とっておきの掘り出し物で、ライフスタイルに寄り添う家づくり
【サキさんのコンパクトライフ 前編】
10ヶ月前、会社員からフリーランスになったのをきっかけに、都心を離れ、愛犬2匹とのんびり過ごせる今の家に引っ越してきた、サキさん。間取りは2LDKで、広さは54㎡。部屋は古材とグリーンに囲まれた、味わい深く、ホッと落ち着く空間です。前編では、物件マニアだというサキさんの引っ越しエピソードや物件探しのポイント、インテリアの好みや家具選びについてなど、詳しく伺います。
家族のライフスタイルに合わせて、
引っ越しはフットワークを軽く
この家に引っ越した経緯を教えてください。
ずっと都心に住んでいましたが、フリーランスになったことを機に、家賃を抑えて愛犬とゆっくり過ごせる、少し郊外への引っ越しを考えていました。そんなとき、敷金など初期費用ゼロで、フリーレント付きのこの物件を発見。今しかないと思い、急遽引っ越しを決意しました。自他共に認める物件マニアで、18年前に上京してから、ここが11件目の住まいです。
引っ越し、大変じゃないですか?
“今住んでるところをこうしたい”という理由で引っ越すので、楽しみな気持ちの方が強いですね。でも、ワクワクしながら申し込んで、いざ引っ越しが決まってから出るまでの期間はマリッジブルーならぬ、“引っ越しブルー”が起こります(笑)。『やっぱりこの家のままがよかったのでは』と考えてしまうんです…。でも、実際引っ越してしまえば、前の家がよかったと思うことは今まで一度もないですね。
家探しで譲れないポイントはありますか?
愛犬たちにとって、居心地の良い住まいかどうかが一番のチェックポイントです。2匹とも高齢であまり散歩ができないので、日当たりが良く日向ぼっこができるか、ベランダがあるか、散歩の動線が良いか、などは必ず確認します。愛犬が急に散歩が嫌になったときは、庭付きの家に引っ越したこともありました。
あとは、インテリアが楽しめる間取りや内装であるかも重要です。気になる物件を見つけたら、まず図面をエクセルで起こして、1マス10cmとして今持っている家具の配置をシミュレーション。『この家具が置けないし厳しいかも』と諦めることもあります。
今の物件で決め手になったポイントを教えてください。
初期費用と家賃の安さ、間取りの使いやすさが決め手になりました。スライドドアを開放するとLDKが16畳あり、さらに押し入れもリビングの一部として使えて広々感じられます。また、このマンションは世帯数が少なく、隣人が隣り合わせではなく、階段を挟んで向かい合わせになるように住戸が配置されています。音の心配も少なく、安心して過ごせるだろうと感じました。
直感で選ぶ、
ヴィンテージ家具とグリーンの癒し空間
インテリアはどのようなものが好きですか?
綺麗すぎず味がある木のヴィンテージ家具と、グリーンの組み合わせが好きです。古い家具は探しに探し抜いた一点もの感があり、眺めているだけでその美しさにワクワクしたり、癒されます。
好きなテイストはまったく決まっていなくて、ネットでインテリアを検索するときも『アンティーク』、『ヴィンテージ』、『ミッドセンチュリー』、『スペースエイジ』、『インダストリアル』など、たくさんのワードを入れます(笑)。どこの国のものか、時代などにはあまり興味がなくて、直感で好きなものを選ぶことが多いです。
植物はどんなものを選んでいますか?
深い色のグリーンを選ぶことが多いです。また、かわいい鉢に出会ったらまず買って、それに合う植物を探すことも多いです。大切に育てていても枯れてしまうこともあるので、鉢単体でもオブジェのように楽しめるものを選ぶようにしています。
掘り出し物を循環させて、
今一番使いたい家具と暮らす
家具を選ぶ基準を教えてください。
家具を選ぶ基準はデザインもですが、高すぎないこと。飽きてしまうかもしれないので、3万円を越えるものはほぼありません。私はずっと長くひとつのものを使うよりも、その時々の自分の好みや、今しかない出会いを大切にしたいタイプ。例えば、良い椅子を見つけたら、今家にある椅子をひとつ売ったり、譲ったりして循環させます。
あとは、模様替えや引っ越しが趣味で、家で撮影もよくするので、動かしやすい大きすぎない家具が多いです。
特にお気に入りの家具を教えてください。
照明と椅子が大好きで、数えたら照明は10個、椅子は8個ありました。オブジェのような、鑑賞目的で持っているものもあります。
テーブルランプとスツール
どちらも今年6月にオープンした、神奈川・生田の〈monoroom〉というリユースショップで購入しました。椅子にもなるサイドテーブルと大きめのテーブルランプの相性が良く、バラバラで購入しましたが、まとめて置いてみると統一感が出て、素敵なコーナーに。
花柄チェア
千駄ヶ谷の〈&VINTAGE〉で見つけた、イギリスのおばあちゃん家にありそうな花柄チェア。椅子はたくさんある我が家ですが、意外と背中をやさしく包み込んでくれる座り心地の良い椅子がなく、一人掛け用のものを探していました。
シザーランプ
キッチンの壁から伸びているシザーランプは、海外の仕入れサイトから購入したもの。シェードの雰囲気や木の色味が好みで、値段も25,000円とかなりリーズナブルでした。我が家は賃貸なので、跡が残らないピンで板をつけて、その上から設置。コンセントプラグは日本の規格ではなかったので変換して使っています。
家具はどんなところで買うことが多いですか?
ヤフオクやメルカリなどで家具を探すのが好きで、ブランドものというよりは“掘り出し物”で部屋づくりをしています。特にフリマアプリのメルカリは個人の方がいらないと思ったものを出品しているので、リーズナブルだし、意外なものに出会えます。
あとはお気に入りのショップのインスタやオンラインショップを見るのも日課です。〈Want Antique〉、〈SHARK ATTACK〉、〈FUNagain〉、〈HYST〉、〈東京リサイクル〉、〈Rose Bowl Antiques〉は普段から欠かさずチェックしています。
その時のライフスタイルや好きなものに合わせて、家も上手にアップデートしているサキさん。後編では、リーズナブルに理想の家具が手に入るDIYの話や、18歳の愛犬たちとの暮らしについて、休日の過ごし方など、詳しくご紹介します。ぜひお楽しみに!
※本ページ掲載のお部屋は、Brilliaの分譲マンションに限らず、ご紹介しております。
Photo : Shinji Serizawa / Text : Runa Kitai