INTERVIEW

新築でも味がある、「non color」なインテリアと自然体に暮らす(前編)

インテリアショップでディスプレイデザインを担当する北濱さんの住まいは、結婚を機に新築で住み始めたという現在築2年のアパート。味付けされていないシンプルな内装に、窓から見える緑豊かな景色、大好きなインテリアをコレクションできる大きな収納。そのどれもが気に入って、ここから新しい生活の第一歩を踏み出しました。リネンのカーテン越しに優しい光が差し込むリビングダイニングには、アンティークの家具や現代のモダンなインテリア、自作したという作品まで、テイストも年代もさまざまなものたちが心地よく調和。まるで、何十年と暮らしを紡いできたかのような、そんな厚みのある空間が広がっています。前編では、11.2㎡(約6畳)のLDKについて詳しくご紹介します。

ノンカラーが落ち着く、
ニュートラルでゆとりのある部屋作り

住まい作りのテーマを教えてください。

ずばり、「non color」です。我が家のインテリアは、落ち着ける白やベージュを中心に、経年変化した古い家具や自然物が生み出す、単一ではない、何色ともつかないノンカラーな色彩がベースです。妻と住み始めてからは、彼女の好きなゴールドもアクセントに取り入れるようになりました。また、国やブランド、年代に捉われないという意味でも「non color」でありたいと思っています。家具はヨーロッパの古いものが多いですが、リビングの奥には竹のようなヤシ科の観葉植物をセレクト。東洋的なイメージも取り入れて、シノワズリな要素もプラスしました。○○テイストと括られることのない、僕たちが心地いいと思える空間を作っていければと思っています。

特にお気に入りの家具を教えてください。

粗削りでラフな造りが気に入っている、フランスの古いダイニングテーブルです。海外のアンティークものだと、奥行きが90~100cmぐらいあるものが一般的ですが、このテーブルは奥行きが68cmととても珍しいサイズ感なのです。人が対面して座っても近すぎず、横幅があるので4人でも座れます。仕事でご一緒している家具のディーラーさんから運良く購入させてもらいました。造りを見る限り、ブランド家具ではなくお店の什器などとして作られたもので、だからこそ生まれた珍しいサイズ感なのだと思います。また、別で購入したダイニングチェアは、前足だけに装飾が付いていて、華美でないデザインがお気に入りです。地元札幌のアンティークショップ〈unplugged〉で購入したもので、このお店では家具表面の塗装を剥がして、無垢な状態に戻した家具を多く販売しています。

家具選びにルールはありますか?

我が家は広くないので、狭いなと感じてストレスがかからないように、特に家具のサイズ感にはこだわっています。なるべく奥行きのない家具を選ぶことで、動線をしっかり確保。また、夫婦揃ってインテリアが好きなので、お互いのこだわりをすり合わせることも大切にしています。必要な家具があれば、僕が3つぐらい候補を挙げて、妻も意見が合致するものを購入。小物を飾るときも、お互いが納得したものを厳選するようにしています。

古い家具を選ぶときに心がけていることはありますか?

できるだけラインの細いものを選んで、空間に圧迫感が出ないように心がけています。ダイニングチェアも背もたれの面が抜けているものを選ぶことで軽やかさを意識しました。

家具はどこで購入することが多いですか?

基本的には海外のサイトから個人輸入で購入することが多いです。その方が安く手に入るし、選択肢が増えます。探すのは大変ですが、それが楽しいと思える性分。僕は英語が堪能ではないので、翻訳サイトを駆使しながらやりとりしています。

「飾る」をめいっぱい楽しむための、
大胆なリビングアイディア

11畳ほどのコンパクトなリビングダイニングの中央に、あえて博物館や美術館で見かけるような「スタチュースタンド」を置くというのは思い切った発想ですね!

部屋全体で見たときに、ダイニングチェアの明るい木の色だけが浮いてしまうと思って、同じ質感の家具を探していたら、妻がこのスタチュースタンドに一目惚れ。ダイニングチェアと同じく〈unplugged〉で購入しました。これを置くことでソファは置けなくなってしまったのですが(笑)、部屋の家具に高低差が出て、空間全体のバランスが上手い具合に取れました。結果的に置いてよかったなと思っています。

スタチュースタンドの周りに飾っている壁がけの作品群も素敵ですね。

中央に飾っているのは、石膏を使って自作したアート作品。仕事で繋がりのあるガラス作家さんに石膏の扱い方を教えてもらって以来、ディスプレイ用什器などの制作でもよく石膏を使用しています。左のものは、近所の神社で定期的に開催する小さな骨董市で購入した和紙。右は、イスラエルのマーブリングペーパーを額装したもので、どちらも500~1,000円くらいの安価なものでしたが、とても気に入っています。

リビングは「飾る」が主役の空間ですね! ディスプレイでとっておきのアイディアはありますか?

チェコの古いグラスを6つ買ったのですが、使っていたら2つ割ってしまって……。どうにか割らずに愛でる方法はないかと考えた結果、グラスをガラスドームに見立てて、妻がコレクションしていた古い写真を飾ってみました。これは、田舎の暮らしを撮り下ろした海外の写真集を眺めていたときに偶然得たアイディアでした。ディスプレイは正解があるものではないので、自分が「好きだな」、「心地いいな」と思う感覚を大切にしながら自分なりに試行錯誤しています。アイディアは、ピンタレストを見たり、アート系の洋書などからヒントを得ることも多いです。

家事がもっと楽しくなる!
見た目のいいキッチンと使えなかった器の話

キッチンの家具や収納グッズはどのようなものを使っていますか?

ステンレスのスパイスを収納している小さなラックと冷蔵庫横の大きなラックは〈dinos〉、白い大きな棚は〈IKEA〉で購入したもの。キッチンのインテリアはリビングダイニングの家具に投資する分、少々控えめですが、妥協はせずにシンプルなデザインでキッチンらしいインダストリアルな雰囲気のものを厳選するようにしています。また、スパイスなどの調味料は瓶などに移し替えて使用。小さなことですが、キッチンの見た目が良いと料理も楽しくなるし、掃除も俄然やる気になれます。あと、僕はお酒を飲むのが大好きなのですが、ビンやカンのゴミが見えないように〈ALUTEC〉のアルミコンテナに入れて目隠ししているのもポイントです。

キッチンで気に入っているインテリアはありますか?

我が家のキッチンに合わせて妻が描いてくれた油絵です。17世紀の静物画をもとにアレンジして描いたもの。キッチンもリビングやダイニングと同じように部屋の一部として楽しめればと思っています。

食器もたくさんありますね!

器も夫婦揃って大好きで、日々集めています。以前は、いい食器を集めてもなかなか使う勇気が出なかったのですが、割りたくないからといって使わないでいると扱い方がわからず、結局割ってしまうことに気がついて……。今では、お気に入りの食器こそたくさん使うようになりました。やっぱり同じ料理でもいい器で食べた方がおいしいなと感じます。

器はどこで購入しますか?

洋食器は出張でパリに行ったときに、蚤の市で買ったものも多いです。和食器は、西荻窪の〈魯山〉という器屋さんが大好きだったのですが、つい先日閉店してしまいました。あとは、〈PASS THE BATON〉や〈CIBONE〉も好きで買いに行くことが多いですね。

※本ページ掲載のお部屋は、Brilliaの分譲マンションに限らず、ご紹介しております。

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