INTERVIEW

コンパクトな間取りで、自分らしい暮らしを実現するには? 〜守 真史さん編〜(前編)

さまざまな色や柄、素材の組み合わせで、賑やかな遊び心のある空間作りがキャッチーな、インテリアスタイリストの守 真史さん。そんな彼が今回、3LDKの「Brillia目黒青葉台」のモデルルームを1からコーディネート! 既成概念にとらわれない独自のアイディア満載のモデルルームから、コンパクトな空間でも自分らしく暮らしを楽しむヒントを教えてくれました。

広さよりも“充実感”で居心地の良さを考えた、
ゲストも快適なリビングダイニング

1から空間作りをする上で、まずはじめに考えたことはなんですか?

まず、住み手がこの家でどのような時間を過ごしたいかを考えました。「青葉台」という土地に住む人の趣味嗜好、生活スタイルを自分なりにリアルに想像しながら、生活の背景としての空間を組み立てていきました。グレンチェックやストライプなどの柄をスパイスに、周辺エリアとの親和性を意識した「TRAD」、住まう人の聡明さや合理性を想起させる「NOBLE」、インテリジェンスを感じさせつつ遊びの要素を加味した「ARTY」、この3つをキーワードにしています。私も同じ目黒区に住んでいるので、この場所での暮らしを想像しやすかったことが、表現に奥行きを与えることにも繋がったと思います。

リビングダイニングでは、どのようなことをポイントにしましたか?

ここに住む家族、また友人を家に招く人も多いエリアであることから、そのゲストも心地よく豊かな時間を過ごすには、どんな家具をどのように配置したらいいかを考えました。そうして導かれたのが、同じ部屋でも分断されることが多いダイニングとリビングを、あえてひとつのソファで繫げるというレイアウト。実際人がきて時間を過ごすときって、ダイニングに座る人もいれば、ソファに座る人もいる。だから、その空気を上手く一体化させる方法を考えました。また、一体的に作ることで、より部屋が広く感じられるのではないかと思います。ちなみに、今回取り入れたソファは、〈カッシーナ・イクスシー〉のもの。シートが固めなので、ダイニングのシーティングとしても機能的に使えます。

ダイニングテーブルはどのようなものを取り入れましたか?

ソファの座面の高さから逆算して、リビングテーブルはオリジナルで作りました。既製品のテーブルは、大体高さが70cm程度のものが多いですが、これは65cmで少し低めに設定しています。また、奥行きは80~90cm程度がベーシックであるのに対して、これは少し広めの1m10cm。奥行きを広く取ることで、面積に対してより広く感じられるはず。また、脚部を内側に入れることで、大勢でもテーブルが囲みやすいように設計し、天板の形状も丸みを持たせて動線に干渉しないよう意識しています。

コンパクトな部屋での家具選びは、どのようなことを意識するのが良いのでしょうか?

中途半端に全部を満たそうとしないことだと思います。例えば、コンパクトな部屋に、小さなダイニングセットと小さなソファセットを無理やり詰め込んでも、結局全部が中途半端なまま、どれを使っていても満足できません。自分が一番欲しい、妥協のない家具をひとつ置いてみてください。一点豪華主義的に、ひとつのものに集中するというのは空間を豊かにするアイディアのひとつだと思います。少なくともその家具を使っているとき、生活の質を上げることができます。広く見せるとか、狭く感じるという視点だけではなくて、いかに部屋を充実させるかというところも、居心地の良さに直結するもの。例えばソファの代わりに、お気に入りのラウンジチェアを置いてもリラックスできるだろうし、家で仕事をする人なら思い切ってワーキングデスクを置いてもいい。自分の暮らしのなかで優先順位をつけて、トップになるものからまずしっかり作り込むことが大切で、その経験が自分だけのインテリアを見つける第一歩になります。ある意味、コンパクトな部屋は、コックピットのようにすべてが手に届く場所にあるので、それはそれで居心地がよかったりします。だから、一概に狭い部屋が悪いとも限らないんですよね。

色や柄、素材のコントラストで、
遊び心のあるインテリジェンスを感じさせる空間

モデルルームを手がける上で、守さんらしさはどのように表現されていますか?

