趣味が暮らしのど真ん中!
アナログカルチャーに囲まれた住まい
【Sakuraさんのコンパクトライフ 後編】

レコード、カセット、CD。
いろんな音を楽しむ暮らし

自宅の中で、特に気に入っている場所があれば教えてください。

リビングの一角に設けた、オーディオコーナーです。レコード、カセット、CD、それぞれDJミキサーにつなげて、異なる音源でも曲を繋げて楽しめるようにしています。アンプとラジオチューナーは<LUXMAN>製、レコードプレーヤーは父から譲り受けた古い<Victor>製。カセットデッキはデンマークのオーディオブランド<Bang & Olufsen>のもので、<ハードオフ>でゲットしました。ジャンク品として18,000円で販売されていて、恐る恐る動作確認してみると、再生も録音も問題なし!まさかのお宝品でした。その他にも、ビデオデッキ、CDラジカセなど、我が家にはいろんなアナログ機器があります。

レコード屋さんのような一角があるのも面白いですね。

レコードは引っ越しのタイミングで手放したのもあって、今はざっと200枚ほどのコレクションがあります。レコードを収納している棚は、<amazon>で見つけたものです。探しやすくて、お店でレコードを探すときのあの手つきを家でも味わえる、ちょっとしたエンタメ感もあります(笑)。

どんな音楽が好きですか?

音楽やレコードが好きになったきっかけは、60年代アメリカのロックバンド<The Velvet Underground>。音楽もインテリア同様、50〜70年代が好きで、ロックやソウル、ヒップホップなど幅広く聴きます。

日々刺激をもらえる、
50〜70年代、サブカルチャーの魅力とは?

暮らしの中で特に好きな時間はいつ、どんなときですか?

1日の中で一番好きな時間は、夜ごはんを食べた後の20時〜24時のリラックスタイム。お風呂にパソコンとコーラを持ち込んで2時間ぐらい湯船に浸かったり、最近新調した大きなテレビで映画を観たり、デスクでゆっくり本を読んだり。本はアートブックが多く、なかでもアンディ・ウォーホルの図録が大好き。何度読んでも彼のパンクな精神に刺激を受けます。

インテリアや音楽、映画においても、50〜70年代のものが好きというSakuraさん。この時代に生まれたいわゆるサブカルチャーには、どんな魅力があるのでしょうか?

戦後らしい、開放感のある時代を体現するように、この時代のカルチャーはとっても自由で、アイデアに溢れていて、エネルギッシュ。今見てもたくさんの気づきをもらえます。戦後、決して明るいだけではなかった時代背景の中、現代のカルチャーの原点ともいえるポップなムーブメントを作ってくれたアーティストたちには、やっぱり好奇心がつきません。

好きなものを手放さないために。
収納家具と省スペースアイデア

コンパクトな住まいでもたくさんのコレクションたちと暮らすために、収納はどのように工夫していますか?

今住んでいる家はとにかく備え付けの収納が少ないので、ベッド下やソファ下など、あらゆるデッドスペースを活用しています。それでもまだ足りなかったので、収納用の家具をいくつか買い足しました。部屋の中が収納家具ばかりになると倉庫みたいで部屋にいる楽しみが半減してしまうので、できるだけ主張せず狭いスペースでも場所を取らない、スリムな収納家具を選ぶことが多いです。

文庫本をしまっているのは、楽天でみつけた回転式本棚。無駄のないシンプルなデザインで、これでもかというほど収納力があります。

洗面所で化粧品などをしまっている白いスリムな棚は、リサイクルショップ<2nd STREET>で見つけたもの。まるで備え付けだったかのように、スポッと隙間にジャストフィット!見つけたときは痺れました(笑)

あと、入りきらない本はあえてかわいく積んでインテリアの一部として生かしたりもしています。

ソファ前には、ローテーブルを置かず、小さなラックを合わせているのも省スペースですね。

このマガジンラックも50年代アメリカのもので、<TOKYO RECYCLE imption>で購入しました。ワイヤー曲線とアメリカらしいアッシュトレイのグラテーションに一目惚れ。もともとレコードプレーヤーの横に置いて、そのときかけているレコードのジャケット置き場に購入しましたが、ソファでくつろぐとき、サイドテーブル代わりに使ったりもしています。奥行き30cmなので場所を取らず、また取っ手付きで簡単に移動できるのも非常に便利です。

買い物はリサイクルショップへお宝を探しに行ったり、音楽を聴くときはレコードやカセット、CDを使い分けてみたり。スマホのタップひとつで完結する行為に、あえて時間をかけてみる。そうすることで、日々はより鮮明に記憶に残っていくものです。多忙な日々のなかで忘れがちな“ゆっくり生きるヒント”に出会える、そんな温かな住まいでした!

