ファッショナブルな5.5畳の寝室
寝具はどんなものを愛用していますか?
シーツや掛け布団カバー、毛布など我が家の寝具はすべてデンマークのテキスタイルブランド〈TEKLA〉のものです。100%オーガニックコットンでやわらかな肌触り。細部のデザインもかっこいいです。
寝る前にはホームリネンブランド〈ÉCHAPPER〉のリネンスプレーをシュッと振りかけます。シーダーウッドやサイプレス、サンダルウッドを合わせた爽やかな香りで、一瞬で眠りにつけますよ。
洋服のディスプレイも素敵です。
ものはできるだけ減らして暮らそうと心がけている我が家ですが、洋服だけは夫婦揃って大好きで、たくさんクローゼットに詰め込んでいます。トルソーやラックにディスプレイしている服はそのときどきのシーズンで特によく着るお気に入りのものです。
メガネもファッションに合わせて集めていて、さまざまなブランドのものを愛用しています。最近購入したお気に入りは、〈ayame〉や 〈YUICHI TOYAMA〉のもの。休みの日の朝はランニングをするのが日課なのですが、ランニング用のメガネもいくつか持っています。
寝室のシンプルな照明はどちらのものですか?
神宮前にあるセレクトショップ〈MAIDENS SHOP〉で購入したフランスの〈ラファブライト〉の電球部分。もともとリビングで使うために購入しましたが、専用のプラグがないとつけられなくて、今は一時的に大きなシェードを外して寝室の照明として使っています。タコ糸で編まれたシェード部分は床に置いてオブジェのようにして楽しんでいます。
生活感の出やすいキッチンも、
ホテルライクに整える
普段、家で食事をすることは多いですか?
夜は早く帰って、家で夕飯を食べることがほとんどです。パートナーが料理をしてくれて、僕が食器洗い担当です。
ダイニングテーブルセットについて教えてください。
大理石のダイニングテーブルは、ミッドセンチュリー家具の代表作ともいえる、ニューヨークのファニチャーブランド〈Knoll〉のサーリネンコレクションのラウンドテーブル。椅子は、マルト・スタムがデザインしたカンティレバーアームチェアと、ハンス・J・ウェグナーのYチェア、〈Vitra〉のベルヴィルチェアを合わせています。Vitraの椅子は千駄木にあるインテリアショップ〈FUNagain〉で購入。いい家具が驚くほどリーズナブルな価格で手に入るお店です。
生活感を感じさせないキッチン。どんなことを心がけていますか?
できるだけ生活感の出る食材や調味料は戸付きの棚にしまって、家電もリビングダイニングと馴染むように、モノトーンカラーでシンプルなデザインの家電を選ぶようにしています。〈バルミューダ〉のケトルは沸くまでの時間が短く、注ぎ口が細いので、コーヒーをドリップするときにも重宝しています。
また、〈HUROM〉のジューサーも買ってよかった家電のひとつ。我が家では朝フレッシュジュースを飲むのが日課なのですが、皮つきのまま大きめにカットしたフルーツでもそのままかけられて、繊維量の少ないサラッとしたジュースが仕上がります。
ダストボックスも素敵ですね。
ブラックの方は〈Vitra〉、シルバーの方は新宿のコンランショップで購入した、〈シンプルヒューマン〉のものです。小さいゴミ箱だとこまめにマンションのゴミ捨て場に出しに行くようになるので、家をいつも快適に保てます。
日々の健康をつくる、
毎日の朝時間
今の家に引っ越してから、ライフスタイルに変化はありましたか?
窓が広くて光が気持ちいいので、朝早起きになりました。大体、朝は5時に起きて9時に家を出て仕事をして、夜は20時前には帰ってきて、22時ぐらいには寝ます。以前は仕事から帰ってきて夕飯を食べたら、SNSを見てダラダラして、気づいたら0時を過ぎているような夜型生活を送っていましたが、朝型になってからは、風邪も滅多に引かなくなったし、ストレスも全然たまりません。
朝のルーティンを教えてください。
朝起きたら、まずコーヒーを淹れて、Instagramの更新などデスクワークを開始。6時ぐらいになると部屋の中に朝日が入ってくるので、好きな音楽かけながら、外をぼーっと眺めたり、床に寝てストレッチや筋トレをします。階段下あたりに寝転ぶと、開放感ある吹き抜け空間が目の前に広がって、とても気持ちがいいんです。
そうこうしているうちにパートナーが起きてくるので、一緒に朝ごはんを食べて、支度をして出かけるという流れですね。朝は何をするにしても捗りますね。
コーヒーはどんなものを飲みますか?
旅先のコーヒー屋さんで見つけた、ドリップバッグを飲むのが日課です。写真は、この前行った屋久島の〈ISSOU COFFEE ROASTERY〉のコーヒー豆。お気に入りのマグカップは、スウェーデンのヨーテボリを拠点に活動する〈a.i.gut〉のものです。
休みの日はどのように過ごしていますか?
家にいるよりも外に出かけていることが多いです。毎月どこかしら旅行していて、1泊2日の短い休みでも沖縄や韓国へ行ったりします。深夜便に乗って早朝に着いて、1日中遊んで、次の日の夜便で帰る。旅行は休みと言いつつ、非常にハードです(笑)。日頃から走ったり、トレーニングをしているのは、休みの日に遊べる体力をつけるためでもあります。
白が基調の部屋を舞台に、ものを持たないシンプルな暮らしにチャレンジしたり、朝日に誘われて朝型生活を始めてみたり、心身ともに健康的な暮らし方が印象的だった、タカキリョウさんのコンパクトライフ。今住んでいる家にはどんな特徴があるのか。そう振り返ってみることで、新たな暮らし方が見えてくるかもしれません。
前編では、この家に引っ越してきた経緯や家づくりのテーマ、コンパクトライフのメリットや、タカキさんの好きなインテリアについてご紹介しています。ぜひ前後編あわせてお楽しみください!
