好きなものを好きなだけ。和洋折衷のカラフルインテリア
【saekoさんのコンパクトライフ 後編】
仕事では国内の手しごと品などを品揃えするイベントを担うことの多いsaekoさん。工芸や民藝など、日本のものづくりに触れることで、よりものへの興味が強くなったと話す彼女の自宅は、新古、国籍問わずビビットカラーに溢れていて、どこを見ても楽しげな雰囲気に包まれていました。後編では、saekoさん宅の象徴ともいえる、“らしさ”が詰まったオープンラックの話やインテリアの好み、オフの日の過ごし方についてお届けします。
好きなもの大集結!
“飾る”と“収納”を両立する、オープンラック
自宅の中で、特に気に入っている場所を教えてください。
ダイニングのオープンラックです。部屋に一箇所、自分の好きなものを詰め込んだ、象徴的な場所がほしいと思い作った場所です。ここには日常で見つけた小物や、旅先で買ってきたもの、季節感を感じられるアイテムなどいろいろと飾って、たまに入れ替えたりしながら楽しんでいます。飾るときは所々にグリーンを散りばめて、余白を作ることも意識していますね。
オープンラックは飾り棚として、また収納棚としてもフル活用していますよね。収納に関して工夫していることはありますか?
細かく整理整頓するのは続かない性格なので、収納ケースごとに『化粧品』、『コード類』、『文房具』など、収納するアイテムを決めて、ざっくりとしまっています。アクセサリーをしまっている箱は〈BOX &NEEDLE〉のもの。柄の種類がたくさんあるのでついつい買っちゃいますね。
国籍も年代も不問!
カラフルインテリアの作り方
インテリアはどんなものが好きですか?
明るいビビッドカラーのものが好きで、家には国籍も年代も問わず、自分の好きなものは何でも置いています。郷土玩具など、表情豊かな飾り物を置くと、部屋に遊び心が生まれてより一層愛着の湧く空間に。
郷土玩具をはじめ、工芸や民藝など日本の古いものは好きでよく飾ります。もの単体で見ると『おばあちゃん家にありそう』、『現代の家には合わなさそう』、そんなイメージを抱きがちですが、意外とカラフルな空間に並べると渋くなりすぎず、すんなりと溶け込んでくれるのです。
例えば、キッチンの後ろの壁に飾っているのは、江戸時代の浮世絵です。『道具づくし絵』という昔の生活道具を描いた版画。パッと見た感じモダンな印象を受けるのですが、実は古いもの。色がかわいいと思って手に取ったら、浮世絵でした。目白台にある〈塔屋〉というショップで手に入れたものです。
派手な色をたくさん取り入れているのに、上手く空間がまとまっているのが不思議です。
壁面と家電は白、床とテーブルは木目で揃えるなど、面積の大きなものの色や素材を揃えることで、意外と小物でたくさんの色を取り入れても統一感が出るように感じます。
小物は、色の数が多い方が浮くことがなく、逆に調和が取れる気がします。ペールトーンやパステルカラーなど明るい淡い色味のものは抑えるなど、強いビビットなカラーだけに絞って色のトーンを揃えることも意識していますね。
特に思い入れのあるものを教えてください。
東北へ出張に行ったときに出会ったこけしたちです。2017年頃、『伝統こけしの本』が出版されるタイミングで、勤め先の百貨店でイベントを開催することになり、本の著者である萩原健太郎さんの取材に同行させてもらい、作り手の方に直接話をお聞きしました。実はとてもファンが多いこけしの世界。ひとつひとつ表情が違って、見れば見るほど味があり奥が深いのです。実は北欧など海外の方にも親しまれていて、インテリアとして飾られているお家も多いですよ。
オフの楽しみは、
手料理をお気に入りの器で
お家での休日やオフの時間は、どのように過ごしていますか?
最近はスパイスカレー作りにハマっています。『スパイスカレードリル』という料理本があって、時間ができるとその本を見ながら新しいレシピにチャレンジしています。お肉も野菜もたっぷり摂れて、具材とスパイスを変えたら飽きることもなく、意外と簡単に作れます。また、器も今の仕事をはじめてから集めるようになりました。特に好きな器は、やちむんや小鹿田焼など民藝の器。産地で直接購入したり、陶器市に行ったり、あと東京の器屋さんを訪ねたりしながら、少しずつ集めています。
キッチン作りで心がけていることはありますか?
キッチンは黄色をアクセントにして、ちょっと楽しい空間に。無機質で寂しい印象にならないように、飲んだ後のワインの空き瓶を飾り用に取っておいたり、にぎやかになるようにしています。
一見相容れない、日本の古いものと、ビビットな色使いも見事に調和するsaekoさんの賑やかな住まい。色が増えれば増えるほど、好きなものが増えれば増えるほど、インテリアの楽しみはより一層広がっていく。そう教えてくれた素敵なご自宅でした。自分らしさをどんどん足していく、気分の上がるカラフルインテリアにぜひチャレンジしてみてくださいね。
前編では、家を買った経緯や物件探しで重視したこと、自宅作りのマイルールや家具選びのアイディアについて、ご紹介しています。ぜひ前後編合わせてお楽しみください。
※本ページ掲載のお部屋は、Brilliaの分譲マンションに限らず、ご紹介しております。
Photo : Shinji Serizawa / Text : Runa Kitai