INTERVIEW

自分の“好き”を培う、ストイックなギャラリーのようなワンルーム(後編)

約40㎡のワンルームというコンパクトな物件ながら、狭苦しさを感じさせないインテリアスタイリストの竹内さんのご自宅。白とグレーをベースにしたストイックな空間は、まるでギャラリーのようにシンプルでありながら、住まいならではの“暮らしやすさ”もきちんと重視されています。後編では、ベッドルームまわりを中心に詳しくご紹介。

飾り棚で愛でる、とっておきのインテリア小物たち

ワンルームという空間のなかで、ベッドルームとリビングダイニングはどのように仕切っていますか?

リビングダイニングとベッドルームとの境に飾り棚を取り付けて、ゆるやかに仕切っています。棚は〈東急ハンズ〉でカットしてもらった板と〈モノタロウ〉でネット注文した工事現場用のパーツで自作しました。もともとお気に入りのレコードプレーヤーを置くために作ったもので、玄関の近くに置いていたのですが、リビングにソファを置いてからベッドルームとの空間を仕切りたいと思い、今の位置に落ち着きました。突っ張り棒のように高さを調整できるので、移動も楽々。ショップの什器などを参考にしながら作ってみました。

飾り棚に置いているお気に入りのものを教えてください。

ドイツのインダストリアルデザイナーであるディーター・ラムスが手がけた、〈ブラウン〉のヴィンテージレコードプレーヤーは唯一実家から持ってきたお気に入りです。三鷹にある北欧ヴィンテージショップ〈BRICKS STORE〉のオーナーさんにお願いして買い付けてもらったもので、社会人になってようやく購入できた思い出の品。1963年のモデルなのですが、機能がしっかりとデザインに落とし込まれていて美しいなと思います。あと、デンマークのブランド〈&tradition〉のグレーのランプもお気に入りです。ヴァーナー・パントンというデザイナーの作品で、我が家の雰囲気にしっくり馴染みます。

どんなインテリアショップが好きですか?

たくさん好きなお店はありますが、店主さんの個性が際立っているお店はやっぱり好きです。このお店にしかない、というユニークなセレクトに魅かれます。

部屋作りの参考にもなる、空間が素敵なインテリアショップはありますか?

青葉台にある、〈LICHT〉というショップ兼ギャラリーはとてもかっこいいです。北欧家具を中心に扱う中目黒の〈HIKE〉のオーナー須摩光央さんが営むお店で、内装は空間デザイナーの二俣公一さんが担当されています。空間も置いている家具も非常に素晴らしく、僕の憧れが詰まっています。

差し込む朝日で目覚める、気持ちのいいベッドルーム

自宅の中で、特に気に入っている場所を教えてください。

ベッドルームです。カーテンはあえて厚地のものをつけていないので、朝は窓から差し込む清々しい陽射しで気持ちよく起きることができます。また、ベッドルームの天井にはスピーカーを設置。寝転がったときに音が一番きれいに聴こえるので、リラックスタイムはベッドの上にいることも多いですね。

ベッドルームのリノベーションポイントを教えてください。

ベッドで横になったときに、周りの壁がコンクリートブロックだとなんだか落ち着かないので、ベッドルームだけ新しい壁を作りました。古いマンションで冬は冷気を感じやすいので、出窓を作り、寒さ対策もしています。また、小上がりの寝室は、当初やすりをかけてオイルをしみこませたシナ材を敷き詰めた天然木の床にしていましたが、新調したソファとラグを置くにあたって、床の色数が増えて圧迫感が出るなと思い、リビングと同じグレーのペンキで塗装しました。

出窓に置いているランプも可愛いですね!

〈MENU〉というブランドのもので、北欧インテリアを主に扱うオンラインストア〈ロイヤルデザイン〉で購入しました。ぼんやりとした明かりはベッドルームとの相性がよく落ち着きます。電圧が海外仕様だったので、変圧器を購入して使っています。

洋服はセルフDIYで収納力をばっちり確保!

洋服の収納はどのように工夫していますか?

洋服は押し入れに収納しているのですが、なかなかビシッとサイズの合う収納用品が見つからなかったので自作しました。上の段には自分で切断したハンガーポールを取り付けています。通常ハンガーポールは、押し入れの横幅に合わせて取り付けられていることが一般的ですが、縦3列に取り付けると収納力が上がることに気がつきました。下の段には自作の収納棚を設置。キャスターをつけた可動式で棚の後ろにも収納スペースを確保しています。もともと押し入れには襖がなかったので、ブラインドを取り付けて扉代わりに使っています。

家にはDIYしているものが多いですね! ものを作ることは好きですか?

好きですね。小さな頃から工作が好きで、その延長線上に家作りもある感覚です。家具は大好きなのでもちろん買いたい気持ちはあるのですが、懐事情だったり、コンパクトな物件だとサイズぴったりの収納家具を置かなければデッドスペースが生まれてしまうこともあって、自分で作ることは多いですね。棚や収納家具はDIYで費用を抑えて、密に身体が接する椅子などの家具にはお金をかけられるようにメリハリを意識しています。

インテリアはファッションとは異なり、気分で気軽に変えられない分、何を置こうか時間をかけて悩むもの。『自分はこの家具のどんなところが好きなのか』、『ここにものを置いたらどんな空間が生まれるのか』、そんなケーススタディを重ねることで、誰かの真似ではない“自分らしい”住まいは確実にアップデートされていくはずです。そんな自分の好きをストイックに追求する竹内さんのご自宅は、まさに彼のポートフォリオそのものであり、理想的な住まいでした。

※本ページ掲載のお部屋は、SEARCHページでご紹介している物件ではありません。