スタイリッシュな白黒インテリアに、
“ちょい足しウッド”がちょうどいい
今の物件に住み始めた経緯を教えてください。
ここは、デザイナーズマンションを扱う管理会社〈タカギプランニング〉のInstagramで見つけた物件。次はコンクリートの部屋に住んでみたいと仕事場近くで探していたら、1年前、新築だったここがヒットしました。
ホテルのような上質感のある空間ですよね。
前住んでいた家は、アメリカンミッドセンチュリーの木がベースの空間でした。ですが、仕事場も同じテイストで、仕事とプライベートをうまく切り替えるためにも、今の家では白と黒を基調としたシンプルな住まいづくりに挑戦。昔持っていた家具はほぼすべて売り払って、また一からインテリアを揃え直しました。
住んでから1年半ほど経った今、もともと好きだった木の素材感も少し取り入れながら空間をさらに再編集しています。最近購入した木製のアームチェアは、代官山の〈ザ・コンランショップ〉で見つけた、福井県の家具ブランド〈NIWATORI Works〉のもの。鉄を合材で挟みこんだスタイリッシュでナチュラルなフレームは、置く場所を選ばずうまく空間に溶け込みました。
床はもともと木のフローリングでしたが、白い大理石調のタイルを貼ってよりすっきりとした空間に。白い床にするとゴミがとても目立つので、毎日掃除機をかけるのが日課になりましたね。タイルを敷くのはけっこう大変で丸3日間ぐらいはかかりました。
ものを持たないコンパクトライフで、
ストレスフリーな日常を手に入れる
タカキさん宅は2人暮らしとは思えないほど、ものが少ないですよね!
この家に住み始めたとき、「物を増やさない」というルールを作ったんです。この家に住む前は、細々とした雑貨など、出会ったらとりあえず迎え入れることが多かったのですが、今は目当てのものを買いに行くなど買い物の仕方もより慎重になったと思います。
“ものを増やさない暮らし”をしようと思ったのは、どんな思いからでしたか?
前の家ではとにかくものが多くて、“探すこと”にとても時間を費やしていました。管理するものが少ないと、探す手間も省ける。そう思って、ものを持たない暮らしを始めたんです。今の我が家は、明日突然引っ越すことになっても対応できるぐらい、“身軽さ”を心がけています。
タカキさんが考える、コンパクトライフのメリットは何ですか?
掃除が短時間で済むことと、必然的にものを増やさなくなることでしょうか。断捨離の本を読むと、『持ち物は少ない方がストレスも減る』とよく書いてありますが、まさにその通りだなと実感しています。我が家では、物を増やさないことに加え、使う色のまとまりも意識。視界から入ってくる情報が少ないと、思考もシンプルになるように感じています。
長く使えるデザイナーズ家具と、
思い出の詰まったインテリア
家具を選ぶ際の基準を教えてください。
良いものを長く使うというのが、根本的な考えです。すぐ壊れてしまう家具は愛着が湧かないので買いません。一方で、好みが変わることも見据えて、我が家には手放しても次の使い手が見つかりやすいデザイナーズ家具が多いです。
家具はどのような手段で手放しますか?
売るときは〈ジモティ〉を使うことが多いです。ジモティは現金払いで家まで取りに来てくれるので、梱包したり、発送する手間もなく、非常に便利。貰い手も比較的すぐ見つかるので、引っ越し前で時間がないときでも重宝しています。あと、南青山のインテリアショップ〈NICK WHITE〉では、同店で購入した家具を持っていけば、委託販売もしてくれるんです。リビングのマリオ・ボッタがデザインしたクインタチェアはそこで購入。今のところは飽きずにまだまだ使い続けたいと思っています。
特に思い入れのある家具を教えてください。
アフリカのセヌフォ族が暮らしのなかで使っていたヴィンテージのスツールです。アメリカ旅行に行った際、フリマでこのスツールを見つけたのですが、どうしても持ち帰ることができなくて…。アメリカに住んでいる友人が日本に来たとき、結婚のお祝いにとわざわざアメリカから持ってきてくれました。
さらに、オブジェのように飾っているワカモレを作る石臼も同じ友人からのプレゼント。これもアメリカ旅行の際にロサンゼルスの雑貨屋さんで見つけたものの、帰りの空港で機内持ち込みできず、泣く泣く処分したもの。隣にディスプレイしているブックスタンドも同じお店で購入しました。
よく行くインテリアショップはありますか?
〈ザ・コンランショップ〉はよく行きます。あと、小さな雑貨は古着屋さんや旅行先で買ったものも多くあります。窓辺に置いている人形はよく行く代々木上原の古着屋〈Swallow Equipments Vintage〉のオーナーに「タカキくんに似てる!」と言われて思わず購入したお気に入り。もともとアフリカの通行証として使われていたものらしいです。
まるでギャラリーのようなフラットな空間にお気に入りの家具を厳選して、シンプルに暮らしを楽しむタカキリョウさん。後編では、寝室やキッチン、ダイニングの空間づくりのポイントや、1日の中で一番好きだという朝の過ごし方についてもご紹介します。ぜひお楽しみに!