色や柄、素材の組み合わせ方でしょうか。単体での良し悪しではなく、何と何を組み合わせるとおもしろいのかという判断をより大切にします。新鮮で意外性のある組み合わせをいつも探したいですね。

具体的には、どのような色や柄、素材の組み合わせを意識しましたか?

トラディショナルでクラシカルなものと、アート性の高いものを組み合わせたり、工業的なメタルの質感と土っぽいものを組み合わせたり、イメージや質感のコントラストを意識して、遊び心のある空間を作りました。今日の服もそんなイメージ(笑)。ソファ周りが特に空間のキーとなっていて、紫のソファにトラディショナルなグレンチェックのクッションと、ヒョウ柄のクッションを組み合わせたのがポイント。派手な色と柄を組み合わせても意外と破綻しない、こういう組み合わせを考えるのがとても好きです。

たくさんの色や柄を使っていながら、部屋全体に一体感があるのが不思議です! どんなコツがあるのでしょうか?

家全体のなかで、同じ色や柄を拾ってあげることがポイントだと思います。例えば、照明のオレンジは、ソファのオレンジのクッションと、床に置いているキャンドルホルダーの色とリンクしているし、ソファのクッションのグレンチェックは、リビングのコーナーに貼った壁紙でも使っています。建築的な要素と小物など、それぞれ次元の異なるもの同士であえて色や柄を拾ってあげることで、全体にまとまりが出やすいはず。これはすぐに実践できるアイディアではないかと思います。逆にひとつの色を異質に見せたいときは、ほかでその色を使わないという方法もありますね。自分がどんな空間を作りたいかで、色や柄使いも変わってきます。

すっきりとしていながら、上から下までどこを見ても賑やかさがありますね!

家具は床に置くものがほとんど。部屋作りでは、床ばかりの密度が上がって、上がスカスカになりがちなので、目線の高さにくるものでインパクトを出すことも意識しました。ダイニングの照明はパッと目を引く〈TOM DIXON〉のものを入れたり、絵を壁に飾ったり、グリーンなども高さが出るものをしっかり入れてあげる。それだけで、インテリアがグッと充実すると思います。また、リビングのコーナーに飾っているオリジナルのミラーもポイント。ミラーは自分を映すものとして使うことが多いですが、部屋の隅に置くことで部屋がつながって見えて、広く感じられる効果もあります。

波線形状のラグと、
アート性の高いオブジェの関係

部屋作りをする上で、ラグ選びも悩むポイントのひとつかと思うのですが、守さんはどのように選んでいますか?

ひとつの空間のなかで一体感を出しつつ、それぞれのエリアをきちんと定義づけてあげることで、部屋にメリハリや奥行きが生まれます。そういう意味で、ラグというのはとても使い勝手のいいアイテム。たしかにラグの使い方は悩んでいる人が多くて、前職でカッシーナにいたときも、どんなサイズで選べばいいかわからないというお客様が多かったですね。ソファがあるリビングでいえば、ローテーブルの周りだけに小さく置く方法もありますが、ソファを覆うぐらい、もしくは前足がかかるくらいのサイズで置くのがおすすめです。面の大小でその空間が大きく見えたり、小さく見えたりするので、できるだけソファサロン全体を覆うようなサイズ感でラグを敷くと、その空間がきちんと定義されて広く感じられると思います。今回リビングに敷いたラグは、端を直線で切るのではなくて、あえて波線形状にカットすることでリビングとダイニングの境界にグラデーションをつけています。これは、デザインとしてアート感を取り入れたいという意図もあります。また、ラグをはじめいろいろな要素に曲線を用いて一体感を持たせています。

たしかに丸みのある、アート性の高い家具やオブジェがたくさんありますね!

この界隈はギャラリーが点在しているエリアということもあり、生活のなかにアートを取り込む空気がある街だと思います。なので、今回のモデルルームでも、アートはひとつのテーマに挙げました。私は手を動かすのが好きなので、小物は自分で造作したものもあります。サボテンの鉢バッグや、棚上に置いている照明のシェードやミラー、本の上にディスプレイしたオブジェもオリジナルです。

※本ページ掲載の物件の詳細は「Brillia目黒青葉台公式サイト(外部リンク)」へ