前編では、この家に引っ越した経緯やインテリアの好み、意外な買い物の仕方やワークスペースについてなどをご紹介しています。ぜひ、前後編合わせてお楽しみください。

白で統一された、
自由度の高い住まいへお引っ越し

今の物件に引っ越した経緯を教えてください。

この家に住む前は築60年ほどの団地で暮らしていました。古い建物だったので冬の寒さが厳しく、去年の秋に引っ越そうと決意。今から3ヶ月ほど前に、この物件へ引っ越してきました。今の家は、南向きで日当たりもよく冬でもちゃんと暖かいです。また、内装が気に入っているので、インテリアを考えるのも楽しくなりました。

内装はどんな点が気に入りましたか?

特にいいなと思ったのは、私の部屋とリビングを仕切る、半透明の引き戸。仕事中は閉めていても圧迫感がないし、普段は開け放つことで広々感じられて快適です。あとは、窓枠や巾木などが、白で統一されていたり、建具がシンプルなデザインだったり、自分たちが持っている家具とも相性がよく好印象でした。

ヴィンテージ家具は、
出会いから楽しむ

インテリアはどのようなものが好きですか?

ミッドセンチュリーモダンやスペースエイジのインテリアが好きで、我が家の家具は50年代アメリカのものが大半を占めています。インテリアの趣向は両親の影響が大きく、幼い頃からこの時代の家具を愛用していました。

例えば、普段ライトとスピーカーを置いているサイドテーブルは、1953年〜1954に作られた、アメリカの家具メーカー〈HEYWOOD-WAKWFIELD〉のもの。『ステップエンドテーブル』と呼ばれる上下段からなる独特なデザインで、足の曲線美もたまりません。この時代の家具はクリエイティビティに溢れていて、使う楽しみがあります。

一方で、夫は装飾性のない無機質で比較的新しいインテリアも好み。お互いが居心地よく過ごせるよう、部屋全体は古くなりすぎず、新しいものにもかたよりすぎないよう心がけています。

特に思い入れのある家具をひとつ教えてください。

5年前、一人暮らしをしていた頃、たまたま入った早稲田の中古家具屋さんで一目惚れした、ガラス戸のサイドボードです。どうしても早く持ち帰りたくて、見つけた当日、自分で赤帽を手配して家まで輸送したのはいい思い出(笑)。ガラス戸をショーウインドーに見立てて、好きな写真集や画集を飾るのが好きで、気分で入れ替えています。棚上には、まだ現役で使えるレトロな電話や、よく使うアクセサリーを古い灰皿に入れて飾ったりしています。

家具はどこで購入することが多いですか?

以前は目黒の家具通りへ行くことが多かったのですが、ある日、いつもオーディオ機器を探しに行くリサイクルショップで家具エリアを覗いてみたところ、けっこうなお宝たちが眠っていて。それから、リサイクルショップを日々パトロールするようになりました(笑)。自分の審美眼を信じてじっくり探す時間や、意外なものに出会えたときの喜び、そんなアナログな買い物が楽しいのです。ちなみに、都内最大級のハードオフ八王子大和田店が私の行きつけです。

コンパクトハウスでのデスクワークにぴったり!
一人二役のヴィンテージ家具

お仕事は完全にリモートワークというSakuraさん。どんなデスクを愛用していますか?

デスクと戸棚を掛け合わせた『ビューロー』と呼ばれる家具を愛用しています。真ん中の天板を引き出せば、デスクになる仕様。収納力もばっちりなので、スペースに余裕のないお家でも取り入れやすいと思います。私が使っているのは、60年代スウェーデンの〈Brantorps Mobelfabrik〉のもの。両親から結婚祝いにもらった思い出の家具です。持っているモニターを置いてみたら、たまたまぴったりでした!

ちなみに、ワークチェアは自分で座面や脚、ファブリックを組み合わせてカスタムできる〈イトーキ〉の「vertebra03」。デザイナー・柴田文江さんが手がけた素敵なデザインに一目惚れし、1ヶ月前に導入しました。

デスクの上に置いている機械は何ですか?

今でも現役のカセットデッキです。父が中学時代から使っていたお下がり。カセットはオリジナルで作るのも好きで、カセットデッキにレコードやパソコンをつなぎ、好きな曲をミックスして録音しています。カセットは、デジタル音源にはない、味のある音が魅力ですよね。

ものを見る眼を養いながら、ヴィンテージとの一期一会を楽しむ、Sakuraさんのアナログで豊かな暮らし。後半では、音楽や映画など趣味の話や、60年代ごろのサブカルチャーの魅力、ものが多い彼女の収納事情についてもご紹介。ぜひお楽しみに!

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