簡易DIYでゼロから作る、
17畳の快適なワンルーム暮らし(前編)
転職を機に趣味のアートが身近に楽しめる、ギャラリーの多い清澄白河へ引っ越してきたイノウエさん。入居を決めたのは、収納もないただシンプルな17畳のワンルームがある45㎡の物件。一見、敬遠されそうなこの部屋に、イノウエさんは運命を感じたといいます。引っ越してから2年が経った今、部屋には確かに趣味のDIYを楽しみながら、大きな家具をどかっと置いて悠々自適に暮らしを楽しむ彼の姿が。前編では、ワンルーム暮らしの魅力や収納の作り方について詳しくご紹介します。
大きな家具と悠々自適に暮らす、
アレンジ可能なワンルーム
この物件を選んだ決め手を教えてください。
敷地面積40㎡以上の築浅物件で、大きなワンルームがあるというのが決め手でした。日本の一般的な住宅では海外のいい家具を揃えても、空間作りに限界があると感じていたので、内装のおしゃれなデザイナーズ物件であったこともここを選んだ理由のひとつ。まったく収納がない、まるでギャラリーのようなこのワンルームをはじめて見たとき、ゼロから部屋を作れることにとてもワクワクしたのを覚えています。
ワンルームの利点を教えてください。
壁がない分空間が広々使えて、自由度が高いのが大きな魅力です。同じレイアウトの部屋で長く暮らしていると、なんだか暮らしにメリハリがなくなってしまうので、わが家は頻繁に模様替えをしています。ワンルームはそんな飽き性な僕にぴったりな間取り。自分で一から空間を作っていると、「ここはこうしたい!」というアイディアもわきやすいし、様々なレイアウトにも挑戦しやすい。また、リビング、ダイニング、ベッドルームがひとつの空間にあるので、住まい全体の統一感も作りやすいですね。
家全体としては、どのようなテイストのインテリアを選んでいますか?
コンクリートの壁とリノリウムのグレーの床に合わせて、インダストリアル調のものを多く取り入れています。石や鉄など無骨な空間に、ポイントで無垢な木素材を合わせることで、無機質になりすぎないようにバランスを取っています。棚や家具はDIYしているものが多く、自由に動かしやすいように作っています。
家具はどのようなものを置いていますか?
低めの窓の高さに合わせて、家具は低いものを置くように心がけています。部屋は6畳や8畳のワンルームが大きくなったイメージでレイアウト。広々とした空間に大きな家具をどかっと置く、そんな欧米スタイルの住まいが憧れでした。お気に入りは、リビングに置いている〈IKEA〉で購入したKIVIKシリーズの大きなソファ。ここでゆったりお酒を飲みながら、テレビを見るのが至福の時間。ベッドもダブルサイズが置けるスペースを確保しました。
イノウエさん宅には照明がたくさんありますね。
今は自宅でテレワークをすることも多いので、照明でオンオフの切り替えができるようにしています。仕事中は天井についている白くて明るいライトを使い、オフの時間はオレンジの間接照明でリラックスできる空間に。ベッドルームの間接照明は〈IKEA〉で購入した1,800円くらいのもの。照明カバーを外して電球をむき出しにしたライトをあえて壁にぶつけることで、やわらかな光を演出しています。大きなワンルームは部屋が分断されていない分、間接照明は数が必要。わが家では、照明のオンオフが苦にならないように、電気のスマート化も進めていて、スマホで操作できるようにしています。
収納はウォークインクロゼットを自作。
快適な部屋作りに、無理は禁物!
備え付けの収納スペースがまったくないこの物件。収納はどのように確保していますか?
部屋の中央に置いている、〈イーグルスチールラック〉という業務用のラックを使ってウォークインクロゼットを自作しました。洋服や雑貨、普段はあまり読まない漫画類などの本も収納。ラックの背面に木の壁を作ることで、部屋のインテリアとも馴染むように見た目よくデザインしています。最近はその壁に板を取り付けて、テレワーク用の仕事スペースも増設しました。
収納グッズでお気に入りはありますか?
〈無印良品〉の衣装ケースやワイヤーバスケットはよく使っています。シンプルなデザインで、すぐに買い足すことができるのも愛用している理由。特に無印良品のステンレス商品は無垢な素材感が気に入っています。
この部屋で暮らす上でのこだわりやマイルールを教えてください。
とにかく住みやすい家にすることを心がけています。暮らしに無理が生じないように収納しすぎず、ある程度生活感があるものもデザイン的に気にならなければ表に出しています。例えば、靴は表に出していますが、バッグが積み重なっているのはあまり美しくないのでウォークインクロゼットにしまったり、収納ボックスも取り出しやすいように、8割程度の量を守って収納しています。家具や雑貨のレイアウトに関しても、無理が出ないように動線を確保することを意識。ものそれぞれがあるべき場所をしっかりと見抜いて、定位置を作れば部屋が散らかることもありません。仕事で無理をしたら体を壊してしまうのと同じように、部屋作りでも無理をすれば住みやすさは崩れていくもの。なので、背伸びしすぎず、無理をしないことを心がけています。
壁に穴を開けずにできる!
コンクリート壁面の棚作り
ついついコレクションしてしまうものはありますか?
靴は大好きでたくさん持っています。靴箱ももともとない物件だったので、自分で作りました。お店のディスプレイのように見せながら収納しています。はじめはひとつしかなかったのですが、最近足りなくなったので増設しました。
靴置き場をはじめ、壁を利用した棚はどのように作っていますか?
ここは賃貸物件なので、新たに壁に穴を空けることはしていません。コンクリートを型枠に流し込む際にできた、通称Pコンと呼ばれる穴を利用しています。靴箱は、穴から出ているネジのようなものにボルトを入れてセパレーターという棒を通し、その突っ張りに板を渡しているだけの超簡易棚。簡単に取り外しもできるので重宝しています。
※本ページ掲載のお部屋は、Brilliaの分譲マンションに限らず、ご紹介しております。
Photo : Shinji Serizawa / Text : Runa Kitai