INTERVIEW

自然が身近な、ミニマルを楽しむ暮らし
【長谷川優子さんのコンパクトライフ 後編】

休日の朝は、緑豊かな近所を散策し、テラスにあるコンポストをじっくりと観察して、夜はお酒がすすむおかずを作って、夫婦でおしゃべりしながら映画を観たり。この家に引っ越してからは、そんなささやかでシンプルな日常が楽しいと教えてくれた長谷川さん。後編では、お気に入りのダイニングテーブルや小さなキッチンの話、彼女の価値観に大きな変化を与えたコンポストとの出会いについてもお話しお聞きしました。

一番の居場所は、
自然から着想を得たダイニングテーブル

自宅の中で、一番の居場所はどこですか?

ダイニングテーブルです。食事をしたり、お茶を飲みながら外の景色を見るのが好きです。

ダイニングテーブルとの出会いを教えてください。

円卓にはずっと憧れがあったものの、いざ探してみると素敵だけど予算が合わなかったり、予算重視だと『これだ!』と思うものに出会えず、引っ越してからしばらくは前のテーブルを使っていました。探して、探して、ようやく巡り会えたのがこのテーブル。2020年にファーストコレクションを出した、オーストラリアの若手デザイナー・patryk koca氏が手がけたもので、輸入家具を扱う〈moda en casa〉で購入しました。オーストラリアの自然からインスピレーションを得ているようで、天板と足の接着部分もユニークで気に入りました。

コンパクトなキッチンで、
満足度アップ!

長谷川さんお気に入りのキッチン。意外とコンパクトな造りですね!

リノベーション前は壁を取り壊して、オープンキッチンにしたいなと思っていたのですが、この物件が壁で建物を支える壁構造で、あえなく断念(笑)。もともとあるコンパクトなキッチンをどうにか使いやすくする方向で工夫を重ねました。その結果、コックピットのように無駄な動きなく作業ができるようになって、料理が楽しくなりました!

コンパクトなキッチンを使いやすくするために、どんな工夫を施しましたか?

収納は、システムキッチンの収納だけでは足りなかったので、収納棚兼作業台をリノベーション時に造作してもらいました。通路幅は、前の家のキッチンで床にマスキングテープを貼って、どれぐらいまでの狭さなら快適に作業できるかをシミュレーションして決めました。

食器類の収納には、壁付けのステンレススチールの収納棚も導入。インディアンキッチンラックの復刻版で、〈HAY〉で購入したもの。無骨でかっこいい厨房っぽさがありつつ、手作り特有の柔らかな風合いもあって上手く空間に溶け込みました。

キッチンツールなどを吊るして収納できるように、壁にはバーも複数設置。わざわざ戸を開けて取り出す手間がなくなり、作業もスムーズになりました。

キッチン周り、家電がとても少ないですね!

そもそも置き場所がないというのと、引っ越しを機に、プラスチック製品をできるだけなくしたいと思って、炊飯器や電子ケトル、自動コーヒーメーカーなどは、すべて手放しました。ご飯は土鍋、コーヒーはハンドドリップで淹れるようになって、以前よりも美味しく味わえるように。最小限の調理器具と器だけで暮らす方が、満足度は上がったなと感じています。

暮らしの価値観を変えた、
コンポストとの出会い

長谷川さんが魅了されている『コンポスト』とは何ですか?

家庭から出る生ゴミや落ち葉などの有機物を、微生物の働きを活用して発酵・分解させてできた堆肥や、堆肥を作る道具のことを「コンポスト」と言います。生ゴミを捨てる手間がなくなったり、できた堆肥で家庭菜園が楽しめたり、いいことづくめなんです。私が使っているのは、バッグ型の〈LFCコンポスト〉。マンションでも臭いが気にならず、省スペースでも置けるのがうれしいポイントです。

コンポストを取り入れてから、暮らしはどのように変化しましたか?

食事をして、そこから出た生ゴミをコンポストに混ぜて、栄養たっぷりの堆肥ができる。その堆肥を使って、野菜やハーブを育てて、それをまた食べるという、生活の中に小さな“循環”が生まれたことで、自分も自然の中で生きていることがクリアになり、生きることがよりシンプルになったと思います。最近は、消費することよりも自分でクリエイティブすることや、循環する暮らしをもっと楽しみたいなと思うようになりました。コンポストの中で日々の生ごみが消えていく工程は本当にドラマチックで、バックがほんのり暖かくなったり、たまに湯気が出ることもあって、微生物の働きが身近に感じられますよ。

都内で実践できる、自然が身近な長谷川さんのコンパクトライフ。忙しい毎日でも時には立ち止まり、便利さ一辺倒の生活から離れて、暮らしをもっとクリエイティブに楽しんでみる。まずは、自分の中に眠っているプリミティブな感覚と向き合うところから、そう気づきをもらえた心地いい取材でした。

前編では、マイホーム購入までの道のりや、家づくりのテーマ、お気に入りの家具やインテリアについて、詳しくご紹介しています。ぜひ前後編合わせてお楽しみください!

※本ページ掲載のお部屋は、Brilliaの分譲マンションに限らず、ご紹介しております。

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