INTERVIEW

窓の多い三角形の間取りで、猫と暮らす夫婦の住まい(後編)

珍しい三角形の間取りでも、お気に入りのヴィンテージ家具とたっぷりのグリーンをバランスよく配置して、居心地のいい住まいを作り上げている、ヘアスタイリスト兼ヘア&メイクアップアーティストの鈴木茜さん。後編では、家具選びのこだわりや、コンパクト物件での暮らしの工夫、器好きが高じて本格的に学んでいるという陶芸のお話を詳しく教えてもらいました。

ヴィンテージ家具が叶える、温かみのある暮らし

家具はどのようなものが好きですか?

家にある家具はほとんどがヴィンテージで、特に深めの色みのものを選ぶことが多いです。インテリアのコーディネートは、デンマークのフィン・ユール邸やロサンゼルスのイームズハウスを参考にしています。良い家具は見ているだけで美しく、長く大切に使おうと思えるし、たとえ手放すことがあっても次の方が受け継いでくれると思い、高くても気に入ったものを購入。また、無垢の木を使った家具は、グリーンとの相性も良いですね。

お気に入りの家具を教えてください。

椅子は家での居心地を大きく左右するので、特に好きなものを集めています。ピエール・ジャンヌレがデザインした椅子をリビングと寝室に。ほかにはハンス・J・ウェグナーデザインの Y チェア、フィン・ユールデザインの椅子を置いています。

あと、チークのサイドボードもお気に入りです。イギリスのヴィンテージで、収納力も抜群。本棚に入りきらなかった本を収納したり、リモコンなどの生活感が出やすいものをしまったり、アクセサリーの収納にも重宝しています。サイドボードの上には、花器や本を飾っていて、そのときの気分で入れ替えながら、少しの模様替えを楽しんでいます。

ライトもたくさんありますね!

照明は光のやわらかいものが好きです。ダイニングライトは、デンマークの〈ルイスポールセン〉のもので、リビングライトはアメリカのデザイナー、ジョージ・ネルソンのもの。部屋は全体的に小さな間接照明も取り入れて温かい雰囲気に。ヴィンテージショップで購入した掛け時計も、文字盤がライトになっています。

家具やインテリアはどんなところで購入しますか?

家具の購入は、桜新町のヴィンテージショップ〈STOP THE ALARM〉で購入したり、コレクターさんのイベントに行って購入したりすることもあります。また、雑貨など小物類が欲しいときは、西洋民芸を扱う南青山の〈グランピエ〉によく行きます。欲しいもののイメージが固まっているときには、〈ヤフオク〉を利用することも多いです。ヴィンテージショップが出品しているものもあり、写真をたくさん載せてくれているので、比較的安心して購入しています。

コンパクトな住まいでの暮らし方

コンパクトな物件だからこそ感じられる利点を教えてください。

ものが増えると減らそうと思えること。自然と本当に必要なものだけが手元に残ります。この部屋に引っ越してから、サイドボードと椅子を増やしたため、ソファや収納棚を手放しました。ソファを置いていた頃は、よく猫のボールが下の隙間に転がって取るのが面倒だったのですが、そういう手間もなくなりましたね。あと、猫がいつも見える場所にいてくれることも日々の幸せにつながっています。

コンパクトな住まいでのスペース作りの工夫を教えてください。

我が家のリビングとダイニングは非常に近い場所にあるので、家具の配置でスペースを分けられるように意識しました。リビングは斜めに配置したテーブルセットと、壁付けしたサイドボードと本棚で、小さな三角形を囲むように配置。そうすることでリビングエリアを意識づけしました。あと、スペースごとに小さなラグを敷くことでもエリア分けを意識しています。

器好きが高じて踏み込んだ、陶芸の世界

ヘアスタイリスト兼ヘア&メイクアップアーティストとして活動する傍ら、現在、陶芸家のアシスタントにもついているという鈴木さん。陶芸を始めた経緯を教えてください。

出身が焼き物の産地でもある栃木ということもあり、もともと器は好きでした。コロナ禍で勤めているサロンの休暇が増え、時間に余裕が生まれたのを機に、約1年半前から近所の陶芸教室に通い始めて、今は陶芸家・野口寛斉さんに弟子入りしています。展示会の設営を手伝ったり、土を練ったり、色付けの手伝いをしたり。週に2日ぐらいは、東京の八王子の工房に通わせてもらっています。


我が家のサイドボードの上に飾っている師匠の作品は、化粧土の表面に金属釉を施し何度も磨きあげる技法で非常に手間をかけて作られたもの。師匠は彫刻家のアシスタントも経験していて、造形を学んでいたこともあり、作品に宿る洗練された佇まいも魅力のひとつだなと思います。

ご自身ではどんな作品を作るのが好きですか?

花を美しく映えさせてくれる白い花器を作りたくなります。見ているだけで幸せな気持ちになれる作品を作れるように、日々勉強中です。

自宅にある器はどんなものが多いですか?

旅行へ行ったとき、現地で作られた器をよく購入します。コペンハーゲンやアメリカ、フランス、トルコなど、海外で購入した器もたくさんあります。旅先で買った器は、眺めると旅の思い出を振り返ることもできてお気に入りです。また、いつも作っている和食でも洋皿に盛り付けるだけで、ちょっと変化のある食卓を楽しめると思います。

週に1日は家でゆっくり過ごすこと。それが、暮らしのリズムを整える秘訣だと教えてくれた、鈴木さん。コンパクトな三角形の間取りでも、試行錯誤しながら自分らしく居心地の良さを追求することは、表現者として多彩に活動する鈴木さんの“らしさ”を形成する、ひとつの源になっているようです。

※本ページ掲載のお部屋は、SEARCHページでご紹介している物件ではありません。