INTERVIEW

コンパクトな間取りで、自分らしい暮らしを実現するには? 〜クリス-ウェブ佳子さん編〜

ファッション界のカリスマとして、モデル、エッセイスト、ラジオのパーソナリティーなど多岐にわたってその才能を発揮する、クリス-ウェブ佳子さん。最近では、インテリア分野でもファッション同様にさまざまなスタイルをミックスする、卓越した独自のセンスが話題に。今回は、自身がスタイリングを手がけた2LDK・55.35㎡の「Brillia目黒青葉台」のモデルルームから、クリス-ウェブ佳子さんが考える、コンパクトでも快適な自分らしい住まいを作るコツをご紹介します。

コンパクトなリビングダイニングを
社交の場として楽しむためのアイディア

どんな人が住むことを想定して、家作りをしましたか?

ここは共働きの夫婦DINKSを想定した物件。目黒区青葉台は、おいしい飲食店がたくさんあるエリアなので、友人とみんなで食事をした後、最後に家でもう一杯を楽しんだり、週末は家に友人を招いて食事をしたり、SNSで自分の暮らしを発信することが習慣化している人を住み手にイメージしました。なので、ゲストが入ってはいけない部屋を作らず、家を社交の場としても楽しむことのできる空間作りを心がけました。

家を社交の場とするために、ダイニングスペースで工夫したことはありますか?

ダイニングテーブルは、必ず丸いものを置こうと決めていました。空間が広く取れるので、座れる人数も増やせます。結局、家の中で人が集まる場所は、ソファかダイニングテーブル。コンパクトな部屋だと、空間に合わせて小さな家具を選びがちですが、あえて大きいものを選ぶことによって、そこに人がより集まれる。だからこそ、小さい部屋ならば、大きめの家具を置くことが実はおすすめです! コンパクトな空間に小さな家具が置いてあると、無意識に狭い部屋だと認識してしまうんですよね。

あえて小さな部屋に大きな家具を置くというのは、目から鱗のアイディアです! 他にこのモデルルームのようなコンパクトな物件でも、部屋を広く見せるコツはありますか?

家具の高さを低くすることや、無駄なスペースを作らないこと、色使いにも圧迫感が出ないように気を使うことがおすすめです。このモデルルームを作る際、スケッチブックに部屋の絵を描いて、「ここにこの色を使ったらどうなるだろう?」と何度も色を塗ってシミュレーションを重ねました。実際に部屋に入ってもらえば、間取り図で見るより広く感じてもらえるのではないかなと思います。

家具の配置はどのようなことを意識しましたか?

実際に生活することを考えて、無理のない動線を意識しながら、ミリ単位で調整しています。家具は配置を少し変えるだけでも、一気に部屋の居心地が良くなったり、新しい家具を買い足さずに印象をガラッと変えることができます。配置力を養うには、自分の家をいじることが一番の練習になりますよ。

存在感のある照明も、空間作りの大きなポイントになっていますね。

日本の家は海外の家と比べて天井高が低い。だから、シーリングにこだわる人が少ないのですが、灯りは空間の目的を明確に演出してくれるので、とても重要な要素です。ダイニングテーブルの上にあるシーリングランプは、フランスの〈MARKET SET〉というクリエイティブ集団が手がけたもので、アート性も高くて非常にお気に入り。日本での取引はこれが初めてだったそうです。

ゲストも自由に出入りできる、
ラグジュアリーなベッドルーム

ベッドルームのこだわりを教えてください。

寝室は人生で一番長く時間を過ごす場所。だから、一番ラグジュアリーにしたいと思って、高級感のあるベロア素材と優しいライトにこだわりました。ベッドルームの照明は〈FLOS〉のもの。ベッドルームの壁紙はダイニングと色違いの壁紙を貼っているのですが、壁一面にベタッと貼ってしまうと圧迫感が出て、視覚的に部屋が狭く感じられるので、モールディングでフレーミングして、さらに鏡を取り付けることで、奥行きを感じられるように工夫しています。

閉鎖的になりがちなベッドルームも、リビングダイニングとの一体感を感じられますね。

以前NYで生活していたとき、この物件よりももっと小さな家に住んでいました。アメリカでは人を呼ぶのが文化なのでホームパーティが頻繁に開催されるのですが、冬にコート置き場になる場所はどこの家もベッドの上。ベッドルームは人が出入りできる空間という感覚があって、そんな自由さがこの物件にも欲しいなと思ったんです。

インテリアの腕はどのようにして磨いてきましたか?

