INTERVIEW

『動』と『静』を住み分けながら、好奇心を育む暮らし 【岩佐知布由さんのコンパクトライフ 前編】

インテリアスタイリスト・岩佐知布由さんのご自宅は、築41年になる賃貸マンションの一室。部屋の中はきれいにリノベーションされていて、まるで新築のようにクリーンな印象です。広さは37m2とコンパクトながら、インテリアを愛する彼女らしく、ひとつひとつのものを大切に眺めることのできる、ゆとりのある空間に整えられています。前編では、家探しで重視したことや家づくりのテーマ、好きなインテリアについて、詳しくご紹介します。

明るく風通しのいい、台形の住まい

今の物件に決めた理由を教えてください。

部屋探しでまず重視したことは、“光”と“風通し”です。光の入りづらい北向きの寝室にも明かり取り用の窓がついているおかげでリビングから少し光も入り、風も通ります。また、床も木の風合いを生かした木材を使っていて、とても気に入りました。内見したとき、『ここで仕事をするだろうな』、『ここにベッドを置きたいな』など、生活がリアルに思い描けたのも決め手になりましたね。

実際に住んでみて、今の家に引っ越して良かったなと思うことは何でしょうか?

我が家は珍しい台形の間取り。真四角な家ではない分、工夫のしがいがあって面白いです。例えば、デットスペースが生まれた部屋の隅にはDIYで部屋と同じ台形の棚を作りました。ここには、今読んでいる本やこれから読む本を置いています。また、リビングダイニングは1日中日がたっぷり入るので、植物がぐんぐん育つのも嬉しいです。

『動』と『静』で暮らしにメリハリを

自宅作りのテーマを教えてください。

我が家はリビングダイニングと寝室で、光のコントラストがはっきりとしています。そのため、『動』と『静』をおのずと意識するようになり、仕事とプライベート、ONとOFFの切り替えが自然と家づくりのテーマになりました。

たっぷり自然光の入るリビングダイニングは、モダンな家具を取り入れながら動的に過ごせる空間に。一方で、落ち着いた明るさの寝室は天井を高く感じながらのんびりできる静の空間。日本の古家具や〈無印良品〉の低めのベッドを選びました。床には素足で歩いても気持ちのいい大きめのジュートラグを敷いて、照明はイサム・ノグチのAKARIシリーズをチョイス。和紙から漏れる柔らかな光が、さらに安らぎを与えてくれます。

本を積み重ねているのは『裁ち台』といって、もともと布を裁断するときに使われていた日本の古いもの。芦花公園駅近くのビンテージショップ〈FURUICHI〉で購入しました。

好奇心をくすぐられるインテリア

家具はどのようなものが好きですか?

国やデザイナーによって様々な特徴と良さがあるモダンデザインの家具は、純粋に使ってみたいものが多いです。例えば、ダイニングの黒い椅子は、イギリスのFaye Toogoodというデザイナーが作ったもので、牛の搾乳時に使うスツールと、農作業用の鍬(くわ)の取っ手を組み合わせたデザイン。牧歌的でありながら、どこか洗練された都会的要素も感じられる、そんな魅力がたまりません。

また、ヴィンテージのダイニングテーブルもお気に入りです。この台形の部屋でも使いやすい、円形のテーブルを探していたときに、飯能にある〈REFACTORY antiques〉で見つけたもの。インパクトのあるデザインなので、これを軸に家全体のインテリアを組み立てていきました。REFACTORYさんが天板も丁寧に仕立ててくださったので、大切に使い続けていきたいです。

岩佐さん宅には『これどこの?』と聞きたくなる、珍しいものが多いですね。

見たことのないものに強烈に魅かれる習性があるのです(笑)。ボビーワゴンの上にある石のオブジェは、カリフォルニア州バークレーを拠点に活動する、〈Shizu Designs〉さんの手作り。モチーフの飾り結びは、どこか日本のスピリットも感じますよね。和と洋の間、伝統とモダンの間、手仕事と自然物の間など、カテゴライズされない素敵な個性のあるものを見ると好奇心が刺激されます。

住まいに合った暮らし方を楽しみながら、特殊な台形の間取りも好奇心旺盛に住みこなす、インテリアスタイリストの岩佐さん。後編では、岩佐さんが実践している、家時間を楽しむための小さな工夫について教えてもらいます!

※本ページ掲載のお部屋は、Brilliaの分譲マンションに限らず、ご紹介しております。

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