこすることも。ダイニングは夫婦で一番会話をする場所なので、木目調の家具や小物を置いて温かみのある雰囲気となるように意識しました。デザインに一目惚れした「トリニダードチェア」もヴィンテージショップで見つけたもので、直線と曲線が組み合わさったデザインと座り心地の良さがお気に入りです。

私も夫も出社ベースの仕事なので、平日は特に忙しなくなりがち。だからこそ、向かい合って食事や晩酌をしながらその日にあった出来事や、たわいもない話をするリフレッシュ時間を大切にしています。

また、ダイニングの一角、デッドスペースになりやすい階段下にはドレッサーも配置。大きな鏡を置くことで、部屋を広々感じられるように工夫しています。

収納の少ないデザイナーズ物件の、
おしゃれ収納アイディア

ふたり暮らしで50㎡のコンパクトライフ。収納はどんなことを心がけていますか?

デザイナーズ物件あるあるで収納スペースが極端に少ない我が家ですが、見せる収納と隠す収納に分けて工夫しています。食器、本、洋服、夫の趣味のフィギュア、花瓶、香水などは、店舗にディスプレイするような感覚で、オープンシェルフやガラスケースを使って見せる収納に。見えると生活感を感じてしまうようなものは、〈HAY〉のコンテナボックスや〈無印良品〉のバスケットなどに保管したり、扉付きの家具に収納したり、〈IKEA〉のワゴンを活用するなど、隠しつつもおしゃれで機能的に収納できるように工夫しています。あとスペースが少ない分、過剰に物を持ちすぎないように気を付けるようになりました。

洋服の収納について、詳しく教えてください。

6畳の洋室を思い切ってウォークインクローゼットとして使用しています。衣類は〈IKEA〉のカラックス(写真:白い棚)と〈楽天〉で購入した突っ張りタイプのハンガーラックを使って、色やカテゴリーごとに分けて収納しています。カラックスは別売りの引き出しや扉をカスタムすることができて、見せたくないインナー類などはうまく隠しつつ使い勝手よく収納できて助かっています。この部屋で衣類除湿器を回して洗濯物を干し、乾いたらそのまま同じ部屋で畳んで収納するところまで完結できるところも気に入っています。

キッチンの収納についても詳しく教えてください。

キッチンの収納も最小限しかないので、食器などはダイニングエリアに置いています。〈無印良品〉のステンレスユニットシェルフはデザイン性と機能性が高く、棚の高さを自由に変えられたり、別パーツのラックを取り付けられたりするなど、オーダーメイドのような使い勝手の良さがあります。

一見難易度が高そうな奥行きのある縦長の住まいでも、生活動線をうまく考えながら1階と2階でメリハリのある暮らしを楽しんでいたMOJIKAさん。後編の記事では、インテリアの好みやお気に入りの家具の話、いつものお家時間についてなど、詳しくご紹介します。ぜひお楽しみに!

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