固定概念にとらわれず、”ちょうどいい快適さ“を探る
【吉留七枝さんのコンパクトライフ 前編】
もともとパートナーが一人暮らしをしていたという35㎡の物件から、2年半前に1LDK 、50㎡の住まいへ夫婦2人で引っ越してきた吉留さん。小さな家での暮らしが長い彼女は、どのようにコンパクトライフを楽しんでいるのでしょうか。前編では、この住まいを選んだ理由やコンパクト物件を住みこなすアイディア、引っ越して訪れたライフスタイルの変化についてご紹介します!
広めのリビングダイニングで
ライフスタイルにメリハリを
今の物件に住もうと決めた理由、部屋探しで重視したことを教えてください。
まず、夫婦お互いの職場からアクセスのしやすい地域で探しました。部屋の間取りは、ダイニングテーブルで食事をするスペース、ソファでくつろげるスペースをしっかり分けたかったので、リビングダイニングが広めだったことも決め手になりました。広さは、LDKで13㎡ほどです。
家具は大きすぎず、小さすぎず。
コンパクトライフを快適にするアイディア
コンパクトな物件だからこそ感じられる利点を教えてください。
掃除が楽なことですね。コンパクトな住まいだと、掃除にかける時間が短いのでやる気もでます。最近、〈ダイソン〉の掃除機を購入して、さらに頻繁に掃除するようになりました。あとは、部屋から部屋への移動が楽なこと。我が家は、すべての部屋が扉1つでLDKと繋がっています。廊下がなく、スムーズに移動できるところも気に入っています。
家具の配置でこだわったことを教えてください。
置く家具のサイズをしっかり測って、生活動線に支障がないかは入念に考えました。特に意識したのは、洗濯が快適にできるキッチン裏の洗面所からベランダまでの動線。食事をするのはダイニングテーブルのみなので、ソファにはコーヒーテーブルではなく、小さめのサイドテーブルを合わせることでよりスムーズに移動できるようにしました。どうしても、「ソファにはコーヒーテーブルを合わせるもの」と思考しがちですが、ひとつひとつ自分の暮らしを想像して必要のないものは引き算していくことで、生活スペースは少しずつ広く保てるはずです。
ただ、家具によっては“小さすぎないこと”も大切だなと思います。ダイニングテーブルやソファなど、よく使うものは快適に過ごせるだけの大きさをしっかり確保。お気に入りの家具を気持ち良く使えることも、暮らしの満足度をアップさせてくれると思います。
家をすっきり見せるためのアイディアはありますか?
線が細いものを選ぶことは心がけています。照明やグリーンなども、ボリュームがあまり出ない、縦に伸びるようなものを置くことで圧迫感を軽減できると思います。
我が家はメゾネットタイプのマンションで階段があるのですが、そこにはヴィンテージのラダーラックを立てかけて、バッグや鍵を吊るしています。見た目もすっきりとしていて、省スペースなのが◎。玄関にものを置けるスペースがないので、非常に重宝しています。
引っ越したことで見つけた、新たな楽しみ
今の家に引っ越してから、ライフスタイルで変わったことはありますか?
以前住んでいた家よりもキッチンが広くなったので、ちゃんとごはんを作れるようになりました。休みの日はゆっくり料理をすることが楽しみに。キッチンはリビングダイニングと仕切られているので、ある程度生活感が出ても気になりません。
キッチン作りで心がけていることはありますか?
収納が苦手なので、“しまいすぎないこと”は無意識のうちに心がけているかもしれません。できるだけ煩雑に見えないように、キッチンで使う調味料や食材はできるだけシンプルな保存ビンに移し替えたり、キッチン道具や家電は見た目まで好きだと思えるものを選んだりするようにしています。あと、掛ける収納も積極的に活用。収納スペースを取らず、すぐ手に取れるのも楽ですね。
食器棚は変わった形状ですね。
今は販売していないのですが、〈JOURNAL STANDARD FURNITURE〉のものです。もともと本棚や洋服を収納する棚として作られたものですが、我が家では食器棚として愛用しています。扉が上下に開閉するタイプで、開いた扉は上部にしまえる仕様。扉を開け放していても動線を邪魔することなく、使い勝手がいいですよ。
器のお気に入りを教えてください。
地味な料理も鮮やかに彩ってくれるカラフルな竹村良訓さんの器や、素朴で日常使いがしやすい佐藤敬さんの器、女性らしいアクセントの効いた竹田せりさんの器などがお気に入りです。
自分たちが快適に暮らせるかどうかを基準に、柔軟な発想でコンパクトな家を快適に住みこなす吉留さん。
後編では、自宅作りのルールやお気に入りのディスプレイスペースの話をお届けします!
※本ページ掲載のお部屋は、Brilliaの分譲マンションに限らず、ご紹介しております。
Photo : Shinji Serizawa / Text : Runa Kitai