小さなときから自宅の家具を常に動かしていました。両親には「また模様替えしたの!?」とよく驚かれていましたね(笑)。空間を埋めることが大好きで、小学校では毎朝お道具箱の中身を全部机に出して、1から詰め替えて遊んでいました。そのような感じで小さい頃から空間把握の能力を自然と養ってきたんじゃないかなと思います。大人になってもずっとインテリアは好きで、今の家をSNSで発信してみたらたくさんの反響をもらえて、最近ではありがたいことに、レストランの内装の仕事などもいただけるようになりました。

3.8畳のオーディオルームやトイレまで
ゲストを迎えるホスピタリティが満載!

たった3.8畳の洋室はどのような空間に仕上げましたか?

この広さだと物置きにしてしまう方が多いと思うのですが、限られた空間を目一杯楽しむために、あえて部屋として機能させてみました。このご時世、リモートワークのスペースを作ることも考えたのですが、この地域に住む人なら、シェアオフィスを利用している人も多いはず。趣味の部屋を作るなら、住む人だけではなく、ゲストも一緒に楽しめるコンテンツにしようと、テーマは「音楽」と「お酒」にして、オーディオルームを作りました。

3.8畳とは思えないくらい、ゆったりとした空間ですよね。部屋を広く感じさせるために工夫したことはありますか?

大きなキャビネットの扉は、面を作ってしまうと閉塞感が出るので、あえてメッシュのような素材にして抜け感を意識。また、この部屋には窓がないので、窓代わりに景色の写真を飾ることで奥行きを出してみました。

好きな家具のブランドはありますか?

アメリカの〈CB2〉の家具は、今回の物件でも多く扱っています。ベッドルームのベッドと鏡、ベッドサイドテーブル、オーディオルームの家具はラグも込みですべて〈CB2〉。英語のメールを何通もやりとりして、やっとの思いで仕入れました。私たちが購入したすぐ後に日本語のサービスも始まったので、今ではとても買いやすくなったはず。

忘れがちなトイレもこの物件は見所ですね!

トイレには、「Wow!」と感動できる、「Wow! factor」の要素を入れてみました。トイレは、ゲストが一番凝視するスペースでもあります。トイレのピンクの壁紙は「マイアミ」という名前がついているのですが、実はリビングに敷いているモロッカンラグとリンクしているんです。去年まで旅をしていたモロッコは、赤土で練った建物が並ぶ、バラが有名な、まさにピンクの街。国境を越えて、色でつながりを持たせてみたのはポイントです。

社会環境の変化に伴って、満たされる住空間はどのように変化すると思いますか?

居住空間に求めるもの自体が、利便性や効率性ではなく、安らぎや自分らしさを求めることへと変わって、みんな一番好きな場所はわが家だと気付けるのではないかと思います。

「一番好きな場所はわが家」をコンセプトに、心地良さと親しみを追求したモデルルームを手がけてくれた、クリス-ウェブ佳子さん。家は想像力や潜在意識を満たす場所であるとともに、大切な人とのコミュニケーションを深める場であることも、自分らしい暮らしを楽しむ上で理想的。そんな家作りは、部屋の広さに関わらず、あらゆるおもてなしのアイディアを仕掛けることで、どんな家でも実現できるものなのだと教えてくれました。

※本ページ掲載の物件の詳細は「Brillia目黒青葉台公式サイト(外部リンク)」へ

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