ミッドセンチュリー&アメリカンカルチャーを愛する住まい
【shimadaさんのコンパクトライフ 前編】
5年前、3回目の引っ越しで初めてのマンション購入に踏み切ったshimadaさん夫妻。築年数は35年程度で、間取りは大きなワンルームにリノベーション。玄関扉を開けると、そこには古き良き時代のアメリカへタイムスリップしたかのような、クラシカルな空間が広がっていました。前編では、若くして家を買おうと決めた理由や、リノベーションのポイント、家づくりのテーマ、インテリアの好みやこだわりについて、詳しくご紹介。
2回のリノベーションを経て、
理想の住まいを手に入れるまで
分譲マンションを購入した経緯を教えてください。
以前、賃貸に住んでいた頃は壁紙を貼ったり、一口コンロの小さなキッチンスペースを自分たちで拡張したり、DIYでどうにか理想の家に近づけていたのですが、やはり賃貸だと限界があって。買うならば早い方がいいと、27歳の頃に思い切って自分たちの住まいを購入しました。
リノベーションでこだわったポイントを教えてください。
家に人を呼ぶのが好きなので、なるべく広々とした開放感のある家にしたく、玄関から寝室まですべての扉をとっぱらい、大きなワンルームに間取りを変更しました。リノベーションは、〈PACIFIC FURNITURE SERVICE〉に依頼。好きなテイストをうまく汲み取っていただきました。
あとこの家、実は2回リノベーションしていまして……。夫は大のアメリカンカルチャー好きで土足生活に強い憧れがあって。工務店さんには止められたのですが、はじめの約2年半は床材を貼らずに土足で生活していました(笑)。案の定、寒さに耐えられなくて、2回目のリノベーションを決意。今は学校でよく使われている「スクールパーケット」という床材を入れてもらい、土足生活は無事卒業しました。
家全体で統一されている白とグレーの2色壁も特徴的ですよね。
壁は壁紙を貼らず、白とグレーのペンキをそのまま躯体(建築物全体を支える骨組み部分)へ塗っています。アメリカの病院や図書館、刑務所などでは、ものをぶつけてしまっても汚れが目立たないように下の方だけグレーに塗装されているんです。それがデザイン的にもいいなと思い取り入れてみました。
ミッドセンチュリー期の
ライフスタイルを楽しむ家
家づくりのテーマを教えてください。
40〜60年代のミッドセンチュリー期の建築物やインテリアが好きなので、できるだけその年代の家具やアイテムを合わせるようにしています。クローゼットの中も、見えないからといって収納にクリアボックスなどを使うことはせず、見た目や素材感に統一感が出るように意識。どこを見ても気分が上がる空間にしようと心がけています。
ものを選ぶときは『当時もあったのでは?』と思えるものを選ぶように意識。犬用のおもちゃやおやつは、かわいいヴィンテージボックスに収納しています。ティッシュ箱はどうしても生活感が出てしまうので、我が家ではヴィンテージのナプキンスタンドを導入。ご飯を食べるときは、ダイニングテーブルに置いてレストラン感を楽しんでいます。
shimadaさん宅には、オブジェや本など趣味にまつわるものも多いですよね。
特に夫はコレクション気質で(笑)。ダイニングのチェストに飾っているビルのオブジェもそのひとつ。昔、アメリカでお土産として販売されていたもので、古着屋さんなどで見つけては、少しずつ集めています。
あと、多くなりがちな夫の本は、カイ・クリスチャンセンによるウォールシェルフに収納。お気に入りのウォールシェルフを手放さないためにも、ここに入る分だけと決めて増えすぎないように気をつけているようです。
ものが少なくてすっきりした家というよりは、ものはたくさんあるけれど心地よく保てる、それが我が家の目指すところですね。
時代を超えて愛され続ける、
ヴィンテージインテリアの魅力とは?
家具の好みを教えてください。
特に好きなのはミッドセンチュリー期の家具。家具自体の造りがしっかりとしていて、長く使えるものが多いことや、普遍的なデザインで今見ても古臭くなく、変わらない魅力がありますよね。いろんなテイストの家具と相性がいいというのも魅力のひとつ。一見、アメリカンテイストの我が家ですが、意外とヨーロッパの家具も多くあります。ヴィンテージの家具はそのときの出会いやタイミングもあったりして、それぞれに思い入れがあるんです。壊れたら修理をしたり、乾燥してきたらオイルを塗り込んであげたり、手をかけながら使っていく暮らしを楽しんでいます。
特に思い入れのある家具について、教えてください。
京都市内を散策しているときに〈mumokuteki〉というインテリアショップで見つけた、ドレッサーデスク。60年代のイギリスヴィンテージです。このデスクに出会ったのはまだ今の家に引っ越す前。前の家はインダストリアルなものが多く、部屋全体の方向性がガラっと変わりそうだったので、当時購入するのをためらっていました。ですが、諦めきれず家に持ち帰ると、『やっぱり私はこういうテイストが好きなんだ』と再確認。改めて自分の好きなものを知る、良いきっかけになりました。
普段ここではスキンケアをしたり、メイクをしたり、事務作業をしたりしています。スキンケアアイテムは、ライフスタイルショップの〈PARKER〉や〈BIOTOP〉、〈CIBONE〉で見つけた台にかわいく陳列して気分を上げています。
雑貨はどんなものが好きですか?
コロンとしたスペースエイジっぽいデザインのものに魅かれます。デスク上に置いているカレンダー板はイタリアのインテリア雑貨を扱う〈ミッドセンチュリーモダン〉というお店で購入しました。
部屋のアクセントにもなっている、四角い両面時計はどちらのものですか?
American Time & Signal社製のもので、世界最大級のオークションサイト〈eBay〉で見つけました。よくアメリカの駅や学校で使われているクラシカルな時計で、実際にこれもアメリカの高校で使われていたもの。アメリカ規格の電気式だったため、日本で買った電池式の時計の中身を入れ替えて使っています。
古き良きミッドセンチュリー期のムード漂う、shimadaさん夫妻の素敵な住まい。後編では、寝室やキッチンダイニングの空間づくりの工夫や家での過ごし方について、詳しくご紹介。ぜひお楽しみに!
※本ページ掲載のお部屋は、Brilliaの分譲マンションに限らず、ご紹介しております。
Photo : Mitsugu Uehara / Text : Runa Kitai