ほどよい郊外でアートと心地いいインテリアに囲まれて
【長谷川優子さんのコンパクトライフ 前編】
『都内でも自然豊かな地域で暮らしてみたい』、そうして辿り着いたのは、23区外の西東京エリア。約2年前、長谷川優子さんはパートナーとともに、駅から離れたのどかな場所に建つ、築37年の分譲マンションへと引っ越してきました。“好きなものを飾って楽しめるように”とリノベーションした住まいで、どんなものに囲まれながら日々を楽しんでいるのでしょうか。前編では、マイホーム購入までの道のりや、家づくりのテーマ、お気に入りの家具やインテリアについて、詳しくご紹介します。
“心地いい”を追求する家探し
はじめてのマイホーム購入。物件探しはどのように進めていきましたか?
まず夫婦でどんなところに住みたいか、条件を出し合いました。地域については、「自然が感じられる場所が近くにあること」、「大きな駅ではなくこぢんまりした駅で品があること」、「チェーン店ではない、感じのいい飲み屋やご飯屋があること」などを重視。その中で、大型集合住宅ではなく小規模な低層マンションで、リノベーション可能な物件を地道にネットで探しました。
今の物件で決め手になった点を教えてください。
風通しと日当たりの良さ、窓から見える外の景色、コーナー窓の佇まいが特に気に入りました。
コンパクト物件で暮らす上でのスペースづくりの工夫を教えてください。
部屋の抜け感は意識しています。ソファやサイドテーブルは、テラスに繋がる導線を邪魔しないように、コンパクトなものをチョイス。ソファは青山に実店舗がある〈FLANNEL SOFA〉のもので、すっきりとしたデザインが気に入っています。背もたれは取り外し可能なので、ベッドのように使えるのも便利。コンパクトなサイドテーブルは〈Artek〉のものを合わせています。
あとは、玄関からLDKへ続く扉にガラスを入れることで、玄関からテラスまでの繋がりを感じられるようにしたり、リビング横の部屋の扉をとっぱらい、LDKを拡張することで部屋全体に抜け感が出るように意識しました。
ギャラリーのような住まいで、
感性を研ぎ澄ます
自宅づくりのテーマを教えてください。
リノベーションのテーマは、「白い箱」でした。シンプルな白い箱を、自分たちの好きな家具やアート、雑貨などで彩っていく。月日を重ねるごとに味が出たり、その時々の好みで変化していくお家づくりをしていきたいと思い、自由度の高い内装に仕上げてもらいました。床は学校の教室を彷彿とさせる、木目が美しいパーケットフローリングを採用しています。
テレビ上の壁面には、アートや雑貨を飾れる白い棚が設けてありますね。
自分が好きなものを身近に感じられる場所があったらいいなと思い、リノベーション時に作ってもらいました。置くもので板の高さを決められるように稼働式です。休みの日は、美術館やギャラリーへ行くのが好きで、そこで見つけた図録やグッズを飾ったりして楽しんでいます。
家の中にはいろんなところにアートが飾られていますね!アートはどんなものが好きですか?
モネやゴーギャン、マティスなどの巨匠から、現代のアーティストまで幅広く好きです。現代で好きなのが、ピーター・ドイグの作品。2020年に初めて日本で開催した個展がとても素敵で、棚に画集も飾っています。
リビングの壁には絵を飾ろうとニッチ(埋め込み式の棚)を作りました。今は、ロナン・ブルレックの作品を飾っています。
プリミティブを感じる、
ベーシックなもの選び
インテリアはどのようなものが好きですか?
自宅はリラックスできる空間にしたいので、国籍や年代問わず、好きなものを自分の好きなように飾るのを楽しんでいます。好みはあえていうなら、素材感を感じられるプリミティブなものでしょうか。自分の身の丈に合っていて、末長く大切にできる愛着が湧くものを、一つひとつ丁寧に迎え入れるようにしています。
ダイニングエリアだけでもいろんな国のものがミックスされていますね。
そうですね。ライトはアメリカのジョージ・ネルソンのバブルランプ、壁に飾っている布は、クバ布というアフリカのテキスタイルで、ハイキャビネットとダイニングのYチェアはデンマーク製、ダイニングテーブルはオーストラリアのものです。
好きなインテリアショップを教えてください。
いろんなお店に行くのでなかなか絞れないのですが、お店の人との会話も込みで買い物を楽しめるのが、目黒の〈Pocket Park〉。あと、北参道の〈bob’s box〉のセレクトも好きです。ドライフラワーを入れている置物もここで購入しました。
都心から離れた郊外エリアで、好きなアートやプリミティブなインテリアに刺激を受けながら豊かな暮らしを楽しむ、長谷川さん夫婦の住まい。後編では、お気に入りだという小さなキッチンの話や、暮らしを見直すきっかけにもなったというコンポストについてもご紹介。ぜひお楽しみに!
※本ページ掲載のお部屋は、Brilliaの分譲マンションに限らず、ご紹介しております。
Photo : Shinji Serizawa / Text : Runa Kitai